孫子そんし)” の例文
と。すですること(二九)はいをはりて、(三〇)田忌でんきひとたびたずしてふたたつ。つひわうの千きんたり。ここおい孫子そんし威王ゐわうすすむ。
かの有名な兵学者大江匡房おおえのまさふさは家の祖である。大江家伝襲でんしゅう六韜りくとう孫子そんしなどの兵書やら外来の蔵書が、彼の手に移っていたとしてもふしぎはない。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
泰然たいぜんとしてその机を階下に投じ、た自個の所有にかかる書籍、調具を顧りみず、藩主恩賜おんしの『孫子そんし』さえも焼燼しょうじんに帰せしめ、一意いちい以て寓家ぐうか什器じゅうきを救わんとせり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
連戦連勝は、いかなる国の歴史、いかなる勇将の伝記においても、永続した戦役せんえきにはあり得ない。そのこれあるは勝敗の早く決する戦争にのみあるのである。孫子そんし
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
無論、自分もその一方の、熊の皮か何かを敷いた一席に座を構えているので、あたりを見れば短檠たんけいが切ってあって、その傍らに見台けんだいがある、見台の上には「孫子そんし」がのせてある。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これは明らかな事実で、これを威張っておって正宗の剣や弓や甲冑でおれば、支那、印度インドと同じ運命に出遭であう。これが孫子そんしのいわゆるりょうは敵に依る、敵の兵器を以て敵を打つというのである。
吾人の文明運動 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
此方こっちが火を消したならば、おそらく勢いを得て突出とっしゅつして来るであろう。そこを待受まちうけて囲み撃つという計略であった。守ること固きものはいざのうてこれを撃つ、我が塚田巡査は孫子そんし兵法へいほうを心得ていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
書物の講義ばかりかじって、六韜りくとうがどうの孫子そんしが何といったのと、架空な修行しておる者とは、この腕が違う、胆が違う
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太史公たいしこういはく、世俗せぞくしようするところ(一一二)師旅しりよは、みな孫子そんし十三ぺん呉起ごき兵法へいはふふ。おほり、ゆゑろんぜず。其行事そのかうじ施設しせつするところものとをろんず。
呉王ごわういはく、『將軍しやうぐん(一一)罷休ひきう(一二)しやけ、寡人くわじんくだりてるをねがはず』と。孫子そんしいはく、『わういたづら其言そのげんこのんで、其實そのじつもちふることあたはず』
「無駄だ。巧言を止めろ。われも幼少から兵書を読み、孫子そんし呉子ごし神髄しんずいを書にさぐっている。別人ならば知らぬこと、この曹操がいかで汝や黄蓋ごとき者の企てに乗ろうぞ」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫子そんしを読んだことがあるかい? 兵法の書だ、武士たる者、孫子そんし呉子ごしを知らん筈はあるまい。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫子そんし四軍の法を整々せいせいとふんだ小幡民部が軍配ぐんばいぶり、さだめしみごとであろうが、いまは荒涼こうりょうたる星あかり、小屋の屋根から小手をかざしてみた燕作えんさくにも、ただその殺気しか感じられなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「上手なはずです。なにしろ、兵法で有名な孫子そんしの末孫ですから」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「丞相の如きこそ、真の孫子そんし玄妙げんみょうを体得した人というのだろう」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてこの孫子そんし之旗や十三字旗が、ここを立っては川中島へ赴き、その帰るごとに、帰って来た勇士たちも領民も、同じ感激と涙とれるばかりの喊声かんせいで、迎え合い答え合った永禄えいろく前後の頃が、今は
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
加え、日本流の孫子そんしを時親の名であらわすことができるだろう
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫子そんし九変の伏手ふせてと申し、すなわち兵法の一手でござる」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まず味方をあざむけと、孫子そんしか何かにありました」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敵も味方も知る有名な孫子そんしの語がかいてあった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫子そんしおしえている。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫子そんしの曰う
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫子そんし
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)