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娵
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よめ
ふりがな文庫
“
娵
(
よめ
)” の例文
なんでも私達がいま道で、馬を曳いて往った自分の
娵
(
よめ
)
に往き遭ったろうが、どの位先きへ往ったかを知りたいらしい事が
漸
(
ようや
)
く分った。
晩夏
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
そんで
娵
(
よめ
)
持
(
も
)
たせるにしても
折角
(
せつかく
)
こつちに
居
(
ゐ
)
て
働
(
はたら
)
いてんだから
俺
(
お
)
ら
自分
(
じぶん
)
の
處
(
とこ
)
へは
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
く
譯
(
わけ
)
にや
行
(
い
)
かねえと
思
(
おも
)
つてな
何
(
なん
)
ちつてもそれ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「そうかい、そうかい」と言って何事も
娵
(
よめ
)
に従って来た。いたずら盛りの孫が障子を破ろうと、お三輪はそれを叱ったこともない。
食堂
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
たとひ
遠郷
(
ゑんきやう
)
へ
聟
(
むこ
)
娵
(
よめ
)
にゆきて年を
歴
(
へ
)
ても鳥を
喰
(
しよく
)
すれば必
凶応
(
あしきこと
)
あり、
灵験
(
れいげん
)
の
煕々
(
あきらか
)
たる事此一を以て知るべし。されば
遠郷
(
ゑんきやう
)
近邑
(
きんいう
)
信仰
(
しんかう
)
の人多し。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
壻養子に来たのではあるが、お麗さんはその人の妻になりたくないから、家をその人に遣って、自分はどこかへ
娵
(
よめ
)
に行きたいと云っている。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
お絹の口ぶりによると、弟
娵
(
よめ
)
がいつでも問題になるらしかった。そしてそれを言うのはお絹だった。弟は妻のために、お絹姉さんを、少し文句の多すぎる
小姑
(
こじゅうと
)
だと思っていた。
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
娵
(
よめ
)
ばかりそめ物くさしころもがへ 広房
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
分
(
ぷん
)
にならるる
娵
(
よめ
)
の
仕合
(
しあはせ
)
利牛
民族的記憶の名残
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
分
(
ぶん
)
にならるる
娵
(
よめ
)
の
仕合
(
しあわせ
)
利牛
(
りぎゅう
)
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
たとひ
遠郷
(
ゑんきやう
)
へ
聟
(
むこ
)
娵
(
よめ
)
にゆきて年を
歴
(
へ
)
ても鳥を
喰
(
しよく
)
すれば必
凶応
(
あしきこと
)
あり、
灵験
(
れいげん
)
の
煕々
(
あきらか
)
たる事此一を以て知るべし。されば
遠郷
(
ゑんきやう
)
近邑
(
きんいう
)
信仰
(
しんかう
)
の人多し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
老爺
(
おぢい
)
さんが云つて呉れた時分だ……あの頃にお前は未だ髪の毛などを
垂
(
さ
)
げて居たよ、その人が
最早
(
もう
)
お
娵
(
よめ
)
さんに行くんだからねえ。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
おえふは初枝を漸くふところから離せるやうになつた頃、ホテルでは草津の有名な温泉旅館からそこの評判娘を
娵
(
よめ
)
にしたといふ噂を耳にした。
ふるさとびと
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
侍の娘は男の魂を見込んで
娵
(
よめ
)
に往くのだから、男の顔を見てかれこれ云う筈はない。それが日本ばかりの事であっても、好い事なら好いではないか。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そんでそれ
娵
(
よめ
)
つちのが
心底
(
しんてえ
)
のえゝ
女
(
をんな
)
だつちんだからわしも
欲
(
ほ
)
しいのさ
本當
(
ほんたう
)
の
噺
(
はなし
)
がねえ、さう
云
(
ゆ
)
つちや
我慾
(
がよく
)
の
樣
(
やう
)
だがおんなじもんなら
軟
(
やつ
)
けえ
言辭
(
ことば
)
でも
掛
(
か
)
けてくれる
嫁
(
よめ
)
でなくつちやねえ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
○かくて
産後
(
さんご
)
日を
歴
(
へ
)
てのち、
連日
(
れんじつ
)
の雪も
降止
(
ふりやみ
)
天気
穏
(
おだやか
)
なる日、
娵
(
よめ
)
夫
(
をつと
)
にむかひ、
今日
(
けふ
)
は
親里
(
おやざと
)
へ
行
(
ゆか
)
んとおもふ、いかにやせんといふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
お三輪に、彼女が
娵
(
よめ
)
のお富に、二人の孫に、子守娘に、この家族は震災の当時東京から焼出されて、浦和まで落ちのびて来たものばかりであった。
食堂
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
……そこで長男の
娵
(
よめ
)
として、牡丹屋のおえふが眞先きに選ばれた。牡丹屋といへば、いまでこそ昔ほどの羽ぶりは利かなかつたが、隣りの村の本陣。
ふるさとびと
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
娘の時から犬ころや猫や小鳥をも、母として可哀がる。
娵
(
よめ
)
に
行
(
い
)
けば夫をも母として可哀がる。人類の継続の上には、この型の女が勲功を奏している。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
駒形の家とは、おげんの亡くなった
伜
(
せがれ
)
が
娵
(
よめ
)
と一緒にしばらく住んだ家で、おげんに取っても思出の深いところであった。
ある女の生涯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
我国にて
児童等
(
こどもら
)
が人の
門
(
かど
)
を
斗棒
(
とぼう
)
にてたゝき、
娵
(
よめ
)
をだせ
聟
(
むこ
)
をだせとのゝしりさわぐは、右の風土記の
俗習
(
ぞくしふ
)
の
遺事
(
ゐじ
)
なるべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
独身で小倉に来ているのを、東京にいるお
祖母
(
ば
)
あさんがひどく案じて、手紙をよこす度に
娵
(
よめ
)
の詮議をしている。
独身
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
母は自分の息子の
娵
(
よめ
)
が胸などを患ってサナトリウムにはいっている事を表向き
憚
(
はばか
)
って、ちょっと神経衰弱位で転地しているように人前をとりつくろっていた。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
我国にて
児童等
(
こどもら
)
が人の
門
(
かど
)
を
斗棒
(
とぼう
)
にてたゝき、
娵
(
よめ
)
をだせ
聟
(
むこ
)
をだせとのゝしりさわぐは、右の風土記の
俗習
(
ぞくしふ
)
の
遺事
(
ゐじ
)
なるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
伜の
娵
(
よめ
)
も居る。その娵は皆の話の仲間入をしようとして女持の細い
煙管
(
きせる
)
なぞを取り出しつつある。二階の
欄
(
てすり
)
のところには東京を見物顔なお新も居る。
ある女の生涯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
聞けば貸家になっている家は、この婆あさんの亭主で、植木屋をしていた爺いさんが、
倅
(
せがれ
)
に
娵
(
よめ
)
を取って家を譲るとき、新しく立てて
這入
(
はい
)
った隠居所なのである。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
昔気質
(
むかしかたぎ
)
の母は、この頃何かと気ぶっせいな
娵
(
よめ
)
を自分達から一時別居させて以前のように息子と二人きりになれる気楽さを圭介の前では顔色にまで現わしながら
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「お
娵
(
よめ
)
さんに成れば
皆
(
みん
)
な変るつて言ひますけれども、あんなに急に変らうとは思はなかつた。」とお栄が答へた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
人の狼なるは狼の狼なるよりも
可惧
(
おそるべく
)
可悪
(
にくむべし
)
。
篤実
(
とくじつ
)
を
外面
(
げめん
)
とし、
奸慾
(
かんよく
)
を
内心
(
ないしん
)
とするを
狼者
(
おほかみもの
)
といひ、
娵
(
よめ
)
を
悍戻
(
いびる
)
を
狼老婆
(
おほかみばゝ
)
といふ。
巧
(
たくみ
)
に
狼心
(
らうしん
)
をかくすとも
識者
(
しきしや
)
の
心眼
(
しんがん
)
は
明鏡
(
めいきやう
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
博士は其時笑つて、そんなら其
久松
(
ひさまつ
)
を連れて
娵
(
よめ
)
に来れば
好
(
い
)
いと云つた事もある。併し事実問題になると、博士は
躊躇
(
ちうちよ
)
することを免れない。博士は自ら解して、かう云つてゐる。なに。
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
おえふが年頃になると、その村の蔦ホテルから、突然、長男の
娵
(
よめ
)
にと懇望された。
ふるさとびと
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
伯母さんは
階下
(
した
)
で一服やつて、お
娵
(
よめ
)
さんの心得に成るやうなことをお節に言つて聞かせる、それから女持の煙草入を手にしながらお父さん達の
仰
(
おつしや
)
る方へ行つた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
一体己には
esprit
(
エスプリイ
)
non
(
ノン
)
préocupé
(
プレオキュペエ
)
が
闕
(
か
)
けている。安という女が瀬戸の
frivole
(
フリヴオル
)
な目で発見せられるまで、己の目には唯家主の
娵
(
よめ
)
というものが写っていた。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
彼女の
娵
(
よめ
)
がいまのままの生活に何か不満そうにし出している事が
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「わたしにお
娵
(
よめ
)
に来てくれなんて
煩
(
うるさ
)
いことを言う人も無くなって、
却
(
かえ
)
って好いかも知れません」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
梅と婚礼をせいと云う託宣なんぞも、やっぱりお梅さんが言い渡して置いて、箕村が婚礼の支度をすると、お梅さんは驚いた顔をして、お
娵
(
よめ
)
さんはどちらからお
出
(
いで
)
なさいますと云ったそうだ。
独身
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
はずかしいことながら、おげんはもう長いこと国の養子夫婦の
睦
(
むつ
)
ましさに心を悩まされて、自分の前で養子の
噂
(
うわさ
)
をする何でもない
娵
(
よめ
)
の言葉までが
妬
(
ねた
)
ましく思われたこともあった。
ある女の生涯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
自分は
曾
(
かつ
)
て
倫敦
(
ロンドン
)
に住んだことが有るという話や、そのために自分は家中で一番よく英語が話せる、
娵
(
よめ
)
はあまり話せないが忰の方はすこしは話せて好都合であるということなぞや
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お民の女の子のうわさを半蔵にして、寿平次に迎えた
娵
(
よめ
)
のお里にはまだ子がないことなどを言って見せる人である。隠居は家の人たちと一緒に門口に出て、寿平次を見送る時に言った。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
娵
漢検1級
部首:⼥
11画
“娵”を含む語句
娵入
娵女
弟娵
良娵
花娵