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大欠伸
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おおあくび
ふりがな文庫
“
大欠伸
(
おおあくび
)” の例文
側の者も、
呆
(
あき
)
れ顔した。しかし、さすがに二晩目は、宵のうちに眼がさめて、
大欠伸
(
おおあくび
)
を一つすると、それから体をもて余してしまった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五月蠅
(
うるさ
)
がって出るのは彼方の勝手だ。——決心に満足を感じ、せきは誰
憚
(
はばか
)
るところない
大欠伸
(
おおあくび
)
を一つし、徐ろに寝床へ這い込んだ。
街
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
と
引捻
(
ひんねじ
)
れた四角な口を、額まで
闊
(
かつ
)
と開けて、
猪首
(
いくび
)
を
附元
(
つけもと
)
まで
窘
(
すく
)
める、と見ると、
仰状
(
のけざま
)
に
大欠伸
(
おおあくび
)
。余り
度外
(
どはず
)
れなのに、自分から
吃驚
(
びっくり
)
して
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すでに英国大使館の標識を付けた立派なキャデラックがホテルの前に止まって、運転手の野郎は
主
(
あるじ
)
待ち顔に
大欠伸
(
おおあくび
)
をしていた。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
大欠伸
(
おおあくび
)
と一緒に身を起した藤吉、
仮寝
(
うたたね
)
していたにしては、眼の光が強過ぎた。
胡坐
(
あぐら
)
を揺るがせながら、
縷々
(
るる
)
として始める。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
平次は
煙草
(
きせる
)
をポンと叩いて、天井を突き抜けるような
大欠伸
(
おおあくび
)
をしました。岡っ引根性を無駄に刺戟されてとんだ緊張が馬鹿馬鹿しかった様子です。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのうち磯が眠そうに
大欠伸
(
おおあくび
)
をしたので、お源は
垢染
(
あかじみ
)
た
煎餅布団
(
せんべいぶとん
)
を一枚敷いて一枚
被
(
か
)
けて二人一緒に
一個身体
(
ひとつからだ
)
のようになって首を縮めて寝て了った。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
道庵先生は、そんなことにさまで興を催さないから、思わず
大欠伸
(
おおあくび
)
をすると遠藤老人は、道庵先生の席を顧みて
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
黒井さんは、「ああァ」と
大欠伸
(
おおあくび
)
をしてから、周囲をみまわし、「
大坂
(
ダイハン
)
とか、よし、また、ひねってやろう」
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
寝呆
(
ねぼ
)
けまなこをこすりながら、顔中を口にして、ううんと
大欠伸
(
おおあくび
)
をした
拍子
(
ひょうし
)
に、またもやドカーン。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
斯様
(
こん
)
な時によく子供の
大怪我
(
おおけが
)
がある。家の内は麦の
芒
(
のげ
)
だらけ、墓地は草だらけで、お寺や教会では坊さん教師が
大欠伸
(
おおあくび
)
して居る。後生なんか願うて居る暇が無いのだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
片
(
かた
)
っ
端
(
ぱし
)
から不得要領の
大欠伸
(
おおあくび
)
の中に葬り去っているのはソモソモ何という大きな無調法であろう。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
いかにも赤鬼という
仇名
(
あだな
)
にふさわしく、栄二は「こいつは案外お人好しだな」と思いながら、彼の見ている前で仰向けに倒れ、両手を頭のうしろで組んで、あけっぴろげに
大欠伸
(
おおあくび
)
をした。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
思わずお種は旧い家の内へ響けるような
大欠伸
(
おおあくび
)
をした。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と団さんは
大欠伸
(
おおあくび
)
をした。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「いけねえ。落ち着いてちゃあいけねえ!」と与吉は、わらじをとくまも
呼吸
(
いき
)
を切らしているが、家内のお藤は
大欠伸
(
おおあくび
)
だ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
座が白けて、しばらく言葉が
途絶
(
とだ
)
えたうちに所在がないので、唄うたいの
太夫
(
たゆう
)
、
退屈
(
たいくつ
)
をしたとみえて、顔の前の
行燈
(
あんどう
)
を吸い込むような
大欠伸
(
おおあくび
)
をしたから。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若い肉塊は、なにか、
疼
(
うず
)
きにたまらなくなるらしい。思うざまな
大欠伸
(
おおあくび
)
を一つして、大の字
形
(
なり
)
に
反
(
そ
)
ッくり返ると
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しかし今日は好い
案排
(
あんばい
)
に暖かいね。
母上
(
おっかさん
)
でも今日は大丈夫だろう」と両手を伸して
大欠伸
(
おおあくび
)
をして
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
その晩、甲府八幡宮の茶所で
大欠伸
(
おおあくび
)
をしているのは宇治山田の米友であります。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
本気か冗談か判らぬようなことを云って、アーアと
大欠伸
(
おおあくび
)
した。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ガラッ八の八五郎は
咽喉仏
(
のどぼとけ
)
の見えるような
大欠伸
(
おおあくび
)
をしました。
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
年久しく十四五年を経た
牝
(
めす
)
が、
置炬燵
(
おきごたつ
)
の上で長々と寝て、
密
(
そっ
)
と薄目を
睜
(
みひら
)
くと、そこにうとうとしていた
老人
(
としより
)
の顔を伺った、と思えば、張裂けるような
大欠伸
(
おおあくび
)
を一つして
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ごろつきたちが、胸に一
物
(
もつ
)
の
揉
(
も
)
ミ手腰で、うようよ近づいてきたのを、知るか知らぬか、智深は
大欠伸
(
おおあくび
)
をして、
床
(
ゆか
)
の高い番所の
梯子段
(
はしごだん
)
を降りたと思うと、のっそり畑のほうへ歩いてきた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
程経てまた
大欠伸
(
おおあくび
)
をはじめてしまいました。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大欠伸
(
おおあくび
)
をしながら
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
煙草
(
たばこ
)
ももう吸い飽きて、
拱
(
こまぬ
)
いてもだらしなく、ぐったりと解ける腕組みを仕直し仕直し、がっくりと
仰向
(
あおむ
)
いて、唇をペろぺろと舌で
嘗
(
な
)
める
親仁
(
おやじ
)
も、
蹲
(
しゃが
)
んだり立ったりして、色気のない
大欠伸
(
おおあくび
)
を
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると文観は、眠っていた
羅漢
(
らかん
)
が、
突
(
とつ
)
と、
大欠伸
(
おおあくび
)
でも発するように
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とまた
大欠伸
(
おおあくび
)
をして、むらむらと白い息を吹出すと、筒抜けた大声で
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
突懸
(
つっかか
)
り、端に居た
奴
(
やつ
)
は、くたびれた
麦藁帽
(
むぎわらぼう
)
を
仰
(
のけ
)
ざまに
被
(
かぶ
)
って、
頸窪
(
ぼんのくぼ
)
へ
摺
(
ず
)
り落ちそうに天井を
睨
(
にら
)
んで、
握拳
(
にぎりこぶし
)
をぬっと上げた、
脚絆
(
きゃはん
)
がけの
旅商人
(
たびあきんど
)
らしい風でしたが、
大欠伸
(
おおあくび
)
をしているのか、と見ると
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と便所の
裡
(
なか
)
で屋根へ投げた、筒抜けな
大欠伸
(
おおあくび
)
。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
欠
常用漢字
小4
部首:⽋
4画
伸
常用漢字
中学
部首:⼈
7画
“大欠”で始まる語句
大欠
大欠呻