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境界
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きやうがい
ふりがな文庫
“
境界
(
きやうがい
)” の例文
「僕はいつも考へてゐますが、現代では、大きな事業家と云はれる人々に最も多くさういふ
境界
(
きやうがい
)
を經驗してゐるものがあります。」
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
一たび
偕
(
とも
)
に
嚢家
(
なうか
)
(
博奕場
(
ばくえきぢやう
)
)に往かずや、いかなる
境界
(
きやうがい
)
をも詩人は知らざるべからずとは、吾友フエデリゴの曾て云ひしところなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
男つて
嘘吐
(
うそつ
)
きよ。女を口の先でまるめて、自分の
境界
(
きやうがい
)
はちやんとしておくのね。私を、こんなところへ連れて来て、思ひ知らせるなンてひどいわ。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
云はば目前の
境界
(
きやうがい
)
が、すぐそのまま、地獄の
苦艱
(
くげん
)
を現前するのである。自分は二三年前から、この地獄へ堕ちた。一切の事が少しも永続した興味を与へない。
孤独地獄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「とにかくヂョウジアァナさんのやうに可愛ければ、同じやうな
境界
(
きやうがい
)
でも、もつと動かされるでせうに。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
此身は雲井の鳥の羽がひ自由なる書生の
境界
(
きやうがい
)
に今しばしは遊ばるゝ心なりしを、先きの日故郷よりの便りに曰く、大旦那さまこと其後の容躰さしたる事は御座なく候へ共
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それを
好加減
(
いゝかげん
)
に
揣摩
(
しま
)
する
癖
(
くせ
)
がつくと、それが
坐
(
すわ
)
る
時
(
とき
)
の
妨
(
さまたげ
)
になつて、
自分
(
じぶん
)
以上
(
いじやう
)
の
境界
(
きやうがい
)
を
豫期
(
よき
)
して
見
(
み
)
たり、
悟
(
さとり
)
を
待
(
ま
)
ち
受
(
う
)
けて
見
(
み
)
たり、
充分
(
じゆうぶん
)
突込
(
つつこ
)
んで
行
(
ゆ
)
くべき
所
(
ところ
)
に
頓挫
(
とんざ
)
が
出來
(
でき
)
ます。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
慈愛の
懐
(
ふところ
)
から思ひも寄らぬ孤独の
境界
(
きやうがい
)
に投げ出された子供は、力の限り戸を
敲
(
たゝ
)
いて、女中の名や、家にはゐない親しい人の名まで
交
(
かは
)
る/″\呼び立てながら、救ひを求めてゐた。
An Incident
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
わたしはどうしてもこんな平凡極まる
境界
(
きやうがい
)
を脱して、新しい境界に蹈み込んで見ずにはゐられない。たしかサラトフでの出来事であつたかと思ふ。
遊山
(
ゆさん
)
に出た一組が凍え死んだ事がある。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
何とせん憐れにも亦いぢらしき有樣よと思ふうち
母子
(
おやこ
)
の歩みは遲けれど驅ける車の早ければ
見顧
(
みかへり
)
ても見えずなりぬ
此母子
(
このおやこ
)
の
境界
(
きやうがい
)
はいかならん影の如く是に伴ひて見たしまた成し
遂
(
とげ
)
らるゝものならば力を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
開きコリヤ/\
假令
(
たとへ
)
隱
(
かく
)
したりとて出家の
境界
(
きやうがい
)
今更其を
明
(
あか
)
すべきや
然而
(
まして
)
一向知らぬこと此身體は素より
假
(
かり
)
の世なり殺さば殺せ勝手にしろと云を兩人は聞イヤハヤ
此奴
(
こいつ
)
硬情
(
しぶとき
)
坊主めと云樣力に任せて一打
肋
(
あばら
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これをフアンタジア(空想)の君とはいふなり。われは唯だ平生夢裏に遊べる
境界
(
きやうがい
)
を歌はんのみ。その中には同じ神女の宮殿あり、
苑囿
(
ゑんいう
)
あり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
一切
(
いつさい
)
衆生
(
しゆうじやう
)
すて
物
(
もの
)
に、
我
(
わが
)
まヽらしき
境界
(
きやうがい
)
こヽろには
涙
(
なみだ
)
を
呑
(
の
)
みて、
憂
(
う
)
しや
廿歳
(
はたち
)
のいたづら
臥
(
ぶし
)
、一
念
(
ねん
)
かたまりて
動
(
うご
)
かざりけるが、
岩
(
いは
)
をも
徹
(
とほ
)
す
情
(
なさけ
)
の
矢
(
や
)
の
根
(
ね
)
に
敏
(
さとし
)
がこと
身
(
み
)
にしみ
初
(
そめ
)
て
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
おせいの事件がなかつたら、かうした、自殺にもひとしい、絶望的な世捨て人の
境界
(
きやうがい
)
にはいる事もなかつたであらう。掃除の行きとどいた朝の郵便局の光線は、海の底のやうに静かで、平和であつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
社會もない
境界
(
きやうがい
)
が却つて面白い樣な氣がする。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
そが上おん身は詩人にて、即興詩もて口を糊せんといふにあらずや。吾黨の自由
不羇
(
ふき
)
の
境界
(
きやうがい
)
を見て心を動すことはなきか。客人試みに此境界を歌ひ給へ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それは
調製
(
こしら
)
へて
上
(
あ
)
げられるやうならお
目出度
(
めでたい
)
のだもの
喜
(
よろこ
)
んで
調製
(
こしら
)
へるがね、
私
(
わたし
)
が
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
てお
呉
(
く
)
れ、
此樣
(
こん
)
な
容躰
(
ようだい
)
で
人
(
ひと
)
さまの
仕事
(
しごと
)
をして
居
(
ゐ
)
る
境界
(
きやうがい
)
ではなからうか、まあ
夢
(
ゆめ
)
のやうな
約束
(
やくそく
)
さとて
笑
(
わら
)
つて
居
(
ゐ
)
れば
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“境界”の意味
《名詞》
物と物との境。疆界。極限。
(出典:Wiktionary)
境
常用漢字
小5
部首:⼟
14画
界
常用漢字
小3
部首:⽥
9画
“境”で始まる語句
境内
境
境遇
境涯
境目
境地
境川
境木峠
境木
境論