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執成
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とりな
ふりがな文庫
“
執成
(
とりな
)” の例文
今更
兎角
(
とかく
)
の
執成
(
とりな
)
しは御聴入れも
可無之
(
これなかるべく
)
、重々御立腹の段
察入
(
さっしいり
)
候え共、
聊
(
いささ
)
か存じ寄りの儀も
有之
(
これあり
)
、近日美佐子同道
御入来被下間敷候哉
(
ごじゅらいくだされまじくそうろうや
)
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
番頭久八は大いに驚き主人五兵衞へ
段々
(
だん/\
)
に
詫言
(
わびごと
)
に及び千太郎には厚く
異見
(
いけん
)
を加へ
彼方
(
あち
)
此方
(
こち
)
と
執成
(
とりな
)
しければ五兵衞も
漸々
(
やう/\
)
怒
(
いか
)
りを治め此後を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「せめて中旬までとマザーへ
執成
(
とりな
)
しを頼みました。しかし責任は負わないと言うんです。帰ったきり未だに手紙も寄越しません」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「お助けお助け! どうぞお助け! 髪を剃られてなるものか! ハテ皆様も見ておらずとお
執成
(
とりな
)
しくだされてもよかりそうなものじゃ!」
紅白縮緬組
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
最早罪に伏したので、今までは
執成
(
とりな
)
すことも出来なかった小芳が、ここぞ、と
見計
(
みはから
)
って、初心にも、
袂
(
たもと
)
の先を
爪
(
つま
)
さぐりながら
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
その件について老中への
執成
(
とりな
)
しを願い出ましたところ、幕府から内命があって、事情を聞くために柴田
外記
(
げき
)
が召されました。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
アデェルは馬車に
跳
(
と
)
び込んで來ると、私の
執成
(
とりな
)
しに對する感謝の意をこめて私に接吻した。が、直ぐに彼の向う側の隅に押込められてしまつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
そういう言葉に
執成
(
とりな
)
されたあとで、年下の芸妓を主に年上の芸妓が
介添
(
かいぞえ
)
になって、
頻
(
しき
)
りに
艶
(
なま
)
めかしく柚木を取持った。
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
母
(
はゝ
)
は
見
(
み
)
かねてそれはあまりに
短氣
(
たんき
)
なりあの
子
(
こ
)
の
詞
(
ことば
)
も
一通
(
ひととほ
)
りは
聞
(
きい
)
てお
遣
(
や
)
りなされませぬかと
執成
(
とりな
)
すを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
左様
(
さよう
)
じゃによって幸兵衞を
好
(
よ
)
きように主人へ
執成
(
とりな
)
し、柳に
謟諛
(
こびへつら
)
い、体よく
暇
(
いとま
)
を取って、入谷へ世帯を持ち、幸兵衞を同居いたさせ置き、柳と密会を致させたのであろう
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ああ、ありがと、君には済まないね。どうぞヨッちやんに宜しく
執成
(
とりな
)
しておくれよ、ね。済まないね。……なんなら、君も来ないか? 一緒に
職
(
くち
)
を頼んであげるから……」
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
柳沢出羽守の
執成
(
とりな
)
しで、五代、河内守
忠挙
(
ただと
)
に遺領と上邸を下され、やっとのことで御詰役になったが、またぞろ柳沢騒動に加担し、事、露見に及んで、病気を言いたててひき籠り
無惨やな
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
で、諸大名ら人〻の
執成
(
とりな
)
しで、将軍
義澄
(
よしずみ
)
の叔母の縁づいている太政大臣九条
政基
(
まさもと
)
の子を養子に貰って元服させ、将軍が
烏帽子親
(
えぼしおや
)
になって、その名の一字を受けさせ、源九郎
澄之
(
すみゆき
)
とならせた。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
急ぎの仕立がまだ縫ひ上つてない場合は千登世に代つて巧く
執成
(
とりな
)
してくれ一日に何遍となく
梯子段
(
はしごだん
)
を昇り降りして八百屋酒屋の取次ぎまでしてくれたり、二人は内儀さんの數々の心づくしを思ふと
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
受験生の境遇に
真正
(
ほんとう
)
の同情が出来るのは
具
(
つぶ
)
さに受験生の経験を嘗めた者ばかりだ。兄さんの俊一君は常に二郎君の為めに
執成
(
とりな
)
し役を勤めている。
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そういう言葉に
執成
(
とりな
)
されたあとで、年下の芸妓を主に年上の芸妓が介添になって、
頻
(
しき
)
りに
艶
(
なま
)
めかしく柚木を取持った。
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「おまえに試合の模様を話してもしようがない、女はそんなことに気を使う必要はないよ、それより伯父上がひどく御立腹だ。またひとつおまえの
執成
(
とりな
)
しを頼むぞ」
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
なにとぞ私の貧を
憐
(
あわれ
)
みお師匠様にそこをよろしくお
執成
(
とりな
)
し下されお目こぼしを
願度
(
ねがいたし
)
と云った。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
文「さア
何
(
ど
)
うぞ是れへお通り下さりませ、
宜
(
よ
)
うこそおいで下さいました、定めし
其許様
(
そこもとさま
)
のお
執成
(
とりな
)
しとは存じますが、何から何まで御配慮下さいまして、千万辱のう存じます」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
誰一人
執成
(
とりな
)
してくれようと云うものはなし、しかたがないので、そっとね、姉様が
冤
(
むじつ
)
の罪を
被
(
き
)
せられて——
昨夕
(
ゆうべ
)
話したッけ——冤というのは何にも知らない罪を塗りつけられたの。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ぢや、行つてきます。ヨッちやんにくれぐれも宜しく
執成
(
とりな
)
してね。ぢや——」
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
「あの爐棚の上のは、私が描いたの。」それは水彩の山水で、私の爲めに親切に委員の人たちが
執成
(
とりな
)
してくれたお禮心に私が學監に
贈物
(
おくりもの
)
にしたもので、それに
縁
(
ふち
)
をつけ
硝子
(
ガラス
)
を嵌めたものだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「熊野と松本はすんでのことに首になるところだったが、中島さんの
執成
(
とりな
)
しで、始末書を入れて漸く繋がった」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それも叔父さまや叔母さまのお
執成
(
とりな
)
しで、無事に和田から藤島へ嫁にまいったのでございます
はたし状
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いゝえ全くお前さえよければ先生は御新造になさる
思召
(
おぼしめ
)
しがあるのだから、お前がたって…頼みたいと思うなら、骨を折って
宜
(
よ
)
いように
執成
(
とりな
)
すから了簡を決めろといいますから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何とかお
執成
(
とりな
)
しをなされましたらようござりましょうに、忠義顔をして五つの
咎
(
とが
)
を十ほどにも
吹聴
(
ふいちょう
)
なされ、いらざることを殿下のお耳へお入れ申して、骨肉のあらそいに油を注ぐようなことを
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
西川さんですか? 御令息ですね? 今朝は取込んでいて
真
(
まこと
)
に失礼申上げました。容態は引続いて良好ですから御安心下さい。何うぞ御両親さまへ宜しくお
執成
(
とりな
)
しを願います。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
扨
(
さて
)
其の歳の暮に春部梅三郎が何ういう
執成
(
とりな
)
しを致しましたか、伯父秋月へ話し込むと、秋月が渡邊織江の処へまいりまして相談致すと、
素
(
もと
)
より推挙致したのは渡邊でございますが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何
(
いず
)
れその中然るべき人を通して御両親へ申入れますから、宜しくお
執成
(
とりな
)
しをとまで漕ぎつけたのが一昨日のことで、それから昨日の騒ぎさ。松浦さんは大慌てをして帰ってしまった。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それは誠に
思掛
(
おもいがけ
)
ない有難いこと、私の様な者を先生が
仮令
(
たとえ
)
妾にでもなすって下さるなら、私は本当に浮ぶ訳で、べん/\とこんな処にいたくないから、
屹度
(
きっと
)
執成
(
とりな
)
しておくれかというと
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
自分は飛鳥山で大藏に恩になって居りますから、
片贔屓
(
かたびいき
)
になるようで
却
(
かえ
)
って当人のためにならんからと云って、
扣
(
ひか
)
え目にして居りますと、秋月の引立で
御前体
(
ごぜんてい
)
へ
執成
(
とりな
)
しを致しましたから
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と私は松本さんの為め又自分の為めに再び
執成
(
とりな
)
さなければならなかった。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
名主へ行って話をして、
彼
(
あ
)
れは
外面
(
うわべ
)
は
瓦落
(
がら
)
/\して、鼻先ばかり
悪徒
(
あくとう
)
じみて居りますが、腹の中はそれほど
巧
(
たくみ
)
のある奴では無いと、
斯
(
こ
)
う己が
執成
(
とりな
)
して置いたから
居
(
い
)
られる、云はゞ恩人だ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と夫人は
執成
(
とりな
)
さざるを得ない。
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
執
常用漢字
中学
部首:⼟
11画
成
常用漢字
小4
部首:⼽
6画
“執成”で始まる語句
執成方
執成立