國府津こふづ)” の例文
新字:国府津
大船おほふなはつしてしまへば最早もう國府津こふづくのをほか途中とちゆうなにることは出來できないとおもふと、淺間あさましいことには殘念ざんねんたまらない。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
たしかえきみとめたのは國府津こふづだつたのである。いつもは大船おほふななほして、かなたに逗子づし巖山いはやまに、湘南しやうなんうみなぎさにおはします、岩殿いはと觀世音くわんぜおんれいまゐらすならひであるのに。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
國府津こふづの浦にわが立ちし
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
箱根はこね伊豆いづ方面はうめん旅行りよかうするもの國府津こふづまでると最早もはや目的地もくてきちそばまでゐたがしてこゝろいさむのがつねであるが、自分等じぶんら二人ふたり全然まるでそんな樣子やうすもなかつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
時間じかん前後ぜんご汽車きしやは、六月ろくぐわつ七月しちぐわつだと國府津こふづでもうあかるくなる。八月はちぐわつこゑくと富士驛ふじえきで、まだちつたないと、ひがしそらがしらまない。わたし前年ぜんねん身延みのぶまゐつたのでつてる。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其處そこ國府津こふづまでの切符きつぷひ、品川しながはまでき、そのプラツトホームで一時間じかん以上いじやうつことゝなつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
阿部川あべかはへば、きなこもちとばかり心得こゝろえ、「贊成さんせい。」とさきばしつて、大船おほふなのサンドヰツチ、國府津こふづ鯛飯たひめし山北やまきたあゆすしと、そればつかりをあてにして、みなつてべるつもりの
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
國府津こふづりたとき日光につくわう雲間くもまれて、新緑しんりよくやまも、も、はやしも、さむるばかりかゞやいてた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)