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噴出
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ふきだ
ふりがな文庫
“
噴出
(
ふきだ
)” の例文
呼吸
(
いき
)
を詰めて、うむと
堪
(
こら
)
えて
凍着
(
こごえつ
)
くが、
古家
(
ふるいえ
)
の
煤
(
すす
)
にむせると、時々
遣切
(
やりき
)
れなくなって、
潜
(
ひそ
)
めた
嚔
(
くしゃめ
)
、ハッと
噴出
(
ふきだ
)
しそうで不気味な真夜中。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
欲念、本能的衝動、思想などが、あたかも火山地帯から
硫黄
(
いおう
)
の煙が
噴出
(
ふきだ
)
すように、相次いで飛び出してきた。そして彼はみずから尋ねた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
小浜兵曹長は、首と手首とをうまくうごかして、革ぶくろの底をゆわえてあった紐をひっぱり、ふくろの中の水を、革ぶくろの破れ目から滝のように
噴出
(
ふきだ
)
させました。
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
大地震
(
だいぢしん
)
のとき、
泥土層
(
でいどそう
)
や、
卑濕
(
ひしゆう
)
の
土地
(
とち
)
には
長
(
なが
)
い
裂
(
さ
)
け
目
(
め
)
に
沿
(
そ
)
うて
泥砂
(
どろすな
)
を
噴出
(
ふきだ
)
すことはありがちのことであるが、もし
地震
(
ぢしん
)
の
當時
(
とうじ
)
に
此現象
(
このげんしよう
)
を
觀察
(
かんさつ
)
することが
出來
(
でき
)
たならば
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
読経のはじまる頃にまた別荘に帰ったが、心が弾ンでいるもンだから、焼香の途中で
噴出
(
ふきだ
)
しそうになって閉口した。翌日、高木と二人で東京へ行って、無事に埋葬を済ませた。
湖畔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
やはり無言のまま無理やりに吾輩を引っぱって行こうとしたが、そのはずみに吾輩のマントの両袖がスッポリと
千切
(
ちぎ
)
れて、二人の巡査が左右に尻餅を突いた。吾輩は思わず
噴出
(
ふきだ
)
した。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
親蟹
(
おやがに
)
は
歩
(
ある
)
きだしました。すると、こんどは
子蟹
(
こがに
)
が
腹
(
はら
)
をかかえて
噴出
(
ふきだ
)
しました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
玩具
(
おもちゃ
)
箱のような小屋全体が、自分一人を残して、サッと一転し、半ば夢中で、向うのブランコへ飛乗ると、何処へ隠れていたのか、急に
浴
(
あび
)
たような汗が、一遍に
噴出
(
ふきだ
)
し、心臓は、
周章
(
あわて
)
て血管の中を
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
艫
(
とも
)
寄りの甲板の
欄
(
てすり
)
の側に立って、そこから大きな煙筒の方を望むと、さかんな黒い煙が
凄
(
すさま
)
じい勢いで
噴出
(
ふきだ
)
している。あだかも
羽翼
(
つばさ
)
をひろげた黒い怪鳥が一羽ずつそこから舞い
起
(
た
)
つかのように見える。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
頸動脈
(
けいどうみゃく
)
から
噴出
(
ふきだ
)
した血は、首から襟へ胸へと、ほとんど半身をひたして、
碧色
(
みどりいろ
)
の艶をさえ帯び、娘の蒼白い顔は、不意を喰ったにしては、少し深刻な恐怖を刻んで、美しさを破壊しない程度ながらも
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女中がクス/\
噴出
(
ふきだ
)
した。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
呼吸
(
いき
)
を
詰
(
つ
)
めて、うむと
堪
(
こら
)
へて
凍着
(
こゞえつ
)
くが、
古家
(
ふるいへ
)
の
煤
(
すゝ
)
にむせると、
時々
(
とき/″\
)
遣切
(
やりき
)
れなく
成
(
な
)
つて、
潛
(
ひそ
)
めた
嚔
(
くしやめ
)
、ハツと
噴出
(
ふきだ
)
しさうで
不氣味
(
ぶきみ
)
な
眞夜中
(
まよなか
)
。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
水嵩
(
みずかさ
)
はみるみるうちに増大して、
水位
(
すいい
)
は
刻々
(
こくこく
)
あがって来た。床の
四隅
(
よすみ
)
から水は
噴出
(
ふきだ
)
すものと見え、その四隅のところは水柱が立って、白い泡の交った波がごぼんごぼんと鳴っていた。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
警官は万平の顔に懐中電燈を突付けるとプッと
噴出
(
ふきだ
)
した。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ちょっとまた踊が
憑
(
つ
)
いた形になると、興に乗じて、あの番頭を
噴出
(
ふきだ
)
させなくっては……女中をからかおう。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
往來
(
わうらい
)
を
行交
(
ゆきか
)
ふもの、これを
見
(
み
)
て
噴出
(
ふきだ
)
さざるなし。
而
(
そ
)
して、その
事
(
こと
)
を、その
女房
(
かみさん
)
が
語
(
かた
)
る
時
(
とき
)
に
又
(
また
)
曰
(
いは
)
く
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
客
(
きやく
)
が
妙
(
めう
)
な
顏
(
かほ
)
をして、これを
眺
(
なが
)
めて、
察
(
さつ
)
したと
見
(
み
)
えて
噴出
(
ふきだ
)
して、「
火
(
ひ
)
の
事
(
こと
)
だよ/\。」と
言
(
い
)
ふ。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小女
(
こおんな
)
が一度、右の千鳥女史と
囁
(
ささや
)
き合って、やがて巡査の顔を見い見い、二階に寝ていたのを起した始末。笑い掛けたのは半途で
圧
(
おさ
)
え、
噴出
(
ふきだ
)
したのは
嚥込
(
のみこ
)
んで、いやに静かな事よって
如件
(
くだんのごとし
)
。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬鹿め、と
噴出
(
ふきだ
)
して飛上る後から、ややあって、道学先生、のそりのそり。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
畜生! 飛附いて
扶
(
たす
)
けようと思ったが、動けるどころの沙汰ではないので、人はかような苦しい場合にも自ら馬鹿々々しい滑稽の趣味を解するのでありまする、小宮山はあまりの事に
噴出
(
ふきだ
)
して
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
湯の
噴出
(
ふきだ
)
します
巌穴
(
いわあな
)
が
直
(
じ
)
き横手にござりますんで、ガタリといえば、ワッと申す、
同一
(
おなじ
)
気の
迷
(
まよい
)
なら、
真先
(
まっさき
)
がけの道理なのでござりますが、様子を承りますと、何、あすこじゃまた、北隣の大島楼が
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
噴
常用漢字
中学
部首:⼝
15画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
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噴出物
噴出時
噴出物流動