うは)” の例文
院長ゐんちやうなにがしなかだちをしたのだといふうはさもあつた。人々ひと/″\はたゞ彼女かのぢよよわをんなであるといふことのために、おほみゝおほうて彼女かのぢよゆるした。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
めぐらし段々だん/\きけば丁山小夜衣の兩人共に追々おひ/\全盛ぜんせいに成て朝夕あしたゆふべに通ひ來る客も絶間たえまなく吉原にても今は一二と呼るゝとのうはさを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
稚兒ちごになつて出た町の小娘たちの中で、髮のひ振り、顏の作りから、着物のがら、身の𢌞はりのこしらへまで、すべてが都風みやこふうで、支度したくに大金をかけた町長の娘にも光を失はしたお光のうはさは
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
れしくるまたしかに香山家かやまけものなりとは、車夫しやふ被布はつぴぬひにもれたり、十七八とえしはうつくしさのゆゑならんが、年齡としごろむすめほかにりともかず、うはさの令孃ひめれならんれなるべし
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うはさがきか、あるひ事實じじつきか——それはとにかくがさしたのだと彼女かのぢよはあとでぢつゝかたつた——もなく彼女かのぢよ二人ふたり子供こどもとも
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
聞居しが此頃人のうはさには伊勢五の養子千太郎は再度ふたゝび小夜衣のもとかよひ初めしと聞えしかば以てのほかおどろけども是は全く人の惡口わるくちならん千太郎樣にはよもや我が異見いけん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
時々なア、あんたのうはさをして、うしてはるやろな、おとツつアんのお墓もあるのやよつて、一遍來なはるとえゝないふて、失禮やがわしは自分の子のやうに思はれるいふてはりますのや。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
さらばうはさもうそにはあらず、うそどころかきしよりは十倍じふばい二十倍もつとし、さても、其色そのいろ尋常なみえなば、つち根生ねおひのばらのはなさへ、絹帽しるくはつとはさまれたしとねがふならひを、美色びしよくにて何故なにゆゑならん
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
付てうはさしけるゆゑ彌々いよ/\人々あつまり來り自身番の前はきりを立る地もなき程なれば番人ばんにん鐵棒かなぼうを引出し皆々人を拂ひ退のけるに笠原粂之進は大橋文右衞門并びに油屋の番頭久兵衞の兩人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ひとうはさととも彼女かのぢよいたではだん/\その生々なま/\しさをうしなふことが出來できたけれど、なほ幾度いくどとなくそのいたみは復活ふくくわつした。彼女かのぢよしづかにゐることをつた。それでもなほそのくゐには負惜まけをしみがあつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)