剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録) (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
「旦那も、おひとが悪い。さんざ、ひとに喋舌らせておいて、ああ、見た、はないでしょう。……それに、あっしまで出しぬいて……」
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
誰に向っていうともなく喋舌るのを聞くと、この子の家族はツゲガラオに住んでいて、そのころE君もツゲガラオの病院にいた。
比島投降記:ある新聞記者の見た敗戦 (新字新仮名) / 石川欣一(著)
食事の時には、男の子達は、若し話をするにしてもそれは極めて稀で、だから外国人が食事中喋舌り続けることが、非常に妙に感じられる。
日本その日その日:03 日本その日その日 (新字新仮名) / エドワード・シルヴェスター・モース(著)
銭形平次捕物控:213 一と目千両 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
弥八 知らねえ勝手に喋舌れ。(行きがけの駄賃に茂兵衛に向い)野郎。(蹴倒す)ヘッ、大飯食いの癖に弱え奴だ。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
そしてそうしたものを食べながら家人は一時二時までも喋舌って夜をふかすので、私達の寝る時間とては多くてやっと四、五時間しかないのであった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記―― (新字新仮名) / 金子ふみ子(著)
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
呑気に立って喋舌っていて、相当頻繁にこそこそと入場券購入許可証とゴム印を捺した紙片をもって来る人を、出口から乗車フォームへ通してやっていることだけである。
滅多なことは喋舌れねえんだ。それに気を配ばらずに、小僧っ児みたいな、気焔をあげるのが、ドジさ。大人気ない話よ。網んなかで跳ね廻わるようなもんじゃねえか。馬鹿な
その晩、芥川氏が何を喋舌ったかは、すっかり忘れてしまったが、唯いくらか前屈みに演壇に立って、蒼白い額に垂れかかる長い髪の毛をうるさそうに払いのけながら、開口一番
そこで私はいつもハイカラであるから、何らも憚らず、聞き噛りの自由主義などを喋舌った。それが、あたかも岩村氏の意に投じたので俄に抜擢されて十一等出仕の学務課勤務を命ぜられた。
飲む程に喋舌る程に、熱を上げ、降りしきる虫の声も眠る頃に及ンでやっと三人かたまり五人集って、三里の道を博多へと帰り始めたとお思い下さい。勿論その時分乗りものが有ろう筈もない。
どう辻褄が合うものかヨ、隣の飯場に居る玉の井の淫売殺しをやった木村ッてノッポが居るだろう、彼奴も誰が何と云おうと喋舌り立ててやると言ってたサ、四、五人が先棒になって喋舌れば
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分の愚痴ばかりをなが/\と喋舌りたててすみません。私はたつまへにあなたの御本について何か書くことをお約束しました。
九州より:――生田花世氏に (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
日本語がまるで喋舌れぬことを述べると、彼は大学の学生は全部入学する前に英語を了解し、かつ話さねばならぬことになっていると答えた。
日本その日その日:03 日本その日その日 (新字新仮名) / エドワード・シルヴェスター・モース(著)