なあ)” の例文
『然うですかなあ。イヤ其、電文にはカナダとあるんですけど、金田といふ大臣は聞いた事がないから、鎌田の間違ぢやないかと思ひまして。』
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
もし(いゝやわることをしたおぼえもないから、那樣そんな氣遣きづかひちつともい。)とうありや、なん雨風あめかぜござらばござれぢや。なあ那樣そんなものではあるまいか。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
九十一歳になる彼の父は、若い頃は村吏そんり県官けんかんとして農政には深い趣味と経験を有って居る。其子の家に滞留中此田川のくろを歩いて、熟々つくづくと水を眺め、喟然きぜんとして「仁水じんすいなあ」と嘆じた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
其麽そんな声で言ふと聞えるよ。何有なあに、道庁の学務課へ出てゐる小役人だがね。昔から壁に耳ありで、其麽どんな処から計画が破れるか知れないからなあ。』
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なに遠慮ゑんりよをしねえでびるほどやんなせえ、生命いのちあやふくなりや、くすりらあ、其為そのためわしがついてるんだぜ、なあねえさん。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
母が日傘ひがさを横にして会釈えしゃくし、最早もう熊本に帰っても宜しゅうございましょうかと云うた。いとも/\、みんなひどい目にったなあ。と士官が馬上から挨拶あいさつした。其処そこ土俵どひょうきずいた台場だいば——堡塁ほるいがあった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「お定ツ子はおとなしくてなあ。」と言はれる度、今も昔も顔を染めては、「おら知らねえす。」と人の後に隠れる。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
つぼみかたくツてもお天氣てんきとほり、また小田原をだはらには、あつたかいこと日本一につぽんいちだ、なあ御亭主ごていしゆ
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なあ」二人はかわる/″\けいめた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
私共は、ズラリと女の前に立披たちはだかつて見てゐた。稍あつてから、豊吉が傍に立つてゐる万太郎といふのの肩を叩いて、『汚ねえ乞食ほいどだでアなあ。首玉ア真黒だ。』
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『東京は流石に暑い。腕車くるまの上で汗が出たからなあ。』と言つて、突然いきなり羽織を脱いで投げようとすると、三十六七の小作りな内儀おかみさんらしい人がそれを受取つた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何とか心配もしてくれるだらうから、僕にはアノ男と君の外に友人といふものは一人も無いんだからなあ
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『七日八日見ねえでるうちに、お定ツ子アぐつ女子をなごになつたなあ。』と、四辺構はず高い声で笑つた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『七日八日見ねえでるうちに、お定ツ子アぐつ女子をなごになつたなあ。』と四邊あたり構はず高い聲で笑つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『全く惜しい人ですなあ、函館みたいな俗界に置くには。』と田川は至極感に打たれたと云ふ口吻くちぶり
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『全く惜しい人ですなあ、函館みたいな俗界に置くには。』と田川は至極感に打たれたと云ふ口吻くちぶり
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
大抵の女は、表面うはべこそ処女だけれども、モウ二十歳を越すと男を知つてるからなあ。…………
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
菊池君は両手を上衣の衣嚢ぽけつとに突込んで、「馬鹿な男だなあ。」と吃る様に云ひ乍ら、悠々と「毎日」を去る。そして其足で直ぐ私の所へ来て、「日報」に入れて呉れないかと頼む。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
汽車の中で乳飮みたくなつたと言つて、泣出されでもしちや、大變な事になるからなあ
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『イヤ、立花さんでアごあせんか? こりやうもお久振でごあんしたなあ。』
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『イヤー立花さんでアごあせんか? これやうもお久振でごあんしたなあ。』
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『然うだらうと思ふ。神經衰弱に罹つてから既う三年許りになるからなあ。』
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『然うだらうと思ふ。神経衰弱に罹つてからう三年許りになるからなあ。』
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
僕にはアノ男と君の外に友人といふものは一人も無いんだからなあ
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なあ、君、那麽あんなえらい馬が内地になんか一疋だツて居るもんか。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
なあ、君、那麽あんなえらい馬が内地になんか一疋だツて居るもんか。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『そだどもな、根が正直者だおの、結句気楽なをなごせえなあ。』
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『復「仕様がない」か。アハヽヽヽ。仕様がないなあ。』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『復「仕樣がない」か。アハヽヽヽ。仕樣が無いなあ
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『源作が酒と博奕を止めて呉れるとなあ!』
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『だつて、實際。仕樣が無いからなあ。』
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『だツて、実際仕様が無いからなあ。』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『驚いたなあ。君は実に元気だ!』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『年をると駄目ですなあ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『大ぎな雁だなあ。』
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)