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吹矢
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ふきや
ふりがな文庫
“
吹矢
(
ふきや
)” の例文
どこからともなく飛んで来た一本の
吹矢
(
ふきや
)
、咳き込むはずみに、少し前屈みになった又左衛門の二の腕へ深々と突っ立ったのです。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何うで盲目縞の筒袖に三尺を脊負つて
産
(
で
)
て來たのだらうから、
澁
(
しぶ
)
を買ひに行く時かすりでも取つて
吹矢
(
ふきや
)
の一本も當りを取るのが好い運さ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
和蘭
(
オランダ
)
渡りで遠くの人を呼ぶ道具……。
吹矢
(
ふきや
)
の筒のようなもの……。成程それに違げえねえ。わっしも一度見たことがある」
半七捕物帳:48 ズウフラ怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
娘義太夫、おでんや、
稲荷
(
いなり
)
ずし、
吹矢
(
ふきや
)
、
小見世物
(
こみせもの
)
が今の忠魂碑の建っている辺まで続いておりました。この辺をすべて山王下といったものです。
幕末維新懐古談:19 上野戦争当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
城は公園を出る方で、
其処
(
そこ
)
にも影がないとすると、
吹矢
(
ふきや
)
の道を
上
(
のぼ
)
つたに相違ない。で、
後
(
あと
)
へ続くには堪へられぬ。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
陽
(
ひ
)
は
高々
(
たかだか
)
と
昇
(
のぼ
)
っているらしく、
今
(
いま
)
さら
気付
(
きづ
)
いた
雨戸
(
あまど
)
の
隙間
(
すきま
)
には、なだらかな
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が、
吹矢
(
ふきや
)
で
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
んだように、こまいの
現
(
あらわ
)
れた
壁
(
かべ
)
の
裾
(
すそ
)
へ
流
(
なが
)
れ
込
(
こ
)
んでいた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
女は、もはや
夙
(
と
)
うにこと
断
(
き
)
れていた。そして、左の頸と肩との
附根
(
つけね
)
の所に、鋭い
吹矢
(
ふきや
)
が深々と喰い込んで
刺
(
ささ
)
っている。
夥
(
おびただ
)
しい出血は、それがためのものであるらしい。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
飛騨
(
ひだ
)
のくに
保良
(
ほら
)
郡
吹矢
(
ふきや
)
村に(いま郡名村名ともに廃絶しているのは残念である)
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そうしてその
山椒魚
(
さんしよううを
)
に似た
怪
(
あや
)
しい皮膚の、小さなゐもり
状
(
じやう
)
の一群を恐ろしいもののやうに、覗きに行つた。後には
吹矢
(
ふきや
)
のさきを二つに
割
(
さ
)
いて、その眼や
頭
(
あたま
)
を
狙
(
ねら
)
つて殺して
歩
(
ある
)
いたこともある。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
日本橋区
馬喰町
(
ばくろちょう
)
の裏に
郡代
(
ぐんだい
)
とよぶ土地があって、楊弓や
吹矢
(
ふきや
)
の店が連なった盛り場だったが、徳川幕府の時世に、代官のある土地の争いや、旗本の
知行地
(
ちぎょうち
)
での訴訟は、この郡代へ訴えたものとかで
旧聞日本橋:06 古屋島七兵衛
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
なアに腕の一本位に驚く私ぢやないが、やり口が如何にも憎い。刀か
槍
(
やり
)
で向つて來るなら兎も角、風呂場で煙責にして置いて、毒を塗つた
吹矢
(
ふきや
)
を
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
澁
(
しぶ
)
を
買
(
か
)
ひに
行
(
ゆ
)
く
時
(
とき
)
かすりでも
取
(
と
)
つて
吹矢
(
ふきや
)
の
一本
(
いつぽん
)
も
當
(
あた
)
りを
取
(
と
)
るのが
好
(
い
)
い
運
(
うん
)
さ、お
前
(
まへ
)
さんなぞは
以前
(
もと
)
が
立派
(
りつぱ
)
な
人
(
ひと
)
だといふから
今
(
いま
)
に
上等
(
じやうとう
)
の
運
(
うん
)
が
馬車
(
ばしや
)
に
乘
(
の
)
つて
迎
(
むか
)
ひに
來
(
き
)
やすのさ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
吹矢
(
ふきや
)
の
径
(
みち
)
から公園へ入らないで、
引返
(
ひきかえ
)
したので、……
涼傘
(
ひがさ
)
を
投遣
(
なげや
)
りに
翳
(
かざ
)
しながら、
袖
(
そで
)
を柔かに、手首をやゝ硬くして、
彼処
(
あすこ
)
で抜いた
白金
(
プラチナ
)
の
鸚鵡
(
おうむ
)
の
釵
(
かんざし
)
、其の翼を
一寸
(
ちょっと
)
抓
(
つま
)
んで
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
実
(
まこと
)
は——
吹矢
(
ふきや
)
も、
化
(
ばけ
)
ものと名のついたので、幽霊の
廂合
(
ひあわい
)
の幕から
倒
(
さかさま
)
にぶら下り、
見越入道
(
みこしにゅうどう
)
は
誂
(
あつら
)
へた穴からヌツと出る。雪女は
拵
(
こしら
)
への
黒塀
(
くろべい
)
に
薄
(
うっす
)
り立ち、
産女鳥
(
うぶめどり
)
は
石地蔵
(
いしじぞう
)
と並んで
悄乎
(
しょんぼり
)
彳
(
たたず
)
む。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
四文銭を
投
(
ほう
)
らせたのは、第一回からの特技で、これは『水滸伝』の
没羽箭張清
(
ぼつうせんちょうせい
)
が、腰に下げた錦の袋を探って石を投るのと同一型の思い付きに過ぎない、
毛利玄達
(
もうりげんたつ
)
の
吹矢
(
ふきや
)
、八丁
礫
(
つぶて
)
の喜平次の礫
銭形平次打明け話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「尻に
吹矢
(
ふきや
)
を射込まれて居ります」
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
吹
常用漢字
中学
部首:⼝
7画
矢
常用漢字
小2
部首:⽮
5画
“吹矢”で始まる語句
吹矢筒