“ふきや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
吹矢51.9%
葺屋25.9%
吹屋3.7%
吹留3.7%
吹箭3.7%
吹罷3.7%
吹遣3.7%
蕗屋3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何うで盲目縞の筒袖に三尺を脊負つてて來たのだらうから、しぶを買ひに行く時かすりでも取つて吹矢ふきやの一本も當りを取るのが好い運さ
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
以前もと葺屋ふきや町、堺町の芝居小屋さんざへの近道なので、その時分からこの辺も、そんな柔らかい空気の濃厚な場所だったかもしれない。
吹屋ふきやは名代七枚に、秀桂秀調関三常世片市半四郎紫若也。中村屋は今迄之所へ久米三はひり候由、先評判也。いづれ其中正説可申上候。道中なんぞ冬枯ながら薬草は見当らずや、御心がけ奉願候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ちょいと吹留ふきやむと、今は寂寞しんとして、その声が止まって、ぼッと腰障子へ暖う春の日は当るが、軒を伝う猫もらず、雀の影もささぬ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また吹箭ふきやもて猟に行く人の跡を随行また呼び戻すために追い駆ける者を虎にくんできっとこれを搏ちに掛かると。
艸花くさばな立樹たちきの風にまれる音の颯々ざわざわとするにつれて、しばしは人の心も騒ぎ立つとも、須臾しゅゆにして風が吹罷ふきやめば、また四辺あたり蕭然ひっそとなって、軒の下艸したぐさすだく虫ののみ独り高く聞える。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
今度は目が覚めつつも、まだ、そのおもかげうち朦朧もうろうとして残ったが、呼吸いきにでも吹遣ふきやられるように、棚の隅へ、すっと引いて、はっと留まって、くなる。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小間使の小松は頭痛がするといって女中部屋で寝ていたし、運転手の蕗屋ふきやは二三日前から実家へ帰って不在だった。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)