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吏
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り
ふりがな文庫
“
吏
(
り
)” の例文
しかし、後代の我々が
史記
(
しき
)
の作者として知っている司馬遷は大きな名前だが、当時の
太史令
(
たいしれい
)
司馬遷は
眇
(
びょう
)
たる一文筆の
吏
(
り
)
にすぎない。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「
芳林閣
(
ほうりんかく
)
の改修をせよ」と、
吏
(
り
)
を督して、民間から巨材を徴発し、石や瓦や土を引く牛のために、民の力と汗を無限に濫用した。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日頃ならば警察の庭と聞くのみも先ず身震する方にして仲々足踏入る心は
出
(
いで
)
ねど今は勇み進みて目科の後に従い入るのみかは常に
爪弾
(
つまはじき
)
せし探偵
吏
(
り
)
の
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
物美なれば其虫いよいよ醜く事利あれば此に伴うの害いよいよ大なり。
聖代
(
せいだい
)
武を
尚
(
たっと
)
べば官に苛酷の
吏
(
り
)
を出し文を尚べば家に放蕩の児を生ず倶に免れがたし。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ただ一寸戸籍
吏
(
り
)
の筆蹟を真似て書き加えさえすればいいのですよ。謄本の紙では書いてある奴を消しとることは難しいでしょうけれど、書き加えるのは訳はありません。
幽霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
莊子
(
さうじ
)
は
(一八)
蒙人
(
もうひと
)
也
(
なり
)
。
名
(
な
)
は
周
(
しう
)
。
周
(
しう
)
嘗
(
かつ
)
て
蒙
(
もう
)
の
(一九)
漆園
(
しつゑん
)
の
吏
(
り
)
たり。
梁
(
りやう
)
の
惠王
(
けいわう
)
・
齊
(
せい
)
の
宣王
(
せんわう
)
と
時
(
とき
)
を
同
(
おな
)
じうす。
(二〇)
其學
(
そのがく
)
は
闚
(
うかが
)
はざる
所
(
ところ
)
無
(
な
)
し。
然
(
しか
)
れども
其要
(
そのえう
)
は
老子
(
らうし
)
の
言
(
げん
)
に
本
(
もと
)
づき
歸
(
き
)
す。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
そして
嘗
(
かつ
)
ては或る役所の
吏
(
り
)
として夕暮から夜更けの川筋を
巡邏
(
じゅんら
)
の軽舟に揺られて行つたことのある私にとつては、私が
此
(
こ
)
の物語を始めた句はさほど私たちの都市東京にそぐはないものとも思へない。
水に沈むロメオとユリヤ
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
世にいう「
腰越状
(
こしごえじょう
)
」——あの言々句々、心血にそめた一書を、兄の
吏
(
り
)
大江広元
(
おおえのひろもと
)
に託して、悄然、京へ引っ返した。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秦王
(
しんわう
)
以
(
もつ
)
て
然
(
しか
)
りと
爲
(
な
)
し、
(一一八)
吏
(
り
)
に
下
(
くだ
)
して
非
(
ひ
)
を
治
(
をさ
)
めしむ。
李斯
(
りし
)
、
人
(
ひと
)
をして
非
(
ひ
)
に
(一一九)
藥
(
くすり
)
を
遺
(
おく
)
らしめ、
自殺
(
じさつ
)
せしむ。
韓非
(
かんぴ
)
、
自
(
みづか
)
ら
(一二〇)
陳
(
ちん
)
ぜんと
欲
(
ほつ
)
すれども
見
(
まみ
)
ゆるを
得
(
え
)
ざりき。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
文筆の
吏
(
り
)
ではあっても当代のいかなる
武人
(
ぶじん
)
よりも男であることを確信していた。自分でばかりではない。このことだけは、いかに彼に好意を寄せぬ者でも認めないわけにはいかないようであった。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
その夜のさかんな
饗宴
(
きょうえん
)
はいうまでもなかった。地方の
吏
(
り
)
が中央の
大賓
(
たいひん
)
に
媚
(
こ
)
びることは、今も昔もかわりがない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
年配は五十ぢかく、
近江
(
おうみ
)
近江とよばれて、吉保から気に入られている勘定奉行の
吏
(
り
)
、
荻原近江守重秀
(
おぎわらおうみのかみしげひで
)
であった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひとまず旅館に落着き、相府に入国の届を出し、また
迎使部
(
げいしぶ
)
の
吏
(
り
)
を通じて、
拝謁簿
(
はいえつぼ
)
に姓氏官職などを記録し
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
教学の根本を彼は師弟の結びにありとなし、師たるものを重んじ、その徳を
涵養
(
かんよう
)
させた。また内治の根本は
吏
(
り
)
にありとなし、吏風を
醇化
(
じゅんか
)
し吏心を高めさせた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鍵番の
吏
(
り
)
、すなわち
徐寧
(
じょねい
)
は、かくし持っていた一刀の抜く手も見せず、賀の首を、斬りおとした。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鞍には、旅の
食糧
(
かて
)
やら、雨具やら、郡司の
吏
(
り
)
に
咎
(
とが
)
められた時に示す戸籍の券やら、
一束
(
ひとつか
)
の弓矢をも
結
(
ゆわ
)
いつけて、豊田の
館
(
たち
)
を出るとすぐの坂道へ、意気揚々と、降りて行った。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鄂県
(
がくけん
)
の
吏
(
り
)
に移すから、その時に、逃げ去れよとのことに、三拝して、その日を待ち、任地へいく舟といつわって、幾夜となく江を下り、ようやく、呉の領土まで参った者でござる。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これまでどこに赴任してみても、およそ
吏
(
り
)
として、民を安んじ民と和楽をともにするということはじつに難かしい仕事だと痛感しておるが、わけてこの県は難治な地方と思われる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
廟堂
(
びょうどう
)
監察の
吏
(
り
)
は、問題として、これを取り上げ、一応、孔明のところへ相談に来た。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
廟堂
(
びょうどう
)
人あるも人なきに似、
朽
(
く
)
ち木を組んで宮殿となし、
階陛
(
かいへい
)
すべて落ち葉を積み、
禽獣
(
きんじゅう
)
と変りなき
吏
(
り
)
に衣冠させて
禄
(
ろく
)
を喰らわしめ、
議廟
(
ぎびょう
)
もまた、
狼心狗走
(
ろうしんくそう
)
のともがら、道を口に唱え
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余りに
逸楽
(
いつらく
)
すぎる末期的な生活と制度に
狎
(
な
)
れていた民衆と——武骨一点ばりで、民心の作用も、文化の本質も、よく
咀嚼
(
そしゃく
)
しない我武者の
吏
(
り
)
とのあいだに、のべつ喰いちがいが起った。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
領主に仕えて忠、民に接して仁、それが
吏
(
り
)
の本分ではないか。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、家臣をして、衛府の
吏
(
り
)
に問わせた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
賢明の
吏
(
り
)
は、真実の士を刑殺する
勿
(
なか
)
れ
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吏
(
り
)
四万人
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吏
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“吏”を含む語句
捕吏
官吏
長吏
幕吏
執達吏
吏員
警吏
小吏
吏人
吏事
下吏
非事吏
官吏共
吏胥
獄吏
小官吏
軍吏
吏務
刑吏
貪官汚吏
...