トップ
>
体中
>
からだじゅう
ふりがな文庫
“
体中
(
からだじゅう
)” の例文
旧字:
體中
家来の三匹の鬼は大将ほど大きな牙は生えていないが、目の光るところを見ただけでも勘太郎は
体中
(
からだじゅう
)
がすくむような気持ちになった。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
暫くして女がふと心付くと、
好
(
よ
)
く寐た跡のように爽快な感じが
体中
(
からだじゅう
)
に
漲
(
みなぎ
)
っていた。女は立ち上がって、卸してあった窓掛を巻き上げた。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
保名
(
やすな
)
の
家来
(
けらい
)
は
残
(
のこ
)
らず
討
(
う
)
たれて、
保名
(
やすな
)
も
体中
(
からだじゅう
)
刀傷
(
かたなきず
)
や
矢傷
(
やきず
)
を
負
(
お
)
った上に、大ぜいに
手足
(
てあし
)
をつかまえられて、
虜
(
とりこ
)
にされてしまいました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お前の
絃
(
いと
)
の
音
(
ね
)
はあれほど優しゅう聞えたのに、お前の姿を見ると、
体中
(
からだじゅう
)
が縮み
上
(
あが
)
るような心持がするのはどうしたものだ。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
蔵六が帰った
後
(
あと
)
で
夕飯
(
ゆうめし
)
に
粥
(
かゆ
)
を食ったが、更にうまくなかった。
体中
(
からだじゅう
)
がいやにだるくって、本を読んでも
欠伸
(
あくび
)
ばかり出る。その
中
(
うち
)
にいつか、うとうと眠ってしまった。
田端日記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
己は
体中
(
からだじゅう
)
がその火のようになっているから、11785
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
その外天気の好い夜昼を何千
度
(
たび
)
でも楽んで過ごす事が出来る。健康の喜びの感じが
体中
(
からだじゅう
)
の脈々を流れて通る。この色々のものが
総
(
すべ
)
て愉快に感ぜられる。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
もうこれは
死
(
し
)
んで
申
(
もう
)
しわけをするよりほかはないと
思
(
おも
)
って、つぼの中の
毒薬
(
どくやく
)
を
出
(
だ
)
して、
残
(
のこ
)
らず
食
(
た
)
べました。もう
毒
(
どく
)
が
体中
(
からだじゅう
)
に
回
(
まわ
)
って、
間
(
ま
)
もなく
死
(
し
)
ぬでしょう。
和尚さんと小僧
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
が、いくら
身悶
(
みもだ
)
えをしても、
体中
(
からだじゅう
)
にかかった
縄目
(
なわめ
)
は、一層ひしひしと食い入るだけです。わたしは思わず夫の側へ、
転
(
ころ
)
ぶように走り寄りました。いえ、走り寄ろうとしたのです。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
なんだかこう
体中
(
からだじゅう
)
がぞくぞくしてならない。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
虎
(
とら
)
はそんなことは
知
(
し
)
りませんから、むやみに
駆
(
か
)
けるわ、
駆
(
か
)
けるわ、千
里
(
り
)
のやぶもほんとうに一ッ
飛
(
と
)
びで
飛
(
と
)
んで行ってしまいますと、さすがに
体中
(
からだじゅう
)
大汗
(
おおあせ
)
になっていました。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
たね子は
角隠
(
つのかく
)
しをかけた花嫁にも時々目を
注
(
そそ
)
いでいた。が、それよりも気がかりだったのは勿論皿の上の料理だった。彼女はパンを口へ入れるのにも
体中
(
からだじゅう
)
の神経の
震
(
ふる
)
えるのを感じた。
たね子の憂鬱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
体中
(
からだじゅう
)
にうけた
傷
(
きず
)
がずきんずきん
痛
(
いた
)
みますし、もう
疲
(
つか
)
れきってのどが
渇
(
かわ
)
いてたまりませんので、
水
(
みず
)
があるかと
思
(
おも
)
って
谷
(
たに
)
へずんずん
下
(
お
)
りていきますと、はるかの
谷底
(
たにぞこ
)
に
一
(
ひと
)
すじ
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
洋一は兄を見上ながら、
体中
(
からだじゅう
)
の血が生き生きと、急に両頬へ上るのを感じた。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
体中
(
からだじゅう
)
、もうそれは
搾木
(
しめぎ
)
にかけられたようにぎりぎり
痛
(
いた
)
んで、
立
(
た
)
つことも
座
(
すわ
)
ることもできません。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
が、女は和尚に頓着なく、じっと畳を見つめながら、ほとんど暗誦でもしているように——と云って心の激動は、
体中
(
からだじゅう
)
に
露
(
あら
)
われているのですが——
今日
(
こんにち
)
までの養育の礼を一々
叮嚀
(
ていねい
)
に述べ出すのです。
捨児
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何
(
なん
)
でも
安達
(
あだち
)
が
原
(
はら
)
の
黒塚
(
くろづか
)
には
鬼
(
おに
)
が
住
(
す
)
んでいて人を
取
(
と
)
って
食
(
く
)
うそうだなどという、
旅
(
たび
)
の
間
(
あいだ
)
にふと
小耳
(
こみみ
)
にはさんだうわさを
急
(
きゅう
)
に
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
すと、
体中
(
からだじゅう
)
の
毛穴
(
けあな
)
がぞっと一
時
(
じ
)
に
立
(
た
)
つように
思
(
おも
)
いました。
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ちょうどその
刹那
(
せつな
)
だった。彼は突然お嬢さんの目に何か動揺に似たものを感じた。同時にまたほとんど
体中
(
からだじゅう
)
にお時儀をしたい衝動を感じた。けれどもそれは懸け値なしに、一瞬の
間
(
あいだ
)
の出来事だった。
お時儀
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
すると
獅子
(
しし
)
は、こんどこそ、ほんとうに
体中
(
からだじゅう
)
の
毛
(
け
)
を
逆立
(
さかだ
)
てておこって、
力
(
ちから
)
いっぱい
意気張
(
いきば
)
って、
一声
(
ひとこえ
)
「うう。」とうなりますと、あんまり
力
(
りき
)
んだひょうしに、
首
(
くび
)
がすぽんと
抜
(
ぬ
)
けてしまいました。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
が、不安はもう一度
体中
(
からだじゅう
)
に
漲
(
みなぎ
)
って来たらしかった。
三つの窓
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかもいつか
体中
(
からだじゅう
)
に冷汗を流しているのです。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「こいつも
体中
(
からだじゅう
)
まっ黒だから。」
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“体”で始まる語句
体
体躯
体裁
体格
体操
体臭
体好
体当
体仁
体内