伊藤いとう)” の例文
宗助そうすけは五六日前にちまへ伊藤公いとうこう暗殺あんさつ號外がうぐわいたとき、御米およねはたらいてゐる臺所だいどころて、「おい大變たいへんだ、伊藤いとうさんがころされた」とつて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一面にはその年の六月に伊藤いとう内閣と交迭してできたかつら内閣に対していろいろな注文を提出した論文が掲げられて
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
取て奉行所へ差出しにおよびけりよつて享保きやうほ十一年正月二十三日右一けんにつき又々評定所へ前々の通り夫々の役人列座れつざある願人憑司并に郡奉行伊藤いとう半右衞門等は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おもいまして、てきがろくろくちかづいてないうちに、ゆみをつがえててき先手さきてかってかけますと、このまえってすすんで伊藤いとう六の胸板むないたをみごとにぬいて
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
明治十三年の冬、時の執政せっせい大隈おおくま伊藤いとう井上いのうえの三人から私方に何か申してまいって、る処に面会して見ると、何か公報のような官報のような新聞紙を起すから私に担任してれろと云う。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その時に自由党は自滅して、高名なる大政治家の伊藤いとう博文ひろぶみ〕侯〔爵〕の下に、自由党、国民協会の一部、官吏の一部、その他中立、実業家というものが集って、政友会というものが生れたのである。
〔憲政本党〕総理退任の辞 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
伊藤いとうとか云う人の話はまだきまらねえのか……」
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
おれやう腰辯こしべんは、ころされちやいやだが、伊藤いとうさんやうひとは、哈爾賓ハルピンつてころされるはういんだよ」と宗助そうすけはじめて調子てうしづいたくちいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
伊藤いとう五がおどろいて、そのをぬいて清盛きよもりところへもって行ってせますと、みの二ばいもあるふとさきおおのみのようなやじりがついていました。清盛きよもりはそれをたばかりでふるえがって
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
問ずこううたがはしきは之をあげよと衣裳いしやうに血を引飛石にの付たるにて殺したるは傳吉ならんとうたがはれ拷問がうもん嚴敷きびしき堪兼たへかねて罪に伏せしと傳吉並に專より申立しが此儀このぎ如何いかなるやと云るれば伊藤いとうおもて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「二枚です」と今度はおとなしい伊藤いとうが手を挙げながらいいました。
僕の帽子のお話 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
何故なぜつて伊藤いとうさんはころされたから、歴史的れきしてきえらひとになれるのさ。たゞんで御覽ごらんうはかないよ」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
とき享保きやうほ十年九月七日越後高田の城主じやうしゆ榊原家さかきばらけ郡奉行こほりぶぎやう伊藤いとうはん右衞門公事方吟味役小野寺源兵衞川崎金右衞門其外役所へそろひければ繩付なはつきのまゝ傳吉を引据ひきすゑ訴訟人そしようにん上臺憑司かみだいひようじをも呼出し伊藤はいかめしく白洲しらす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つきぬけたうしろにいた伊藤いとう五のよろいそでちました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)