がは)” の例文
いや、今年の春頃から、かゝあがはりに連れて来たんだといふ話で、何でも、はア、芋沢いもさはあたりの者だつて言ふ事だす。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
まえうも麪桶めんつうがはりに砂張すばり建水みづこぼしつてるので感心したから、残余肴あまりものだが参州味噌さんしゆうみそのおしるもあるから、チヨツとぜん御飯ごぜんげたい、さア家内うちあがつてね
かの香港ホンコンへ志し給ふ若き人達の中よりも弾手ひきて歌ひ手のかはがはさふらひしは物優しき限りに覚え申しさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
終了しまうて今がた歸り來り我家へ入て荷をおろ重能ぢうのうがはりの石決明貝あはびがひたづさへ隣の家へ至り火を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おつぎはみゝひゞ太鼓たいこおときながら、まだほつれぬかみすこくびかたむけつゝ兩方りやうはう拇指おやゆびまたかはがはりにたぼかるうしろいた。おつぎはあせぬぐつてさつぱりとした身體からだ浴衣ゆかたた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
瓦斯ガスの火で𤍠くされた二ちやうこてかはがはる当てられる。こてをちよんちよんと音させたり、焼け過ぎたのをさます時にそのこての片脚を持つてきりきりと廻したりするのが面白さうである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
はいにもつくしましたが、此品これわたくし秘蔵ひざうでございますから、此品これだけはうも売却はなすことが忌嫌いやでございますから、只今たゞいまもつて麪桶めんつうがはりに傍離そばはなさずに使つてります。
終了しまうとお光の方に至り萬事の相談さうだん買物かひものなんどに深切しんせつつくせば親子は喜び親類しんるゐがはりに當日はお金も其所のせきのぞみよろしくたのむと此者の衣類いるゐおびこしらへやりしにお金はいよ/\嬉しさ自慢じまんたらだら此事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)