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上陸
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あが
ふりがな文庫
“
上陸
(
あが
)” の例文
瀬
(
せ
)
が動くと、クスクスと笑うものがあるので、誰と低くきくと、あたしだよと答えるのは姉さんで、そっと
這
(
は
)
うようにして
上陸
(
あが
)
る——
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
身支度をして、厚く礼をいって、さて、岸へ
上陸
(
あが
)
ろうとすると、あどけなくそれまで笑っていたお松が、急に、眼にうるみを持って
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでも亜米利加へ
上陸
(
あが
)
ると二人とも急に元気になりましてね。
聖路易
(
セントルイス
)
へ着くと直ぐに
建前
(
たてまえ
)
にかかりやした。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
上陸
(
あが
)
るとすぐ泰軒とも別れて腰の
坤竜丸
(
こんりゅうまる
)
を守って街路に朝を待ったが……あかつきの
薄光
(
はっこう
)
とともに心に浮かんだのが、この千住竹の塚に住むお兼母子のことであった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
お
聞
(
き
)
き、
島
(
しま
)
へ
着
(
つ
)
くと、
元船
(
もとぶね
)
を
乘棄
(
のりす
)
てて、
魔國
(
まこく
)
とこゝを
覺悟
(
かくご
)
して、
死裝束
(
しにしやうぞく
)
に、
髮
(
かみ
)
を
撫着
(
なでつ
)
け、
衣類
(
いるゐ
)
を
着換
(
きか
)
へ、
羽織
(
はおり
)
を
着
(
き
)
て、
紐
(
ひも
)
を
結
(
むす
)
んで、てん/″\が
一腰
(
ひとこし
)
づゝ
嗜
(
たしな
)
みの
脇差
(
わきざし
)
をさして
上陸
(
あが
)
つたけれど
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
停車場を中心に左右海岸通りに展開して中位な粗末さの宿屋が軒を並べてる、
上陸
(
あが
)
ると成程お
饒舌
(
しやべり
)
な男が扇をバチつかせて松山へは二十分置きに汽車が出るから、ゆつくり休んでつても大丈夫だ。
坊つちやん「遺蹟めぐり」
(新字旧仮名)
/
岡本一平
(著)
「こりゃひどい、とても
上陸
(
あが
)
れませんよ。この波では。」
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
知ってる奴アありゃしません。……ですからね、いちど山東街道へ
上陸
(
あが
)
ッて、
李家
(
りけ
)
の四ツ辻にある茶店へ行き、そこで許しを得るんでさ
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元船
(
もとぶね
)
を
乗棄
(
のりす
)
てて、
魔国
(
まこく
)
とこゝを覚悟して、
死装束
(
しにしょうぞく
)
に、髪を
撫着
(
なでつ
)
け、衣類を
着換
(
きか
)
へ、羽織を着て、
紐
(
ひも
)
を結んで、てん/″\が
一腰
(
ひとこし
)
づゝ
嗜
(
たしな
)
みの
脇差
(
わきざし
)
をさして
上陸
(
あが
)
つたけれど、
飢
(
うえ
)
渇
(
かつ
)
ゑた上、毒に当つて
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「てめえ達が
上陸
(
あが
)
るまでは斬らねえから安心してここまで来い」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
開かぬうちは、船手の者も、突ッこむわけにはゆきませぬ。……で、俊連も加勢に
上陸
(
あが
)
り、まいど歯がみを噛んでおりますわけで
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
むかし大江山の
酒顛
(
しゅてん
)
童子が海から
上陸
(
あが
)
って来たところだという伝説があるので——それと彼とがむすびつけられたものらしい。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
肥後の山河、
阿蘇
(
あそ
)
の噴煙が、ただならず揺るぎ出したのは、まだ尊氏が、芦屋ノ浦へも
上陸
(
あが
)
ッて来ない前からのことだった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大阪へ
上陸
(
あが
)
った旅川周馬は、身辺の危険をさとって、わずかな縁故をたよりに、
酒井讃岐守
(
さかいさぬきのかみ
)
の蔵役人、本田
某
(
なにがし
)
の屋敷の奥に身を
匿
(
かくま
)
ってもらっている。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「もとよりです。黄河を
上陸
(
あが
)
って旅途をつづけ、勅使の一行は、明日あたり領内へ着こうとの知らせでした」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かれは明け方に鳴門の
渦潮
(
うずしお
)
を見物する者と称して、土佐泊へ
上陸
(
あが
)
ったが、そこから
忽然
(
こつぜん
)
と影をかくしていた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
曹丕
(
そうひ
)
は船に
暈
(
よ
)
って、重病人のように船房の中に臥していた。それを
文聘
(
ぶんぺい
)
が背に負って、小舟に飛び移り、辛くも
淮河
(
わいが
)
のふところをなしている一商港に
上陸
(
あが
)
った。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二、三百騎、いちどに水を切って
上陸
(
あが
)
った。誰が先、誰が後とも見えなかった。たちまち、千騎、二千騎、なおも後からひきもきらず平家の陣地へ駈けこんだ。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
沖へ、出迎えに行った長州藩の武士たちも多いらしい。和船や、小蒸汽で、ぞろぞろと
上陸
(
あが
)
って来る。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誇らしげに、偽の錦旗二た
旒
(
すじ
)
を
翻
(
ひるがえ
)
してゆく一船こそ、尊氏が
坐
(
ざ
)
す親船。——以下、千余艘とみゆるあの大兵が、わが後ろへ
上陸
(
あが
)
ったら、味方は窮地におちいるほかないぞ。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女が、
矢走
(
やばせ
)
の渡船場で、道を訊ねたのを知った八弥は、一船あとから
上陸
(
あが
)
るとすぐに、同じ渡船小屋へ行って、今行った女が何を訊いて行ったのかを
抜目
(
ぬけめ
)
なく
糺
(
ただ
)
してみた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その船は、夜明け方には、もう大坂の
安治川
(
あじがわ
)
へはいっているだろう。——そしてそこから、誰か
上陸
(
あが
)
って、信長の陣へ駈け込む。——堺の領民のほんとの総意を訴え出る。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また今朝の便船では、首に現金をつけた上方筋の道具買が、何十人も浜から
上陸
(
あが
)
って、赤穂の城下で捨て売にされるだろうという、思惑から、入り込んだということだった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時もよし、ここへまた、今しがた江岸に着いた三隻の船から
上陸
(
あが
)
って来た一群があった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まるで一枚の
半巾
(
ハンカチ
)
でも飛んで来るように、白い前掛をした女が彼方から走って来た。ちょうど海から霧が
上陸
(
あが
)
って来て、街燈の灯まで二重になって見えるように往来が
煙
(
けぶ
)
っていた。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに
少弐
(
しょうに
)
の太郎頼尚は、かならず戻ると言って
上陸
(
あが
)
って行った。彼の容子にどこか憂いが見えぬでもないが、二心ない
丈夫
(
おとこ
)
と尊氏は見込んでおる。まずもすこし待ってみるがいい
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところが、ある夜、
抜荷屋
(
ぬきや
)
の船から
上陸
(
あが
)
って、四国屋の寮へしのんできた男がある。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蒋幹は、小舟に乗って、以前のごとく、
飄々
(
ひょうひょう
)
たる一道士を装い、呉へ
上陸
(
あが
)
った。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その晩、磋磯之介は、ここから
常陸岸
(
ひたちぎし
)
の
玉造
(
たまつくり
)
へ
上陸
(
あが
)
る決心をしていたので
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、この方面から、敵に
上陸
(
あが
)
られては、おたがいの間も、
遮断
(
しゃだん
)
される」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生命を
波濤
(
はとう
)
に
抛
(
なげう
)
てるか。由来、この国の民というものは、故なくして生命は捨てん。いかなる
匹夫
(
ひっぷ
)
でも生命の価値を知っておる。大明、高麗の各地に
上陸
(
あが
)
り、珍器重宝をどんどん持って来た。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汝はまず、その一名の蔡仲を案内者として、曹操に降参すと
称
(
とな
)
え、船を敵の北岸へ寄せて、
烏林
(
うりん
)
へ
上陸
(
あが
)
れ。そして蔡仲の旗をかざし、曹操が兵糧を貯えおく
粮倉
(
ろうそう
)
へ迫って、縦横無尽に火をつけろ。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長島城
(
ながしまじょう
)
の信雄と、
清洲城
(
きよすじょう
)
にある家康とを、分断してしまう作戦であったものが、反対に、いまでは蟹江へ
上陸
(
あが
)
った滝川一益と、水上にぶらぶらしている九鬼船団とが、徳川、北畠の両軍によって
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
毛利方のお船手が十人余り兵糧船から
上陸
(
あが
)
って、三木城のお侍衆と一緒についそこの
遊女
(
ゆうじょ
)
町で飲んでおるということでございますし、そのほかだいぶ見かけない侍衆が町をあるいておる様子ゆえ
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
禁教の国へばてれんとして
上陸
(
あが
)
るすべはないので、わざと漂流人のふうていを装い、大隅の国の屋久島へ乗渡り、そこで故国の人々と船をすてて、ぼんやりと、ひとり
湯泊
(
ゆどまり
)
の海岸へあがッたのです
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「気をつけろ。もう敵は
上陸
(
あが
)
っているぞ」
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「直義たちの手勢はどこへ
上陸
(
あが
)
ったのか」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
舟で北郡の
三国
(
みくに
)
の
津
(
つ
)
へ
上陸
(
あが
)
った。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あれを
上陸
(
あが
)
らせては!」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
陸
常用漢字
小4
部首:⾩
11画
“上”で始まる語句
上
上手
上下
上方
上海
上衣
上野
上総
上人
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