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つらがま
ふりがな文庫
“
面構
(
つらがま
)” の例文
警察に命じて容赦なく引っ
括
(
くく
)
らせて、貴様の口を
塞
(
ふさ
)
いで見せるぞ……という威嚇も、その兇悪な
面構
(
つらがま
)
えの中に含んでいるようだ。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
八ツざきにしても飽き足りぬのは、オロシャの陸軍少佐と称したデフレ何とかウイッチの、むささびのような
面構
(
つらがま
)
えであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
こう二人は、新知事の訓令にもどこか反撥的な
面構
(
つらがま
)
えをみせていたので、
文彬
(
ぶんぴん
)
はその眼気を感知し、微笑を見せながらすぐ次へ移っていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
烏はあのような
悪
(
にく
)
らしい
面構
(
つらがま
)
えの鳥だが、それでも丸っきり来なくなってしまうと、正月は
殊
(
こと
)
に思い出さずにはいられない。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ええ、そこへもってきて、あのマドロスの奴が、だらしがないんでしょう、言葉がわからないし、あの
面構
(
つらがま
)
えで、鶏を
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
...
大方
(
おおかた
)
あいつの事だぜ」「あいつに
極
(
きま
)
っていまさあ、そんな事を云いそうな
面構
(
つらがま
)
えですよ、いやに
髭
(
ひげ
)
なんか
生
(
は
)
やして」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
シムソンはそう云いながら、机の上の
呼鈴
(
よびりん
)
を押しました。やがて、
扉
(
ドア
)
をノックして入って来たのは、背の高い、見るから
獰猛
(
どうもう
)
な
面構
(
つらがま
)
えをした外国人でした。
計略二重戦:少年密偵
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
何を当り前な事を——と言わぬばかりの
面構
(
つらがま
)
えは、すっかり我が名御用聞の八五郎を
憂鬱
(
ゆううつ
)
にしてしまいます。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
相手の
面構
(
つらがま
)
え、体構えに、本気で刀を抜こうとする気合が、
籠
(
こも
)
っていないのは
勿論
(
もちろん
)
——よしんば、斬りつけて来たにしろ、たかの知れた、腕前なのも見抜いている。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
男はあれほど世話になった花子夫人の玄関へ御礼の言葉一ついい掛けるでもなく、それこそ不敵な
面構
(
つらがま
)
えをして、さっさと歩き去りました。男は東京の山の手を荒していた
空巣
(
あきす
)
ねらいでした。
おせっかい夫人
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
モンテ・カルロで受けた心の
傷
(
いたみ
)
もようやく
癒
(
い
)
えたので、
面構
(
つらがま
)
えに
似気
(
にげ
)
なく心の優しい部落の面々に別れを告げ、固く再来を約し、勇ましいタラノ音頭に送られて谷を出発したのは六月の始め。
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「ちとそれだけの言いわけでは、そちの風体と言い、
面構
(
つらがま
)
えと言い、主水之介あまりぞっとしないが、
窮鳥
(
きゅうちょう
)
ふところに入らば猟師も何とやらじゃ。では、いかにも匿まってつかわそうぞ。安心せい」
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
さっきは、
船橋
(
せんきょう
)
に、このパイロットが
松倉
(
まつくら
)
船長と肩をならべて、なにやら海上を指しているのを見た。軍人あがりとかいう噂だが、なかなか
逞
(
たくま
)
しい
面構
(
つらがま
)
えのパイロットで見るからに
頼母
(
たのも
)
しく感じた。
沈没男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今迄と変って
獰悪
(
どうあく
)
げな
面構
(
つらがま
)
えが、
忽
(
たちま
)
ち見違うように柔和となった。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
六の時にはもう
頬
(
ほお
)
に
髯
(
ひげ
)
も生えて三十くらいに見え、へんに重々しく分別ありげな
面構
(
つらがま
)
えをして、すこしも
可愛
(
かわい
)
いところがなく、その頃、讃岐に
角力
(
すもう
)
がはやり、大関には
天竺仁太夫
(
てんじくにだゆう
)
つづいて鬼石、
黒駒
(
くろこま
)
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
また
面構
(
つらがま
)
へくづをれて
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ぬけぬけと、やかましい。こう
圧
(
おさ
)
え付けるこの方に対しても、そちの手脚のもがきには、どこか侍の
手心
(
てごころ
)
がある。——こやつ! この
面構
(
つらがま
)
えを
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
背と腰には木葉を
綴
(
つづ
)
りたるものを
纏
(
まと
)
ひたり。横の方を
振向
(
ふりむ
)
きたる
面構
(
つらがま
)
へは、色黒く眼円く鼻ひしげ
蓬頭
(
ほうとう
)
にして
鬚
(
ひげ
)
延びたり。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と冗談みたいに
吐
(
ぬ
)
かしおってね……しかも、その顔付きたるや、断じて冗談じゃないんだ。たしかにまだ試験の
中
(
うち
)
らしい
面構
(
つらがま
)
えをしてケツカルんだ。
焦点を合せる
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
三助は
獰猛
(
どうまう
)
な
面構
(
つらがま
)
に似氣なく、一つ脅かされると、ペラペラと
喋
(
しやべ
)
つてしまひさうな樣子です。——腹からの惡黨ではないな——と平次が見て取つたのも無理はありません。
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その将来に及ぶというような
面構
(
つらがま
)
えにも見えて来るのが不思議であります。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「見るところ、
旅摺
(
たびず
)
れした
面構
(
つらがま
)
え、
行商
(
あきない
)
も今日やきのうのことではあるまい。およそ侍屋敷などで、針など売れるものか否か、心得ておる筈」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分で一冊か二冊、つまらない別の本を裸で抱えて、如何にも有閑学生か、有閑インテリらしい気分と
面構
(
つらがま
)
えで飄然と往来から這入って来るんですね。
悪魔祈祷書
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
女でないのみならず、男のうちでも筋骨のたくましい、
風采
(
ふうさい
)
のいかめしい、
面構
(
つらがま
)
えのきかない、そのくせ、はいり
端
(
ばな
)
に兵馬と
面
(
かお
)
を見合せて、ニヤリと笑った気味の悪い武芸者風の壮漢でありました。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「その
面構
(
つらがま
)
えでは、問うても容易に口を開くまいが」と、前置きしてほたる
斬
(
ぎ
)
りの
切
(
き
)
ッ
尖
(
さき
)
を、廊下の上から突き向けた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見るからに丸柿庄六と名乗りそうな
面構
(
つらがま
)
えで、手に
草箒
(
くさぼうき
)
を一本
提
(
さ
)
げていたが、万平を見ると
胡乱
(
うろん
)
臭そうにジロリと睨んで立止まって、ガッチリとした
渋柿面
(
しぶがきづら
)
をして見せた。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
忍剣
(
にんけん
)
のうしろには
木隠龍太郎
(
こがくれりゅうたろう
)
、
山県蔦之助
(
やまがたつたのすけ
)
、
巽小文治
(
たつみこぶんじ
)
、
竹童
(
ちくどう
)
など、いずれも
非凡
(
ひぼん
)
な
面構
(
つらがま
)
えをして
突
(
つ
)
ッ立っている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
光秀の首を土中から掘り起してこれへ持って来た訴人というのは、年頃三十がらみ、風体から見ても、
酒焦
(
さかや
)
けのした、
面構
(
つらがま
)
えもどことなく悪ずれている男だった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「他家には見られぬものが感じられます。質素のうちにも何やら皆、不屈な
面構
(
つらがま
)
えを
潜
(
ひそ
)
めて」
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きっと思い出していただけよう——などと云い、てこでも動く
面構
(
つらがま
)
えではございません
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十五、十六といえば、元服して一人前、十八といえば、男は
一
(
ひと
)
かどの
面構
(
つらがま
)
えがなくちゃあならねえ。……たとえば、勿体ないが、御主人の
織田信長
(
おだのぶなが
)
公を見ろ。当年、お
幾歳
(
いくつ
)
だと思う。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも、その
頭分
(
かしらぶん
)
の者であることは、
面構
(
つらがま
)
えや服装でもすぐ分った。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
テコでも動かぬ
面構
(
つらがま
)
えをして、啓之助の顔をジッと見ながら
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
構
常用漢字
小5
部首:⽊
14画
“面”で始まる語句
面
面白
面影
面目
面持
面喰
面倒
面色
面長
面当