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鍛錬
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たんれん
ふりがな文庫
“
鍛錬
(
たんれん
)” の例文
いまや蜀の国力も充分に恢復し、兵馬は有事の日に備えて
鍛錬
(
たんれん
)
おこたりない。それは誰も異存なき意志を示している
眸
(
ひとみ
)
であった。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが其すら、時としては、技術者の習練によって、第二国語——一層
溯
(
さかのぼ
)
って詩語としての
鍛錬
(
たんれん
)
を経た古語を用いて、効果をあげることがある。
詩語としての日本語
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
そういう歩行中でも彼の思索に探り入る習慣は立派な
鍛錬
(
たんれん
)
となって、決してわきの
刺戟
(
しげき
)
によって思索の軌道を踏み外すようなことはなかった。
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
二十二三といふにしては、激しい仕事で
鍛錬
(
たんれん
)
したせゐか、少し老けて居りますが、それは實に見事な恰服と、輝やくばかりのきりやうの持主でした。
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
関七流の
長
(
おさ
)
、孫六の把握し得た水火
鍛錬
(
たんれん
)
の奥義、かれの死とともにむざむざ墓穴に埋もれはてたというのであろうか?
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
これらの不幸は我輩の意気を強めこそすれ
挫
(
くじ
)
きはしなかった。何かあるたびに、これしきのことにとさえ思って行けばなんでもない。
鍛錬
(
たんれん
)
は成功の母である。
青年の天下
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
というは、旅は
辛
(
つら
)
い、
難儀
(
なんぎ
)
である、
可愛
(
かわい
)
い子にはこの
辛苦
(
しんく
)
を
甞
(
な
)
めさせ、
鍛錬
(
たんれん
)
させよとの意味である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
考えると、踊にも
高下
(
こうげ
)
がある。それは踊る人の気品によるのだ。すぐれた気品は表現以上の
心法
(
しんぽう
)
の
鍛錬
(
たんれん
)
から来る。つまりは内から映発するのだ。奥の奥の人柄の香気だ。芸は道なり。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
僕は義務として、
一言
(
いちごん
)
君に注意します。我々
甲羅
(
こうら
)
をへた独身ものは、ここへ来ても、さしつかえない。なんのことがあるものですか? 我々は
鍛錬
(
たんれん
)
ができてるからびくともしないです。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
「
命
(
いのち
)
の
洗濯
(
せんたく
)
」「
命
(
いのち
)
の
鍛錬
(
たんれん
)
」「旅行日記」「目ざまし草」「関牧場創業記事」「
斗満
(
とまむ
)
漫吟
(
まんぎん
)
」をまとめて一
冊
(
さつ
)
とした「命の洗濯」は、明治四十五年の三月中旬東京
警醒社書店
(
けいせいしゃしょてん
)
から発行された。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
加
(
くわ
)
ふるに寒肌
粟
(
あは
)
を生じ沼気
沸々
(
ふつ/\
)
鼻を
衝
(
つ
)
く、
幸
(
さいは
)
ひに前日来
身躰
(
しんたい
)
を
鍛錬
(
たんれん
)
せしが為め
瘧疫
(
ぎやくえき
)
に
罹
(
かか
)
るものなかりき、沼岸の
屈曲
(
くつきよく
)
出入は
実
(
じつ
)
に犬牙の如く、之に
沿
(
そ
)
うて
渉
(
わた
)
ることなれば
進退
(
しんたい
)
容易
(
やうゐ
)
に
捗取
(
はかど
)
らず
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
廣介は突然昔の名前を呼ばれた位で驚くには、余りに
鍛錬
(
たんれん
)
を経ていました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
與吉
(
よきち
)
を
連
(
つ
)
れておつぎは
開墾地
(
かいこんち
)
へ
行
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
勘次
(
かんじ
)
が
其
(
そ
)
の
鍛錬
(
たんれん
)
した
筋力
(
きんりよく
)
を
奮
(
ふる
)
つて
居
(
ゐ
)
る
間
(
ま
)
におつぎはそこらの
林
(
はやし
)
から
雀枝
(
すゞめえだ
)
を
採
(
と
)
つて
小
(
ちひ
)
さな
麁朶
(
そだ
)
を
作
(
つく
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
小
(
ちひ
)
さな
枝
(
えだ
)
は
土地
(
とち
)
では
雀枝
(
すゞめえだ
)
といはれて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
中学時代に学業よりも主として身体の
鍛錬
(
たんれん
)
に努めて来たのも実はこのチベット行のためにそなえていたのだ、人間は自分の最高と信じた路に雄飛しなければ、生きていても
屍
(
しかばね
)
同然である、お母さん
花火
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
古代仏教徒の純粋で厳粛な男性的の
鍛錬
(
たんれん
)
からはすこぶる遠かった。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
時にはまた、面々木太刀をおっ取って、わざと幼い君一人をつつみ、それに負けじ魂と肉体的
鍛錬
(
たんれん
)
をも、無理なほど打込んだ。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平常の
鍛錬
(
たんれん
)
が成ればたまたま大々的の
煩悶
(
はんもん
)
の
襲
(
おそ
)
い来る時にあたっても解決が
案外
(
あんがい
)
容易
(
ようい
)
に出来る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ないが実際完全に人間の身体を鍛えるということはよほど
六ヶ
(
むつか
)
しい。これは知識を得るよりよほど難い。その難きを忍んで常に
鍛錬
(
たんれん
)
しなければならぬ。鍛錬をしない人間は駄目だ。
始業式に臨みて
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
彼葛城の為にも、彼女自身の
鍛錬
(
たんれん
)
の為にも、至極好い
思立
(
おもいたち
)
と
看
(
み
)
たのである。彼女は葛城の渡米当時已に自身も渡米す可く身を
悶
(
もだ
)
えたが、父の反対によって是非なく思い止まったのであった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
本朝刀剣
鍛錬
(
たんれん
)
の基則。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
日頃の
鍛錬
(
たんれん
)
を
薙刀
(
なぎなた
)
の
柄
(
え
)
にこめて、そこへよろけてきた弦之丞の影を見るや否や、
月山流
(
がっさんりゅう
)
の型どおりにその
腰車
(
こしぐるま
)
を手強く払った。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、彼の身辺を離れた将士は、日頃の
鍛錬
(
たんれん
)
と恥とを思い起して、各〻、戦いの中へ身を投じて行った。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三河武士の背ぼねは、我慢の
鍛錬
(
たんれん
)
で組み上がっていた。君臣ともに、生涯を辛抱から出発していた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
およそ公卿が日頃に武技の
鍛錬
(
たんれん
)
もしているという世はいったい何を語るものか。そぞろわしは怖ろしくなった。武門の子のわしが、こんなことでいいのかしらと思われての
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父の如水と石舟斎とは茶禅の相識であった関係から、もっとも早く入門して、在京中は月に幾度となく騎馬でこの山荘まで通って来て、
技
(
わざ
)
を
磨
(
みが
)
き、道をたずね、心法の
鍛錬
(
たんれん
)
をうけていた。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
騎馬、歩術の修練も積んでおき、平常に身体を
鍛錬
(
たんれん
)
している侍でなければ、なかなかああは成り難いものであると、早水藤左衛門は追い越された敵に、むしろ敬意に似たものを感じていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
逆境中、それを心がけていたのが、やがて戦陣生活でいよいよ
鍛錬
(
たんれん
)
され、いまでは眠ろうとすれば即座にどこでも眠れるし、その長短も、その場所も、随時随時に居眠る修養ができていた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兵法の道、二天一流と号し、数年
鍛錬
(
たんれん
)
のこと、初て書き顕はさんと思ふ。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大切な尊客の前において、不用意なる能をお目にかけなどしたは、
醜
(
みぐる
)
しき
曲事
(
くせごと
)
たるばかりでなく、
芸者
(
げいしゃ
)
として、平常の心がけの不つつかによる。芸道の
鍛錬
(
たんれん
)
も、武家の兵法も、変りあるべきでない。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
毎日、
鍛錬
(
たんれん
)
は怠らない。その休養のあいだが約百日ほどつづいた。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「と、思いはしますが、聞くところに依ると、佐々木巌流というものは、
遉
(
さすが
)
に稀れな天才らしゅうございます。殊に、細川家に召抱えられてからは、
朝暮
(
ちょうぼ
)
の自戒
鍛錬
(
たんれん
)
は一通りでないとも聞き及びました」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鍛
常用漢字
中学
部首:⾦
17画
錬
常用漢字
中学
部首:⾦
16画
“鍛錬”で始まる語句
鍛錬法