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見傚
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みな
ふりがな文庫
“
見傚
(
みな
)” の例文
結婚を生死の間に
横
(
よこた
)
わる一大要件と
見傚
(
みな
)
して、あるゆる他の出来事を、これに従属させる考えの嫂から云わせると、不可思議になる。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
客観的態度の三叙述を通じて考えて見ますと、いずれも非我の世界における(冒頭に説明したごとく我も非我と
見傚
(
みな
)
す事ができますが)
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
学習院という学校は社会的地位の好い人が這入る学校のように世間から
見傚
(
みな
)
されております。そうしてそれがおそらく事実なのでしょう。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで私はこの演説の冒頭に自分の過去の経験も非我の経験と
見傚
(
みな
)
す事ができると云ってあらかじめ予防線を張っておきました。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
従って、自分と平岡の隔離は、今の自分の
眼
(
まなこ
)
に訴えてみて、尋常一般の経路を、ある点まで進行した結果に過ぎないと
見傚
(
みな
)
した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
こう解釈した時、御米は恐ろしい罪を犯した悪人と
己
(
おのれ
)
を
見傚
(
みな
)
さない訳に行かなかった。そうして思わざる徳義上の
苛責
(
かしゃく
)
を人知れず受けた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
斯
(
か
)
う
解釋
(
かいしやく
)
した
時
(
とき
)
、
御米
(
およね
)
は
恐
(
おそ
)
ろしい
罪
(
つみ
)
を
犯
(
をか
)
した
惡人
(
あくにん
)
と
己
(
おのれ
)
を
見傚
(
みな
)
さない
譯
(
わけ
)
に
行
(
ゆ
)
かなかつた。さうして
思
(
おも
)
はざる
徳義上
(
とくぎじやう
)
の
苛責
(
かしやく
)
を
人知
(
ひとし
)
れず
受
(
う
)
けた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕の妻は小説と三面記事とを同じ物のごとく
見傚
(
みな
)
す女であった。そうして両方とも
嘘
(
うそ
)
と信じて疑わないほど
浪漫斯
(
ロマンス
)
に縁の遠い女であった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
是
(
こり
)
や
不可
(
いけ
)
ない」と
云
(
い
)
ひながら
玄關
(
げんくわん
)
へ
上
(
あが
)
つた。
其
(
その
)
樣子
(
やうす
)
が
恰
(
あたか
)
も
御米
(
およね
)
を
路
(
みち
)
を
惡
(
わる
)
くした
責任者
(
せきにんしや
)
と
見傚
(
みな
)
してゐる
風
(
ふう
)
に
受取
(
うけと
)
られるので、
御米
(
およね
)
は
仕舞
(
しまひ
)
に
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ところが先生の方では、頭から僕にそれだけの責任があるかのごとく
見傚
(
みな
)
してしまって、そうして万事をそれから
演繹
(
えんえき
)
してくるんだろう」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
発展ではあるがA1が基点であって、そのA1は全性格の一特性であるからして、A1の発展もまた全性格の発展と
見傚
(
みな
)
す訳には参りません。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただ彼ら姉二人が僕と市蔵とを、同じ型からでき上った
偏窟人
(
へんくつじん
)
のように
見傚
(
みな
)
して、同じ
眉
(
まゆ
)
を僕らの上に等しく
顰
(
ひそ
)
めるのは疑もなく誤っている。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
所
(
ところ
)
が
叔父
(
をぢ
)
の
意見
(
いけん
)
によると、あの
屋敷
(
やしき
)
は
宗助
(
そうすけ
)
が
自分
(
じぶん
)
に
提供
(
ていきよう
)
して
行
(
い
)
つたのだから、たとひ
幾何
(
いくら
)
餘
(
あま
)
らうと、
餘
(
あま
)
つた
分
(
ぶん
)
は
自分
(
じぶん
)
の
所得
(
しよとく
)
と
見傚
(
みな
)
して
差支
(
さしつかへ
)
ない。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私はそれをKに対する私の
嫉妬
(
しっと
)
に
帰
(
き
)
していいものか、または私に対するお嬢さんの技巧と
見傚
(
みな
)
してしかるべきものか、ちょっと分別に迷いました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
打てば必ずなかなければならんとなると吾輩は迷惑である。目白の時の鐘と同一に
見傚
(
みな
)
されては猫と生れた
甲斐
(
かい
)
がない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうしてその科学界を組織する学者の研究と発見とに対しては、その比較的価値
所
(
どころ
)
か、全く自家の
着衣喫飯
(
ちゃくいきっぱん
)
と交渉のない、
徒事
(
いたずらごと
)
の如く
見傚
(
みな
)
して来た。
学者と名誉
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
つまりは向うから手を出しておいて、世間体はこっちが仕掛けた
喧嘩
(
けんか
)
のように、
見傚
(
みな
)
されてしまう。大変な不利益だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが叔父の意見によると、あの屋敷は宗助が自分に提供して行ったのだから、たといいくら余ろうと、余った分は自分の所得と
見傚
(
みな
)
して
差支
(
さしつかえ
)
ない。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は今日まで、熱烈を
厭
(
いと
)
う、危きに近寄り得ぬ、勝負事を好まぬ、用心深い、太平の
好紳士
(
こうしんし
)
と自分を
見傚
(
みな
)
していた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すでに平等的である以上は圏を画して圏内圏外の別を説く必要はない。英国の二大政党のごときは単に採決に
便宜
(
べんぎ
)
なる約束的の団隊と
見傚
(
みな
)
して
差支
(
さしつかえ
)
ない。
文壇の趨勢
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小遣
(
こづかい
)
の財源のように見込まれるのは、自分を貧乏人と
見傚
(
みな
)
している彼の立場から見て、腹が立つだけであった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その様子があたかも御米を路を悪くした責任者と
見傚
(
みな
)
している風に受取られるので、御米はしまいに
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし六畳敷にせよいやしくも書斎と号する一室を
控
(
ひか
)
えて、居眠りをしながらも、むずかしい書物の上へ顔を
翳
(
かざ
)
す以上は、学者作家の同類と
見傚
(
みな
)
さなければならん。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「国家の実質とも
見傚
(
みな
)
し得べき「力」を
有
(
も
)
たない小邦が、何で
国
(
こく
)
家を代表する
事
(
こと
)
が出来よう」
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
兄の
後
(
うしろ
)
に御本尊のお延が澄まして控えているのを
悪
(
にく
)
んだ。夫の堀をこの事件の責任者ででもあるように
見傚
(
みな
)
して、京都の父が遠廻しに持ちかけて来るのがいかにも
業腹
(
ごうはら
)
であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしその後はまたどうしても聴いていられなかった。
先刻
(
さっき
)
から
一言葉
(
ひとことば
)
ごとに
一調子
(
ひとちょうし
)
ずつ高まって来た二人の
遣取
(
やりとり
)
は、ここで絶頂に達したものと
見傚
(
みな
)
すよりほかに
途
(
みち
)
はなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
または直覚の活作用とも
見傚
(
みな
)
される彼女の
機略
(
きりゃく
)
であるか、あるいはそれ以外の或物であるか、たしかな
解剖
(
かいぼう
)
は彼にもまだできていなかったが、何しろ事実は事実に違いなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
出
(
で
)
にくいと知りながら、我慢して使った結果、おのずと
拍子
(
ひょうし
)
に乗って来た勢いに違ないんだから、まあ器械的の変化と
見傚
(
みな
)
しても
差支
(
さしつかえ
)
なかろうが、妙なもので、その器械的の変化が
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
動植両界を
貫
(
つらぬ
)
き、それらを万里一条の鉄のごとくに
隙間
(
すきま
)
なく発展して来た進化の歴史と
見傚
(
みな
)
すとき、そうして吾ら人類がこの大歴史中の単なる一
頁
(
ページ
)
を
埋
(
うず
)
むべき材料に過ぎぬ事を自覚するとき
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は自分の眼の届く広場を、一面の舞台と
見傚
(
みな
)
して、その上に自分と同じ態度の男が三人いる事を発見した。その一人は派出所の巡査で、これは自分と同じ方を向いて同じように立っていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「なに、したと
見傚
(
みな
)
すんだね」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
傚
漢検1級
部首:⼈
12画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当