肩書かたがき)” の例文
正二位内侍局ないじのつぼねとかいう肩書かたがきで方々を押し廻してあるいていることが奉行所の耳へきこえたので、お琴も善兵衛も吟味をうけることになりました。
半七捕物帳:26 女行者 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
とはいえ、わたしはその時、そんなことは気にもとめずに聞き流した。公爵などという肩書かたがきは、ほとんどなんの作用もわたしにおよぼさなかった。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
けれどもぼく大島小學校おほしませうがくかう出身しゆつしんなることを、諸君しよくんごと立派りつぱ肩書かたがきもつらるるうち公言こうげんしてすこしはぢず、むしほこつて吹聽ふいちやうしたくなるのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
温厚玉のような君子がれっきとした官職の肩書かたがききの名刺を示しても聞かれないで警察へ拘留されたという話も聞いている。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
徳川家とくがわけ重臣じゅうしん甲州こうしゅう躑躅つつじさき城主じょうしゅ、大講会総奉行、それらの肩書かたがき威光いこうにきている長安は
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
といつて肩書かたがきところゆびさした、おそろしくみぢかいゆびで、黄金きん指輪ゆびわふといのをはめてる。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其所そこへ、周布神奈川縣知事すふかながはけんちじる。橋本警務長はしもとけいむちやうる。田中代議士たなかだいぎし樋口郡長ひぐちぐんちやういはなにいはなにういふときには肩書かたがき必用ひつようえる。高等野次馬かうとうやじうまかず無慮むりよ餘名よめいちうせられた。
そでいま苦勞くらうはつらくとも暫時しばし辛抱しんばうぞしのべかし、やがて伍長ごちやう肩書かたがきたば、鍛工場たんこうぢやう取締とりしまりともはれなば、いへいますこひろ小女こをんなはし使づかひをきて、そのかよわきみづまさじ
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かいくだされましと言に道具屋ハイ/\家主いへぬしひろ次郎と申ますと肩書かたがきにして渡しければ直八是で宜と其儘馬喰ばくろ町の旅宿りよしゆくへ歸りて長兵衞ならび村名主むらなぬし源左衞門に向ひ下谷山下やましたにて見當みあたりし脇差わきざしの事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ぢや、君、宮内省の方を、ひとつ、せいぜい、せついてみてくれ給へ。数は少くつても、こいつは、肩書かたがきみたいなもんだからね。多少運動費を出してもいゝ。それから……ちよつと待つて……。
医術の進歩 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
小介川文學士こすけがはぶんがくしともなふて一人ひとりをとこのぞいては此倶樂部このくらぶ會員くわいゐんで、一人ひとりはオックスホード大學だいがく出身しゆつしん其一人そのひとりはハーバード大學だいがく出身しゆつしんなど、なそれ/″\の肩書かたがきもつ年少氣鋭ねんせうきえい
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)