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稼
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かせぎ
ふりがな文庫
“
稼
(
かせぎ
)” の例文
妹にも同じ
稼
(
かせぎ
)
をさせようとしましたが、私は命がけで喧嘩をして、そればかりは思ひ止らせ、好ましくはないが水茶屋に奉公させました。
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ついでと言っては悪いけれど、
稼
(
かせぎ
)
の繰廻しがどうにか附いて、参宮が出来るというのも、お伊勢様の
思召
(
おぼしめし
)
、
冥加
(
みょうが
)
のほど
難有
(
ありがた
)
い。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
相宿
(
あいやど
)
のものがそれぞれ
稼
(
かせぎ
)
に出た跡で、宇平は九郎右衛門の前に
膝
(
ひざ
)
を進めて、何か言い出しそうにして又黙ってしまった。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
持
(
もち
)
貧
(
まづし
)
き上に
貧
(
まづ
)
しくならん今の中に江戸に出て五六年も
稼
(
かせぎ
)
なば能き事も有べしと思ひ或日叔母女房に向ひ此事を
直談
(
ぢきだん
)
に及びければ大いに
驚
(
おどろ
)
き是は思ひ
掛
(
かけ
)
なき事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ただし借人は七百文の銭にて一日に一貫二、三百文にも売上げるゆえ、七百文の銭に二十一文の利息を除いて、その外五百七十五文の
稼
(
かせぎ
)
あり。依って借も貸も利ありて損なし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
おつぎを
奉公
(
ほうこう
)
に
出
(
だ
)
して
畢
(
しま
)
へば、
二人
(
ふたり
)
の
子
(
こ
)
を
抱
(
だ
)
いてお
品
(
しな
)
は
從來
(
これまで
)
のやうに
働
(
はたら
)
くことが
出來
(
でき
)
ない、
僅
(
わづか
)
な
稼
(
かせぎ
)
でもそれが
停止
(
ていし
)
されることは
彼等
(
かれら
)
の
生活
(
せいくわつ
)
の
爲
(
ため
)
には
非常
(
ひじやう
)
な
打撃
(
だげき
)
でなければならぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
新吉は別に
稼
(
かせぎ
)
もなく、
殊
(
こと
)
には塩梅が悪いので、少しずつ酒でも飲んではぶら/\土手でも歩いたり、また
大宝
(
たいほう
)
の八幡様へ参詣に
行
(
ゆ
)
くとか、今日は水街道、或は
大生郷
(
おおなごう
)
の天神様へ行くなどと
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
忝
(
かたじけ
)
ない。然し、私は天引三割の
三月縛
(
みつきしばり
)
と云ふ
躍利
(
をどり
)
を貸して、
暴
(
あら
)
い
稼
(
かせぎ
)
を為てゐるのだから、何も人に恩などを被せて、それを種に
銭儲
(
かねまうけ
)
を為るやうな、廻り
迂
(
くど
)
い事を為る必要は、まあ無いのだ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
夫婦
暮
(
ぐら
)
しなれば
格別
(
かくべつ
)
、もしも三、五人の子供または老親あれば、
歳入
(
さいにゅう
)
を以て衣食を給するに
足
(
た
)
らず。故に
家内
(
かない
)
力役
(
りきえき
)
に
堪
(
たう
)
る者は男女を問わず、或は
手細工
(
てざいく
)
或は
紡績
(
ぼうせき
)
等の
稼
(
かせぎ
)
を以て
辛
(
かろ
)
うじて
生計
(
せいけい
)
を
為
(
な
)
すのみ。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「千代子さん。どうです。いゝでせう。わたしと一ツしよになつて見ませんか。奮発して二人で一ト
稼
(
かせぎ
)
かせいで見やうぢやありませんか。戦争も大きな声ぢや言はれないが、もう長いことはないツて云ふ話だし……。」
にぎり飯
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
小体
(
こてい
)
な暮しで共稼ぎ、
使歩行
(
つかいあるき
)
やら草取やらに雇われて参るのが、
稼
(
かせぎ
)
の
帰
(
かえり
)
と見えまして、
手甲脚絆
(
てっこうきゃはん
)
で、貴方、鎌を提げましたなり、ちょこちょこと寄りまして
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
亡者
(
なきもの
)
となし我また
後役
(
あとやく
)
にならんと
惡心
(
あくしん
)
増長
(
ぞうちやう
)
せし所役人へ遣はす
賄賂
(
わいろ
)
の金子に困り悴夫婦を江戸へ
稼
(
かせぎ
)
に出し給金にて地頭役人を
拵
(
こしら
)
へ先役に
立歸
(
たちかへ
)
らんと存じ此ことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これその日
稼
(
かせぎ
)
の軽き商人の産なり。ただこれはなお
本資
(
もとで
)
を持ちし身上なり。これ程の本資もたぬ者は人に借る。
暁烏
(
あけがらす
)
の声きくより
棲烏
(
とまりがらす
)
の声きくまでを期とす。利息は百文に二文とかいう。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「千代子さん。どうです。いいでしょう。わたしと一ッしょになって見ませんか。奮発して二人で一ト
稼
(
かせぎ
)
かせいで見ようじゃありませんか。戦争も大きな声じゃ言われないが、もう長いことはないッて云う話だし……。」
にぎり飯
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
避
(
さけ
)
る程の大酒なり
然
(
され
)
ども喧嘩口論は勿論何程に
酩酊
(
めいてい
)
なすとも夢中に成て
倒
(
たふ
)
れ或ひは家業を
怠惰
(
おこたり
)
しと云事なく只酒を飮を
樂
(
たのし
)
みとして
稼
(
かせぎ
)
兄を助ける故人々
心隔
(
こゝろおき
)
なく半四郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
縁日
稼
(
かせぎ
)
の
門附
(
かどづけ
)
も利かない気で、へべれけの愛吉が意にさからい、
価
(
あたい
)
を払わなければ
術
(
わざ
)
は見せぬ、お
銭
(
あし
)
がなくっていて、それでたって
凄
(
すご
)
い処を聞きたいなら、
前
(
さき
)
に立って
提灯
(
ちょうちん
)
は持たずとも
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夢とすると話が出来ない、いかに田舎
稼
(
かせぎ
)
に出ていたって、野郎の癖に
新造
(
しんぞ
)
の夢でもありますまい。これが山賊に出逢って一貫投げ出したとでもいう事なら、意気地がねえたって茶話にゃなりまさ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
稼
常用漢字
中学
部首:⽲
15画
“稼”を含む語句
稼業
日傭稼
稼業柄
出稼
稼人
旅稼
稼穡
夜稼
水稼業
禾稼
稼業人
共稼
山稼
一稼
空巣稼
泥水稼業
稼高
荒稼
稼場
地者稼
...