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科
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しな
ふりがな文庫
“
科
(
しな
)” の例文
子供の方ではしきりに行きたかがるので——もっとも活動写真と云ったって必ず女が出て来て妙な
科
(
しな
)
をするとはきまっていない
中味と形式
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
てる (やゝ、恥ぢらふやうな
科
(
しな
)
を作つて)もう、それは、伺はなくつても、わかつてをります……。(袖で顔を覆つて泣く)
秘密の代償
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
優美な
科
(
しな
)
を作ったり、もし必要とあれば
恍惚
(
うっと
)
りとなったり、悲しげな眸をしたり、さては謎めいた眸を送ることなど、なんでも自由自在に出来た。
頸の上のアンナ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
相手は存外
卑怯
(
ひきょう
)
な
奴
(
やつ
)
であった。むなぐらを振り放し
科
(
しな
)
に、持っていた
白刃
(
しらは
)
を三右衛門に投げ付けて、廊下へ逃げ出した。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
しかし荷物を背負う用途を兼ねるものは、必然材料に丈夫なものが選ばれてくる。
茅
(
かや
)
、
菅
(
すげ
)
、
蒲
(
がま
)
、岩芝、くご、
葡萄
(
ぶどう
)
、
胡桃
(
くるみ
)
、特に愛されるのは
科
(
しな
)
の皮。
蓑のこと
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
▼ もっと見る
と、陣場夫人は
否応
(
いやおう
)
云わせないように、両手で幸子の手を握り締めて、子供が物をねだるような
科
(
しな
)
をしながら云った。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「へへえ、これは先生さまあ……」顎のしゃくれた女房がお世辞笑いをして
科
(
しな
)
をつくるのであった。「ちっとばかり御相談にあがりましたんだが……」
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
それとは
科
(
しな
)
違うがおよそ私に於ては過去も現在も恐らくは将来も、頭から終いまですべてこれカンの働きに始り終るものとし、カンの利かなくなったとき
カン
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
諺に言葉多きは
科
(
しな
)
少なしと言い、西洋にも
空樽
(
あきだる
)
を叩けば声高しとの語あり。愚者の多言
固
(
もと
)
より厭う可し。況して婦人は静にして奥ゆかしきこそ
頼母
(
たのも
)
しけれ。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
と肉色の
絽
(
ろ
)
の
長襦袢
(
ながじゅばん
)
で、絽
縮緬
(
ちりめん
)
の
褄
(
つま
)
摺
(
す
)
る音ない、するすると長火鉢の前へ行って、
科
(
しな
)
よく
覗
(
のぞ
)
いて見て
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
雀斑
(
そばかす
)
がぽち/\してつ
處
(
とこ
)
までなあ」お
品
(
しな
)
には
目
(
め
)
と
鼻
(
はな
)
のあたりに
雀斑
(
そばかす
)
が
少
(
すこ
)
しあつたのである。おつぎにも
其
(
そ
)
れがその
儘
(
まゝ
)
で
嫣然
(
にこり
)
とする
時
(
とき
)
にはそれが
却
(
かへつ
)
て
科
(
しな
)
をつくらせた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
声も
科
(
しな
)
も幼い少女のものを真似て、果てはオロオロと泣き伏してしまふのである。
蝉:――あるミザントロープの話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
「またあんなこというて
騙
(
だま
)
すのや。……千代さんとこのお時さんは、天神さんのお
姫
(
ひ
)
さんになつて、
齋世親王
(
ときよしんわう
)
と牛車の中でな、……ほゝゝゝゝ。」と、京子は若い娘のするやうに、
科
(
しな
)
を作つて
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
此処から十町許なる
科
(
しな
)
の
木
(
き
)
平までに採集した植物は
女子霧ヶ峰登山記
(新字新仮名)
/
島木赤彦
(著)
釣舟草
(
つりぶねさう
)
、
不謹愼
(
ふきんしん
)
の女である、
秋波
(
ながしめ
)
をする、
科
(
しな
)
をする。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
彼女から見た僕は、
怒
(
おこ
)
ろうが泣こうが、
科
(
しな
)
をしようが色眼を使おうが、常に変らない
従兄
(
いとこ
)
に過ぎないのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蒲
(
がま
)
、
稈心
(
みご
)
、
科
(
しな
)
、
葡萄蔓
(
ぶどうづる
)
、麻糸、木綿糸、馬の毛など様々なものが使われます。
新庄
(
しんじょう
)
の市日などに
在
(
ざい
)
からこれを着て出てくる風俗は、都の者には眼を見張らせます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
さりとて
痩
(
や
)
せたれども与五郎、
科
(
しな
)
や、
振
(
ふり
)
は習いませぬぞよ。師は心にある。目にある、胸にある……
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この男は、必ず、女のやうに
科
(
しな
)
をつくり、この女は、概ね、男のやうな言葉を使つてゐる。
異性間の友情と恋愛
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
固
(
もと
)
より女の髪は
綺麗
(
きれい
)
に
揃
(
そろ
)
っていたのだから、敬太郎にはこの挙動が
実
(
み
)
のない
科
(
しな
)
としてのみ映ったのだが、その手を見た時彼はまた新たな注意を女から強いられた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
裏へ廻わると、
綻
(
ほころ
)
びた処があるので。……姉さんは
科
(
しな
)
よく消えたが、こっちは
自雷也
(
じらいや
)
の妖術にアリャアリャだね。
列子
(
せこ
)
という身で
這込
(
はいこ
)
みました。が、それどころじゃあねえ。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうしてその周囲には黒く染めた
胡桃皮
(
くるみかわ
)
を毛のように長く
垂
(
た
)
らします。時としては「すごも」と呼ぶ
海藻
(
かいそう
)
を黒髪の如く
靡
(
なび
)
かせます。背から腰にかけては丈夫な
科
(
しな
)
の皮を
総々
(
ふさふさ
)
と用います。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
いくらなんでも、かういふ(頸と肩とを同時に寄せて行く
科
(
しな
)
を作つてみせ)
沢氏の二人娘
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
その時年の若い方が、わざわざ
喫驚
(
びっくり
)
して見せる
科
(
しな
)
が、よほど馬鹿らしゅうございました。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、唄うに連れて、囃子に連れて、少しずつ手足の
科
(
しな
)
した、
三個
(
みつ
)
のこの山伏が、腰を入れ、肩を
撓
(
た
)
め、首を振って、踊出す。太刀、斧、弓矢に似もつかず、手足のこなしは、しなやかなものである。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
木鉢
(
きばち
)
や
杓子
(
しゃもじ
)
を始め
胡桃
(
くるみ
)
の一枚皮で出来た
箕
(
み
)
や、山芝で編んだ「びく」即ち背負袋や、
科
(
しな
)
の木の皮の
蓑
(
みの
)
など、いずれもこの土地あってのものであります。日本の民具を語るよい例となるでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
両手で頬をおさへ、甘えるやうに
科
(
しな
)
を作る。
モノロオグ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
と、彼女は、少女らしく
科
(
しな
)
をつくつた。
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
“科”の意味
《名詞》
(とが 「咎」とも)非難・懲罰されるべき行為。
(カ)生物の分類のひとつ。界-門-綱-目-科-(族)-属-(節)-種
(出典:Wiktionary)
科
常用漢字
小2
部首:⽲
9画
“科”を含む語句
罪科
莫斯科
科白
科学
大英百科全書
前科者
科人
外科
蓼科
理科
科長
科学者
蘭科
教科書
科戸
内科
蓼科山
学科
文科
分科
...