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かえりみ
ふりがな文庫
“
省
(
かえりみ
)” の例文
幸か不幸か今に至ってその意義を深く
省
(
かえりみ
)
るべきよき機会が到来したと思えます。日本は手仕事の日本を更に
活
(
い
)
かさねばなりません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
平生この心を一の秘蔵としていることを、今更の如く元日に当って
省
(
かえりみ
)
るのである。われわれも木因のこの宝に敬意を表せざるを得ない。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
万葉を崇拝して万葉調の歌を作ったものにも絶えて此歌に及ぶものがなかった。その何故であるかを吾等は一たび
省
(
かえりみ
)
ねばならない。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
固有の背水癖で、最初
戸籍
(
こせき
)
までひいて村の者になったが、過る六年の成績を
省
(
かえりみ
)
ると、儂自身もあまり良い村民であったと断言は出来ない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
探偵の事件には
往々
(
おう/\
)
斯
(
かく
)
までに意外なる事多し此一事は此後余が真実探偵社会の一員と為りてよりも
大
(
おおい
)
に余をして自ら
省
(
かえりみ
)
る所あらしめたり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
よりて、余いま
固陋
(
ころう
)
を
省
(
かえりみ
)
ず、その了解し難きゆえんの意を
摂録
(
せつろく
)
し、あえて先生に
質
(
ただ
)
す。もし先生の垂教を
忝
(
かたじけなく
)
せば、あに ただ
不佞
(
ふねい
)
の幸のみならんや。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
されば小説家たらんとするものはまづおのれが天分の
有無
(
ゆうむ
)
のみならず、またその身の境遇をも併せ
省
(
かえりみ
)
ねばならぬなり。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
新九郎の胸さきへ、むらむらと怪しい
嫉妬
(
しっと
)
が燃え上がった。何の故の嫉妬か、彼は今、それさえ
省
(
かえりみ
)
ていられなかった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
外に責むる者は内に
省
(
かえりみ
)
ざるべからず。従軍記者たる者自ら心に
疚
(
やま
)
しき所なきか。泥棒と呼ばしめ新聞屋と笑はしむる者果してこれが素を為す者なきか。
従軍紀事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
僕の先にいった全力をつくすなかれというは、要するに
省
(
かえりみ
)
るだけの余地をとっておけというにほかならぬのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
我と底抜けの生活から意味もなく
翻弄
(
ほんろう
)
されて、悲観煩悶なぞと言っている自分の
憫
(
あわ
)
れな姿も、
省
(
かえりみ
)
られた。
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
卓一にふりあてられた役割を
省
(
かえりみ
)
てすら、同じ醜怪なひとつであるのを、思ひ知らずにゐられなかつた。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
町の人びとはもう
己
(
じぶん
)
の生命と財産を気づかってローゼン家の不幸を
省
(
かえりみ
)
るものがなくなった。
警察署長
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
厳
(
いか
)
めしい表玄関と気の利いた内玄関が並んでいる。訪問者は身分を
省
(
かえりみ
)
て二者一つを
択
(
えら
)
べという意味だろう。震災以来半バラック式に住んでいる新太郎君は少々度胆を抜かれた。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
悔いのない自分であろうかと
省
(
かえりみ
)
る時、いねはたださめざめと泣くよりほかなかった。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
ヨブのこの言たるパウロの「我れみずから
省
(
かえりみ
)
るに
過
(
あやまち
)
あるを覚えず、されどもこれによりて義とせられず、我を
審判
(
さば
)
く者は主なり」(コリント前四の四)とその精神を一にするものであって
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
いまさらながら、ぞっとして、わが身の上も
省
(
かえりみ
)
られ、ああ、もう遊びはよそう、と何だかわけのわからぬ涙を流して誓約し、いよいよ寒さのつのる木枯しに吹きまくられて、東海道を急ぎに急ぎ
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
省
(
かえりみ
)
ず
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
近頃のものを
省
(
かえりみ
)
ると、質よりも見かけに重きを置き、親切に作るよりも出来るだけ手をぬき、繊弱な醜悪なものとなっています。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
病いがちな老体を
省
(
かえりみ
)
る時、沢庵は生き永らえて再び忠利に相会う日がないのではないか、という
危惧
(
きぐ
)
に
捉
(
とら
)
えられた。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
重吉はかつて覚えたことのない
侮辱
(
ぶじょく
)
を感じて決然として女の家を出ようと思いながら、また
静
(
しずか
)
にその身を
省
(
かえりみ
)
ると、勤先をしくじってから早くも一年ぢかく
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
王いまだかつて見ず、いまだかつて
聞
(
きか
)
ず、またいまだかつてこれを察せず。王のこれを殺す、また
宜
(
むべ
)
なり。ゆえに
自
(
みずか
)
ら
省
(
かえりみ
)
て知らずんば、何によりて自ら信ぜん。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
あるいは親の
命日
(
めいにち
)
、あるいは自分になにか特別の意味のある日、
退
(
しりぞ
)
いて
予
(
よ
)
ははたして青年時代の理想に近づきつつありや、あるいは
逆戻
(
ぎゃくもど
)
りせぬかと深く
省
(
かえりみ
)
るのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
と思って、私も
省
(
かえりみ
)
る。常に無理を通しているのだから、
稀
(
たま
)
には譲ってやる。妻は天下晴れてプン/\憤れるから頗る得意だが、
此方
(
こっち
)
が相手にならないので気抜けがして、間もなく笑顔に戻る。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかして後やや熟練を経、
辛
(
かろ
)
うじてこの種の句をものするに至れば独り心に
嬉
(
うれ
)
しく、ただその言ひおほせたるを喜んでかへつてその句の雅俗優劣を判ずる能はざることあり。常に
自
(
みずか
)
ら
省
(
かえりみ
)
るを要す。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
遠隔の地であるため、その存在やその価値を今まで
省
(
かえりみ
)
る人が少かったが、当然重要視されていい窯場である。
現在の日本民窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
一は
能
(
よ
)
く他国の文化を
咀嚼
(
そしゃく
)
玩味
(
がんみ
)
して自己薬籠中の物となしたるに反して、一は
徒
(
いたずら
)
に新奇を迎うるにのみ急しく全く己れを
省
(
かえりみ
)
る
遑
(
いとま
)
なきことである。これそも何が故に然るや。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
おのれに
顧
(
かえり
)
みれば霊魂のおのれに
潜
(
ひそ
)
んでいることが明らかでないかと論じたが、
吾人
(
ごじん
)
も少しく心静かにおのれを
省
(
かえりみ
)
ると、銘々の内に
潜
(
ひそ
)
んである力の偉大なることを感ずる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
人民泣かせをただこれ
能
(
のう
)
として
省
(
かえりみ
)
るところもないのであった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これが僕の為めには
翻然
(
ほんぜん
)
として自ら
省
(
かえりみ
)
る切っかけになった。
四十不惑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
変らないだけに品物は正直であり、純朴である。純朴なものは間違いが少い。各地で拾い上げたものを
省
(
かえりみ
)
ると、ほとんど皆昔との
繋
(
つな
)
がりを有つものだけである。
地方の民芸
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
私達は大いに自ら
省
(
かえりみ
)
るところがなければなりません
首席と末席
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかしもっとあっさり簡素に作ったらどんなに仕事が活々してくることかと思います。必要以上に手をかけることは、かえって美しさを
害
(
そこな
)
う所以なのを
省
(
かえりみ
)
るべきだと思います。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
段々機械の力に圧倒されて、正直な仕事が衰えてきた今日、
尚更
(
なおさら
)
手仕事のよき面を
省
(
かえりみ
)
るべきだと思います。ですが日本には果してどんな着実な手仕事が残っているのでありましょうか。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
あと半世紀も経って高取を
省
(
かえりみ
)
る人が出たら、そうして彼が美に明るい人であるなら、茶器を棄ててこれらの雑器をこそ取上げるであろう。なぜならそこに最も活々した高取があるからである。
北九州の窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
“省”の意味
《名詞》
(ショウ)(歴史)律令制における行政機関。
(ショウ)(政治)内閣制度における行政機関で内閣下にあっては最上位層に属するもの。
(ショウ)現代中国の地方行政区分。
(出典:Wiktionary)
“省”の解説
省(しょう)は、国の行政機関の呼称である。元来は中国における行政機関の名称であったが、現在の中国では用いられない。
(出典:Wikipedia)
省
常用漢字
小4
部首:⽬
9画
“省”を含む語句
省略
帰省
反省
山東省
陝西省
外務省
官省
自省
人事不省
逓信省
省察
河南省
省線電車
歸省
兵部省
農商務省
省吾
文部省
省筆
大蔵省
...