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なまなか
ふりがな文庫
“
生中
(
なまなか
)” の例文
二葉亭は
生中
(
なまなか
)
文名が高く在留日本人間にも聞えていたので、就任の風説あるや学堂の面々は皆小説家の提調を迎うるを喜ばなかった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
生中
(
なまなか
)
いぢくらずに置けば美しい火の色
丈
(
だけ
)
でも見られたものを、
下手
(
へた
)
に詩に
為
(
し
)
た
許
(
ばかり
)
に
本
(
もと
)
の面白い感情が失はれたのと同じ様な失望を感じた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
生中
(
なまなか
)
こがれて
附纒
(
つきまと
)
ふたとて、
晴
(
は
)
れて
添
(
そ
)
はれる
中
(
なか
)
ではなし、
可愛
(
かあい
)
い
人
(
ひと
)
に
不義
(
ふぎ
)
の
名
(
な
)
を
着
(
き
)
せて
少
(
すこ
)
しも
是
(
こ
)
れが
世間
(
せけん
)
に
知
(
し
)
れたら
何
(
なん
)
とせう
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
生中
(
なまなか
)
批評的精神などがあつては、見ようと思ふものも見えない。聴かうと思ふことも聞けない、味ふと思ふことも味へない。
批評的精神を難ず
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
生中
(
なまなか
)
に新聞を見風俗畫報などを讀み得るやうになつてゐるこの若い女性の胸にとつてはそれも全く無理のない事であらう。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
▼ もっと見る
如何となれば
生中
(
なまなか
)
血行の事などを文字言語によりて知つて、之をいぢり廻しては惡果を來さぬとも限らぬからである。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
我々文士からいっても、好い加減な選り好みをされた上に、
生中
(
なまなか
)
もやし扱いにされるのはありがたいものではない。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それに重行には圧迫された恨みも手伝っているし、
生中
(
なまなか
)
な事でウンといわないのも無理もないのだ。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
生中
(
なまなか
)
夏になって雪が溶けてしまうので問題は面倒になるのであるが、この冬の状態のままが続くものならば、土木や建築に関する概念などは全く変ってしまうことであろう。
雪の話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
生中
(
なまなか
)
私を慰めたりするのが悪いとでも思つてゐる様に、皆言ひ合した様に私に対して沈黙を守つて居た。彼等同士で話す時でも、私を怖れ憚るやうに、ひそ/\と囁き交すのであつた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
正義の為には夫婦離反してもよいというかも知れぬが、世に親子夫婦睦まじく笑って暮すよりも重んずべき主義があろうか。
生中
(
なまなか
)
宗教がある為に宗旨争いで家庭の不和が生ずることは随分ある。
論語とバイブル
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
生中
(
なまなか
)
礼儀などを守らず、つけ/\言つてくれる此女を、もう世の中に唯一人の頼りにして、
嘗
(
かつ
)
て自分等の村の役場に、盛岡から来てゐた事のある助役様の
内儀
(
おかみ
)
さんよりも親切な人だと考へてゐた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
生中
(
なまなか
)
な暖気で政府を失つてゐる。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
文学ではとても生活する能力はないものと
断念
(
あきら
)
め、
生中
(
なまなか
)
天分の乏しいのを知りつつも文学三昧に
沈湎
(
ちんめん
)
するは文学を冒涜する罪悪であると思詰め
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
生中
(
なまなか
)
煖房
(
だんぼう
)
の設備などがないと身体の方が自然の方に適応して行くらしいのであるが、そのためには気温の変化が少いということが一つの有利な条件のように思われるのである。
雪の十勝:――雪の研究の生活――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
殘
(
のこ
)
れる
耻
(
はじ
)
は
誰
(
た
)
が
上
(
うへ
)
ならず、
勿躰
(
もつたい
)
なき
身
(
み
)
の
覺悟
(
かくご
)
と
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
に
侘言
(
わびごと
)
して、どうでも
死
(
し
)
なれぬ
世
(
よ
)
に
生中
(
なまなか
)
目
(
め
)
を
明
(
あ
)
きて
過
(
す
)
ぎんとすれば、
人並
(
ひとなみ
)
のうい
事
(
こと
)
つらい
事
(
こと
)
、さりとは
此身
(
このみ
)
に
堪
(
た
)
へがたし
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
心中を
涅槃
(
ねはん
)
にくつつけたやうなところがあるが、
生中
(
なまなか
)
さういふ小乗に行かなかつたところに、却つてかれの勇者たり智者たるところがあるのであつて、
這個
(
しやこ
)
仏性
(
ぶつせい
)
ありと言はずには居られない。
西鶴小論
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
さうして生みの父母は……? ひよつとしたらお信さんはその時
生中
(
なまなか
)
浪華亭の
養女
(
むすめ
)
になどなつたのを、そしてその為に生みの父母を失つて了つたのを、自ら悔い且つ恨んでゐたかも知れない。
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
お定は
生中
(
なまなか
)
禮儀などを守らず、つけつけ言つてくれる此女を、もう世の中に唯一人の頼りにして、嘗て自分等の村の役場に、盛岡から來てゐた事のある助役樣の
内儀
(
おかみ
)
さんより親切な人だと考へてゐた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
空しく壮図を抱いて中途にして
幽冥
(
ゆうめい
)
に入る千秋の遺恨は死の瞬間までも
悶
(
もだ
)
えて死切れなかったろうが、
生中
(
なまなか
)
に小さい文壇の名を歌われて
枯木
(
かれき
)
の如く畳の上に朽ち果てるよりは
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
とても憎くまるゝほどならば
生中
(
なまなか
)
人に媚びて心にもなき追縱に、破れ草韃の蹈つけらるゝ處業は
爲
(
す
)
なとて、口惜し涙に明暮の無念はれまなく、我が孫かはゆきほど世の人にくければ
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それかといって、これらの現象を本当に突きとめて研究しようとしたら、実は
生中
(
なまなか
)
の腕にはかからないのである。この頃ある機会に東京のスケートリンクというものに初めて行ってみた。
スポーツの科学
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
それは、
生中
(
なまなか
)
そんなことをして、その珠のやうな恋心に
疵
(
きず
)
をつけるのは堪らないといふその君の心はわかつてゐるけれども、さういふ風にそつとして置いては駄目だよ。もう少し勇気を起し給へ。
ひとつのパラソル
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
親
(
おや
)
といふ
名
(
な
)
のまして
如何
(
いか
)
ならん、さりとは
隱居樣
(
いんきよさま
)
じみし
願
(
ねが
)
ひも、
令孃
(
ひめ
)
が
心
(
こヽろ
)
には
無理
(
むり
)
ならぬこと、
生中
(
なまなか
)
都
(
みやこ
)
に
置
(
お
)
きて
同胞
(
きやうだい
)
どもが、
浮世
(
うきよ
)
めかすを
見
(
み
)
するも
愁
(
つ
)
らし、
何
(
なに
)
ごとも
望
(
のぞ
)
みに
任
(
まか
)
かせて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
母は如何にと問はるゝ
毎
(
ごと
)
に、袖のぬれしは昔しなりけり、浮世に情なく人の心に誠なきものと思ひさだめてよりは、
生中
(
なまなか
)
あはれをかくる人も、我れを
嘲
(
あざ
)
けるやうに覚えて
面
(
つら
)
にくし、いでや
琴の音
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
どうでも死なれぬ世に
生中
(
なまなか
)
目を明きて過ぎんとすれば、人並のうい事つらい事、さりとはこの身に堪へがたし、一生五十年めくらに成りて終らば事なからんとそれよりは一筋に母様の御機嫌
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
生中
(
なまなか
)
あはれをかくる人も、我れを嘲けるやうに覺えて面にくし、いでや、つらからば一筋につらかれ、とてもかくても憂身のはてはとねぢけゆく心に、神も佛も敵とおもへば、恨みは誰れに訴へん
琴の音
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生温
生死