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此間
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こないだ
ふりがな文庫
“
此間
(
こないだ
)” の例文
「うむ! ……一生君には言うまいと思っていたけれど、……
此間
(
こないだ
)
行って見た。ふゝん!」と
嘲笑
(
あざわら
)
うように、私の顔を見て言った。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
丈「おや/\清水の息子さんか、
此間
(
こないだ
)
は折角お
出
(
い
)
でだったが、
取込
(
とりこ
)
んでいて失敬を云って済みません、何かえ清次さんのお
連
(
つれ
)
かえ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
カラクリが
判
(
は
)
っ
切
(
き
)
り分らア。全くよ。俺ア、
遂
(
つい
)
此間
(
こないだ
)
迄信者様だった。騙されたのも知らねえで悦んで奴等の手品に見とれていたからなア。
反逆
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
此間
(
こないだ
)
も言うた通り、わいは明日の日にでも発って、マニラへ行こ思てるねん。君枝の身体ももうちゃんとかたづいたし、思い残すところはない。
わが町
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
だからお勢みたようなこんな親不孝な
者
(
もん
)
でもそう何時までもお
懐中
(
ぽっぽ
)
で
遊
(
あす
)
ばせても
置
(
おけ
)
ないと思うと私は苦労で苦労でならないから、
此間
(
こないだ
)
も
私
(
あたし
)
がネ
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
「そんな人があるから、いけないんですよ。——それからまだ面白い事があるの。
此間
(
こないだ
)
だれか、あの方の
所
(
とこ
)
へ
艶書
(
えんしょ
)
を送ったものがあるんだって」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
誰でも、
此間
(
こないだ
)
釣ツたのは大きかツたといふですが、実際先日挙げたのは、尺余りあツて、随分見事でした。此れ等は、また、さう大きい方で無いです。
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
「
嬢々
(
おつかさん
)
はたつた
此間
(
こないだ
)
無くなりました。ニユウ、イングランドから来た旅商人と喧嘩をして、余り
怒
(
おこ
)
つたので、卒中とかいふ病を
発
(
おこ
)
したのだといふことです。」
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
「へ、そうでござんしたかね。」と、母親は
此間
(
こないだ
)
中の疲れが出て、肩や腰が痛いと言って、座敷の隅の方に蒲団を延べて
按摩
(
あんま
)
に療治をさせながら、いい心持に寝入っていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
だもんだから、東京の方を方々聞合して、
此間
(
こないだ
)
やう/\手紙を寄越したんです。僕が歸らなければ母も死ぬんです。これから歸つて、母を養はなければならないんです。學校はもう止めです。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そこに
此間
(
こないだ
)
名刺を置いて歩いたとき見て置いた鳥屋がある。そこで
牝鶏
(
めんどり
)
を一羽買って、伏籠を職人に注文して貰うように頼んだ。鳥は羽の色の真白な、むくむくと太ったのを見立てて買った。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それとも又その面が
此間
(
こないだ
)
の震災で焼失していたらどうであろう。
所感
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「で、
此間
(
こないだ
)
から、飮むものも飮まずに、せつせと溜めましたよ」
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お
疾
(
はよ
)
うございましたこと、何は、あの
此間
(
こないだ
)
から行って見たいッて、おっしゃってでした、俤橋、
海晏寺
(
かいあんじ
)
や滝の川より見事だッて評判の、大塚の関戸のお邸とやらのもみじの方は、お廻りなすっていらっしゃいましたか。」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「雪岡さん、君は一体どんな考えでいたんです? つい
此間
(
こないだ
)
函根に行く前に奇麗に
此女
(
これ
)
と手を切って行ったんじゃありませんか」
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
さ「えゝ
私
(
あたし
)
ア是まで
寸白
(
すばく
)
を知りませんよ、それに
此間
(
こないだ
)
は又結構なお
香物
(
こう/\
)
をくだすって有難うございました、あれさ、お重ねよう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
だから今生き残っている兄から、つい
此間
(
こないだ
)
、うちの姉達が芝居に行った当時の様子を聴いた時には驚ろいたのである。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
マア本田さん聞ておくんなさい、
真個
(
ほんと
)
にあの児の
銭遣
(
ぜにづか
)
いの荒いのにも困りますよ。
此間
(
こないだ
)
ネ試験の始まる前に来て、一円前借して持ッてッたんですよ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「それより
此間
(
こないだ
)
貸した銭返してくれ。利子は十八銭や、——なにッ! 十八銭が高い? もういっぺん言うてみイ」
わが町
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
此間
(
こないだ
)
、お茶屋の旦那の引懸けたのなどは、引いては縦ち、引いては縦ち、幾ら痿やそうとしても、痿えないでしよう。やや暫くかかって漸く
抄
(
すく
)
い上げて見ると、大きな塩鮭程なのでしょう。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
軟派の一人が、何か近い処で好い物を発見したというような事を言う。そんなら今から
往
(
い
)
こうというものがある。
此間
(
こないだ
)
門限の五分前に出ようとして留められたが、まだ十五分あるから大丈夫出られる。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
永「
此奴
(
こいつ
)
此間
(
こないだ
)
三両貸せてえから貸したが返さぬで、袈裟文庫、
何
(
なん
)
じゃえ、出家の身の上で十両などと、
汝
(
われ
)
が身に何で金が
入
(
い
)
る」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ちょうど好いとこどした。
此間
(
こないだ
)
から私も見て知らん顔はしていましたけど、一遍お話を聴いてみたいと思うてたのどす」
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「オヤ
何人
(
どなた
)
かと思ッたらお珍らしいこと、
此間
(
こないだ
)
はさっぱりお見限りですネ。マアお
這入
(
はいん
)
なさいナ、それとも
老婆
(
ばばア
)
ばかりじゃアお
厭
(
いや
)
かネ、オホホホホホ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
此間
(
こないだ
)
宅
(
うち
)
へ行ったら、
門司
(
もじ
)
の
叔父
(
おじ
)
に会いましてね。随分驚ろいちまいました。まだ台湾にいるのかと思ったら、何時の間にか帰って来ているんですもの」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それより、
此間
(
こないだ
)
貸した銭返してくれ。利子は十八銭や。——なにッ? 十八銭が高い?」
わが町
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「うむ。ある。
此間
(
こないだ
)
行って見たのだ」
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
幸「どうか願います、お近いから近日柳島の宅へ一度来てください、
漸々
(
よう/\
)
此間
(
こないだ
)
普請
(
ふしん
)
が出来上ったばかりだから、種々誂えたいものがあります」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
此間
(
こないだ
)
社に来て、
昨夜
(
ゆうべ
)
耽溺をして来た、と言っていたと聞いたから、はあ
此奴
(
こいつ
)
は屹度桜木に行ったなと思ったから、直ぐ行って聞いて見てやった。」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「この羽織はつい
此間
(
こないだ
)
拵
(
こしら
)
えたばかりなんだよ。だからむやみに汚して帰ると、
妻
(
さい
)
に
叱
(
しか
)
られるからね。有難う」
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なんでもつい
此間
(
こないだ
)
籍を入れはって、仲良うやったはる言うことです。
わが町
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「
妻
(
さい
)
は
此間
(
こないだ
)
死んだ。」
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
兼「お嬢様、重さんが
家根屋
(
やねや
)
さんを連れて来ましたよ、
此間
(
こないだ
)
あなたに
愛憎尽
(
あいそづか
)
しを云ったのを悪いと思って来たのでしょう」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此間
(
こないだ
)
の晩もあるのに、あんまり来ようが遅いから、来たら
些
(
ちょい
)
と
口説
(
くぜつ
)
を言ってやろう、それでも最う来るだろうから、一つ寝入った風をしていてやれ
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
お嫁に行くとき買ってやらない代りに、今に買ってやるって、
此間
(
こないだ
)
からそう云ってたのよ。だからそのつもりでくれたんでしょうおおかた。心配しないでもいいわ
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
男「
此間
(
こないだ
)
君が
己
(
おれ
)
の
宅
(
うち
)
へ、まア鍋焼饂飩屋の姿で、ずか/\入って来たから、奉公人も驚き、僕も困ったじゃアないか」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此間
(
こないだ
)
中から大阪などへ行っていて留守ではなかろうか。大阪には一人深くあの女を思っている男があるのだ。……自分が女を初めて知った時の夏であった。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「なに、つい
此間
(
こないだ
)
さ。今日で二週間になるか、ならないぐらいのものだろう」
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此間
(
こないだ
)
も
佐吉
(
さきち
)
の野郎が水を汲んで喧嘩をしやした、恰でお筆さんは手を
下
(
おろ
)
す事もないが、佐吉の野郎が
助倍
(
すけべい
)
な奴で
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「もう
此間
(
こないだ
)
から何かこれには深いわけがあるにちがいないから、母親のおらんところで、とっくり姉さんの腹を一遍訊いてみたいと思うてたら、私の想像したとおりやった」
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「ええ、つい
此間
(
こないだ
)
生れたばかりです」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
月「お村はん、今お
母
(
っか
)
はんに三浦屋の御舎さんの事を話したのだが、
諾
(
うん
)
とさえ云えば大した事になるのだよ、
嘸
(
さぞ
)
此間
(
こないだ
)
からお前に
種々
(
いろ/\
)
な事を云うだろうね」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もう
此間
(
こないだ
)
から訊こう訊こうと思って、幾度もいい出しかけては、差し控えていた、女の借金が今どうなっているか、また自分が長い間仕送った金が、その借金を減らすために
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「
此間
(
こないだ
)
買ったの」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此間
(
こないだ
)
も
甚公
(
じんこう
)
の野郎が涙を
溢
(
こぼ
)
し
乍
(
なが
)
ら、あの
娘
(
こ
)
は泥坊なぞをする様な者じゃアねえ
彼様
(
あん
)
な娘はねえって
然
(
そ
)
う云ってた
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ええ
此間
(
こないだ
)
初めて一遍会いました」
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「
此間
(
こないだ
)
買つたの」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
幸い
好
(
い
)
い花がありましたからお花を
手向
(
たむ
)
けましたが、お墓に向いましてなア、実に残念でございまして、
何
(
なん
)
だか
此間
(
こないだ
)
まで富/\と仰しゃったお方がまアどうも
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
新「まだ研ぎようを本当に知りませんが、
此間
(
こないだ
)
お百姓が来た時聞いて教わったばかりでまだ研がないので」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と云って
此家
(
こゝ
)
を出る訳にも
往
(
ゆ
)
かず、何うかして茂之助が死ねば
宜
(
い
)
いと思って居るのに、中々
悪達者
(
わるだっしゃ
)
で死なゝいのだよ、
此間
(
こないだ
)
もお
腹
(
はら
)
が
甚
(
ひど
)
く痛むと云うから、宜い塩梅だ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“此間”で始まる語句
此間中
此間違