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根性
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こんじょう
ふりがな文庫
“
根性
(
こんじょう
)” の例文
某
(
それがし
)
年来
桑門
(
そうもん
)
同様の渡世致しおり候えども、
根性
(
こんじょう
)
は元の武士なれば、死後の
名聞
(
みょうもん
)
の儀もっとも大切に存じ、この遺書
相認
(
あいしたため
)
置き候事に候。
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「あのむすめはあんなにぎょうぎがわるいし、ひとにものもやらない
根性
(
こんじょう
)
まがりのねたみやだから、なにをやったらいいだろう。」
森のなかの三人の小人
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
かくいったからとて人間の心の中に
唯物
(
ゆいぶつ
)
的
拝金
(
はいきん
)
的
卑屈
(
ひくつ
)
なる
根性
(
こんじょう
)
があって、体の制裁によって心が左右さるるものだと断言することは出来ぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
仮面打
(
めんう
)
ち
根性
(
こんじょう
)
と申しましょうか。どのようなお人へも、ぼんやりとただお顔を見てはいられないのでございまする。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしあの
発作
(
ほっさ
)
以後ますますヒステリックに
根性
(
こんじょう
)
のひねくれてしまった葉子は、手紙を読んだ瞬間にこれは造り事だと思い込まないではいられなかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
いよいよ牡蠣の
根性
(
こんじょう
)
をあらわしている。しばらくすると下女が来て
寒月
(
かんげつ
)
さんがおいでになりましたという。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お力の家は隣り
町
(
ちょう
)
の倉田屋という瀬戸物屋で、甲州屋とはふだんから心安く交際しているのであるが、倉田屋の女房はひどく
見得坊
(
みえぼう
)
で、おまけに
僻
(
ひが
)
み
根性
(
こんじょう
)
が強くて
半七捕物帳:35 半七先生
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「あああ、困ったことだ、お前の
僻
(
ひが
)
み
根性
(
こんじょう
)
は骨まで
沁
(
し
)
み込んでしまっているのだ、情けないことだ」
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ただ私は、愛情に対しては、つけあがり、怒りに対しては、ただちに
膝
(
ひざ
)
を
屈
(
くっ
)
するような君らの奴隷
根性
(
こんじょう
)
が、なさけなくて、じっとしてはいられない気持ちがするのだ——
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
が、
酒呑
(
さけのみ
)
根性
(
こんじょう
)
で、今一盃と云わぬばかりに、猪口の底に少しばかり残っていた酒を一息に吸い乾してすぐとその猪口を細君の前に
突
(
つ
)
き出した。その手はなんとなく
危
(
あやう
)
げであった。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その時のぼくの
先生
(
せんせい
)
のオリバー
教授
(
きょうじゅ
)
というのは、じつに
根性
(
こんじょう
)
のまがった男で、
学者
(
がくしゃ
)
のくせに
学問
(
がくもん
)
や
実験
(
じっけん
)
に身を入れないで、
世間
(
せけん
)
のひょうばんや
名声
(
めいせい
)
ばかりに気をとられているのだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
その官吏はチベット人で私の事をよく知っている。なかなか
根性
(
こんじょう
)
の悪い男ですから油断はならぬのみならず、またミス・テーラーに付いて居る下僕もやはり私と
知合
(
しりあい
)
の人間である。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
人の
根性
(
こんじょう
)
を産むようであるが、この関西
殊
(
こと
)
に大阪の温気によって成人した大阪人は
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
けれどもにいさんは目が
見
(
み
)
えない上に、ひがみ
根性
(
こんじょう
)
が
強
(
つよ
)
かったものですから
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
オンドリは前に集まっているトロ族たちを
煽動
(
せんどう
)
した。さっきまでは彼は平和愛好者のような顔をしていたのに、今はもうがらりと変って煽動者をつとめている。なんという
卑
(
いや
)
しい
根性
(
こんじょう
)
の持主だろう。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「きさまもまだ
根性
(
こんじょう
)
がかわっておらんッ。」
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
怒
(
おこ
)
ったのさ、ちょっとくらい、おれにだってかしてくれてもいいだろう。
命
(
いのち
)
がけで、いくさのもようをさぐってきてやったんだぜ、そんな
根性
(
こんじょう
)
の悪いことを
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼に転宿する
余裕
(
よゆう
)
ありしゆえ、心の独立を失わなかったが、この余力なき人はますます
根性
(
こんじょう
)
が
卑屈
(
ひくつ
)
となる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
これは自分の顔に飯が食いたいような
根性
(
こんじょう
)
が幾分かあらわれたためか、または十九年来の予期に反した起きたなり飯抜きの
出立
(
しゅったつ
)
に、自然不平の色が出ていたためだろう。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
根性
(
こんじょう
)
っ
骨
(
ぽね
)
の強い正直な人たちだったので、すべての激しい運命を真正面から受け取って、骨身を惜しまず働いていたから、曲がったなりにも今日今日を事欠かずに過ごしているのだ。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
あの毒悪な
根性
(
こんじょう
)
は全く常識をはずれている。純然たる気じるしに
極
(
きま
)
ってる。第五は金田君の番だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
表題
(
ひょうだい
)
の心の独立と体の独立ということもその一つである。僕が友人に対して
俺
(
おれ
)
の
飯
(
めし
)
を食いながら反対するのはけしからんという一
喝
(
かつ
)
は、たしかに僕の
根性
(
こんじょう
)
の
曲
(
きょく
)
を
曝露
(
ばくろ
)
する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
疑ぐる自分も同時に疑がわずにはいられない
性質
(
たち
)
だから、結局
他
(
ひと
)
に話をする時にもどっちと
判然
(
はっきり
)
したところが云い
悪
(
にく
)
くなるが、もしそれが本当に僕の
僻
(
ひが
)
み
根性
(
こんじょう
)
だとすれば
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
奇麗な顔をして、
下卑
(
げび
)
た事ばかりやってる。それも金がない奴だと、自分だけで済むのだが、身分がいいと困る。下卑た
根性
(
こんじょう
)
を社会全体に
蔓延
(
まんえん
)
させるからね。大変な害毒だ。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の反対の活力消耗と名づけておいた道楽
根性
(
こんじょう
)
の方もまた自由わがままのできる限りを尽して、これまた瞬時の絶間なく天然自然と発達しつつとめどもなく前進するのである。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
虫さえ
厭
(
いと
)
う美人の
根性
(
こんじょう
)
を
透見
(
とうけん
)
して、毒蛇の
化身
(
けしん
)
すなわちこれ
天女
(
てんにょ
)
なりと判断し得たる
刹那
(
せつな
)
に、その罪悪は同程度の他の罪悪よりも一層
怖
(
おそ
)
るべき感じを引き起す。全く人間の諷語であるからだ。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ハハハハ
根性
(
こんじょう
)
はこれよりまだ堕落しているんだ。驚いちゃいけない」
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“根性(
機根
)”の解説
機根(きこん)とは、仏の教えを聞いて修行しえる能力のこと。また仏の教えを理解する度量・器のことで、さらには衆生の各人の性格をいう。一般にいう根性は、この機根に由来する言葉である。
(出典:Wikipedia)
根
常用漢字
小3
部首:⽊
10画
性
常用漢字
小5
部首:⼼
8画
“根”で始まる語句
根
根柢
根方
根元
根本
根太
根気
根岸
根津
根生