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挙
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あげ
ふりがな文庫
“
挙
(
あげ
)” の例文
旧字:
擧
また電車の乗客街上の通行人は兵卒ならざれば士官ばかりという有様に、私はいつも世を
挙
(
あげ
)
て悉く陸軍たるが如き感を深くする。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
抑
(
そも
)
〻、将門少年の日より、名籍を太政大殿に奉ずる今に十数年、相国摂政の世に、思はざりき、かゝる
匪事
(
ひじ
)
を
挙
(
あげ
)
られんとは。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
サタイアをもユーモアをも適宜に備ふるものは多くあれど、情熱を欠くが故に真正の詩人たらざるもの
挙
(
あげ
)
て数ふべからず。
情熱
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
○さて口上いひ出て寺へ
寄進
(
きしん
)
の物、あるひは役者へ
贈物
(
おくるもの
)
、餅酒のるゐ一々人の名を
挙
(
あげ
)
、
品
(
しな
)
を
呼
(
よび
)
て
披露
(
ひろう
)
し、此処忠臣蔵七段目はじまりといひて
幕
(
まく
)
開
(
ひらく
)
。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
余はここにおいて根本的に文学とは如何なるものぞといへる問題を解釈せんと決心したり。同時に余る一年を
挙
(
あげ
)
てこの問題の研究の第一期に利用せんとの念を生じたり。
『文学論』序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
人生終局の目的とは
如何
(
いかん
)
、
罪人
(
つみびと
)
は罪を
洗去
(
あらいさ
)
るの途あるや、
如何
(
いか
)
にして純清に達し得べきか、これらの問題は今は余の全心を奪い去れり、しかして眼を
挙
(
あげ
)
て天上を望めば
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
障子が
端手
(
はした
)
なくガラリと
開
(
あ
)
いたから、ヒョイと
面
(
かお
)
を
挙
(
あげ
)
ると、白い若い女の顔——とだけで、其以上の細かい処は分らなかったが、何しろ
先刻
(
さっき
)
取次に出たのとは違う白い若い女の顔と
衝着
(
ぶつか
)
った。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
あなたの
次
(
つい
)
で結婚をおしになる女性に就いていろ/\なことを書いてありました。数人の名を
挙
(
あげ
)
て批判を下したり、私の希望を述べたりしたのでした。思へば思ふ程滑稽な瞑想者でした、私は。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
始
(
はじめ
)
には越後の
諸勝
(
しよしよう
)
を
尽
(
つく
)
さんと思ひしが、
越地
(
ゑつち
)
に入し
後
(
のち
)
、
年
(
とし
)
稍
(
やゝ
)
侵
(
しん
)
して
穀価
(
こくか
)
貴踊
(
きよう
)
し人心
穏
(
おだやか
)
ならず、ゆゑに越地を
践
(
ふむ
)
こと
僅
(
わづか
)
に十が一なり。しかれども
旅中
(
りよちゆう
)
に於て
耳目
(
じもく
)
を
新
(
あらた
)
にせし事を
挙
(
あげ
)
て此書に
増修
(
そうしう
)
す。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
手近い例を
挙
(
あげ
)
ると、人間の犯罪心理というものは、実に
詰
(
つま
)
らない……又は全然、何の関係もないと思われる暗示のお蔭で、意想外に大きな刺戟を与えられている場合が、非常に多いものである。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
吾人
(
われら
)
は今文明急流の中に舟を棹しつゝあり、只順風に帆を
挙
(
あげ
)
て、自然に其運行に任すべきか、
抑
(
そ
)
も
預
(
あらか
)
じめ向て進むべき標的を一定し置くべきか、
若
(
も
)
し此
儘
(
まゝ
)
に盲進するも、前程に於て、渦流、暗礁
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
これこの家の後見が、
渠
(
かれ
)
を
挙
(
あげ
)
て綾子の世継とせんずる内意あるによる。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一方の指揮となれば其任
愈
(
いよいよ
)
重く、必死に勤めけるが
仕合
(
しあわせ
)
に
弾丸
(
たま
)
をも受けず皆々
凱陣
(
がいじん
)
の暁、
其方
(
そのほう
)
器量学問見所あり、
何某
(
なにがし
)
大使に従って外国に行き何々の制度
能々
(
よくよく
)
取調べ帰朝せば重く
挙
(
あげ
)
用
(
もちい
)
らるべしとの事
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
浮世絵は実にその名の示すが如く社会百般の事
挙
(
あげ
)
て描かずといふ事なし。政治経済の事は二枚続または三枚続の諷刺画となりて販売せられぬ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
○さて口上いひ出て寺へ
寄進
(
きしん
)
の物、あるひは役者へ
贈物
(
おくるもの
)
、餅酒のるゐ一々人の名を
挙
(
あげ
)
、
品
(
しな
)
を
呼
(
よび
)
て
披露
(
ひろう
)
し、此処忠臣蔵七段目はじまりといひて
幕
(
まく
)
開
(
ひらく
)
。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
天下を
挙
(
あげ
)
て物質的文明の輸入に狂奔せしめ、すべての主観的思想は、旧きは混沌の中に長夜の眠を
貪
(
むさぼ
)
り、新らしきは春草未だ萌え
出
(
いづ
)
るに及ばずして、モーゼなきイスラヱル人は荒原の中にさすらひて
明治文学管見:(日本文学史骨)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
なほ
近古
(
きんこ
)
食類
(
しよくるゐ
)
の
起原
(
きげん
)
さま/″\あれど
余
(
よ
)
が
食物
(
しよくもつ
)
沿革考
(
えんかくかう
)
に上古より
挙
(
あげ
)
てしるしたればこゝにはもらせり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
明治年間向島の地を愛してここに林泉を経営し邸宅を築造した者は
尠
(
すくな
)
くない。
思出
(
おもいいづ
)
るがままにわたくしの知るものを
挙
(
あげ
)
れば、華族には
榎本梁川
(
えのもとりょうせん
)
がある。学者には
依田学海
(
よだがっかい
)
、成島柳北がある。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
挙
(
あげ
)
て数ふべからざるなり。
復讐・戦争・自殺
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
なほ
近古
(
きんこ
)
食類
(
しよくるゐ
)
の
起原
(
きげん
)
さま/″\あれど
余
(
よ
)
が
食物
(
しよくもつ
)
沿革考
(
えんかくかう
)
に上古より
挙
(
あげ
)
てしるしたればこゝにはもらせり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その一ツを
挙
(
あげ
)
てこゝに
記
(
しる
)
し、
寸雪
(
すんせつ
)
の
雪吹
(
ふゞき
)
のやさしきを
観
(
みる
)
人の
為
(
ため
)
に
丈雪
(
ぢやうせつ
)
の雪吹の
愕眙
(
おそろしき
)
を
示
(
しめ
)
す。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
○本朝
文粋
(
ぶんすゐ
)
に
挙
(
あげ
)
たる大江
匡衡
(
まさひら
)
の文に「天満自在天神或は塩
二
梅於天下
(
てんかをあんばいして
)
一
輔導一人
(
いちにんをほだうし
)
一
(帝の御こと)或
日
二
月於天上
てんしやうにじつげつして
一
照
二
臨万民
(
まんみんをせうりんす
)
一
就
レ
中
(
なかんづく
)
文道之大祖
(
ぶんだうのたいそ
)
風月之本主
(
ふうげつのほんしゆ
)
也
(
なり
)
」
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
挙
常用漢字
小4
部首:⼿
10画
“挙”を含む語句
挙動
挙止
検挙
枚挙
挙措
言挙
軽挙
挙手
一挙
科挙
列挙
湯河板挙
取挙
挙家
挙世
春挙
挙句
応挙
選挙
暴挙
...