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おしぬぐ
ふりがな文庫
“
押拭
(
おしぬぐ
)” の例文
賣てとかき
口説
(
くどき
)
親子の
恩愛
(
おんあい
)
孝
(
かう
)
と
慈
(
じ
)
と
暫時
(
しばし
)
は
果
(
はて
)
も無りけり
漸々
(
やう/\
)
にして
妻
(
つま
)
お安は
落
(
おつ
)
る
泪
(
なみだ
)
を
押拭
(
おしぬぐ
)
ひ
夫程迄
(
それほどまで
)
に親を思ひ
傾城遊女
(
けいせいいうぢよ
)
と成とても今の難儀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『あゝ、
夢
(
ゆめ
)
ではありますまいか、
之
(
これ
)
が
夢
(
ゆめ
)
でなかつたら、どんなに
嬉
(
うれ
)
しいんでせう。』と、
止
(
とゞ
)
め
兼
(
かね
)
たる
喜悦
(
よろこび
)
の
涙
(
なみだ
)
をソツと
紅絹
(
くれない
)
の
手巾
(
ハンカチーフ
)
に
押拭
(
おしぬぐ
)
ふ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「まあ眉間から血が出て。」と
懐紙
(
ふところがみ
)
にて
押拭
(
おしぬぐ
)
う、優しさと深切が骨身に
浸
(
し
)
みこむ、鉄はぶるぶる。「もう、可うございます。いえもう何ともありません。」と
後退
(
あとずさり
)
。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「豊世にも食わせてやると好かった」と森彦は懐をひろげて、胸のあたりに流れる汗を
押拭
(
おしぬぐ
)
った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
妻はしゃがんだままで時々
頬
(
ほお
)
に来る蚊をたたき殺しながら泣いていた。三尺ほどの穴を掘り終ると仁右衛門は鍬の手を休めて額の汗を手の甲で
押拭
(
おしぬぐ
)
った。夏の夜は静かだった。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
なに、かまうものか、場合が場合だ、
面
(
つら
)
押拭
(
おしぬぐ
)
って自分で申しあげることにしよう。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
と横に倒れて
唯泣
(
ひたなき
)
に泣きけるが、力無げに起直り赤めたる眼を袖にて
押拭
(
おしぬぐ
)
いて、
件
(
くだん
)
の人形に打向い
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
知らせければ早速娘夫婦は來りて
死骸
(
しがい
)
を
檢
(
あらた
)
めし後お粂はお菊に向ひ母樣が變死の
樣子
(
やうす
)
仔細ぞ有ん
如何
(
いかゞ
)
なりと問ばお菊は涙を
押拭
(
おしぬぐ
)
ひ私し
留守
(
るす
)
の中に此如く
成行
(
なりゆき
)
給ひしと答へしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
冷い水道の水はお雪を
蘇生
(
いきかえ
)
るようにさせた。彼女は額の汗をも
押拭
(
おしぬぐ
)
った。
箪笥
(
たんす
)
の上には、家のものがかわるがわる行く姿見がある。彼女はその前に立った。細い
黄楊
(
つげ
)
の
鬢掻
(
びんかき
)
を両方の耳の上に差した。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
我
(
わが
)
艦長松島海軍大佐
(
かんちやうまつしまかいぐんたいさ
)
は、
流
(
なが
)
るゝ
汗
(
あせ
)
を
押拭
(
おしぬぐ
)
ひつゝ、
滿顏
(
まんがん
)
に
微笑
(
びせう
)
を
湛
(
たゝ
)
えて
一顧
(
いつこ
)
すると、
忽
(
たちま
)
ち
起
(
おこ
)
る「
君
(
きみ
)
が
代
(
よ
)
」の
軍樂
(
ぐんがく
)
、
妙
(
たえ
)
に
勇
(
いさ
)
ましき
其
(
その
)
ひゞきは、
印度洋
(
インドやう
)
の
波
(
なみ
)
も
躍
(
をど
)
らんばかり、
我
(
わが
)
軍艦
(
ぐんかん
)
「
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
」の
士官
(
しくわん
)
水兵
(
すいへい
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
叩
(
たゝ
)
きければ八五郎は飛でいで
先生
(
せんせい
)
樣子
(
やうす
)
は如何やと云ながら門の戸
引明
(
ひきあ
)
ければ後藤は
汗
(
あせ
)
を
押拭
(
おしぬぐ
)
ひ
如何
(
いかゞ
)
處
(
どころ
)
か誠に危き事なり亭主貴樣の云し通り今一ト
足
(
あし
)
遲
(
おそ
)
いと間に合ぬ處なりしが
丁度
(
ちやうど
)
間
(
ま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
烟草
(
たばこ
)
を差置き、唇を両三度
手巾
(
ハンケチ
)
にて
押拭
(
おしぬぐ
)
い、その手をすぐに返して
髯
(
ひげ
)
を
扱
(
しご
)
く。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
捨吉は額の汗を
押拭
(
おしぬぐ
)
って見て、顔を紅めた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
急
(
いそ
)
ぎ
眼
(
め
)
を
押拭
(
おしぬぐ
)
つて
見
(
み
)
たが、
矢張
(
やはり
)
其人
(
そのひと
)
※
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と
押拭
(
おしぬぐ
)
い、またおしぬぐう。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
押
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
拭
常用漢字
中学
部首:⼿
9画
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