“おしぬぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
押拭81.8%
推拭18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「まあ眉間から血が出て。」と懐紙ふところがみにて押拭おしぬぐう、優しさと深切が骨身にみこむ、鉄はぶるぶる。「もう、可うございます。いえもう何ともありません。」と後退あとずさり
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「豊世にも食わせてやると好かった」と森彦は懐をひろげて、胸のあたりに流れる汗を押拭おしぬぐった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さて徐に一歩を行きては一歩を返しつつ、いとど思に沈みては、折々涙をも推拭おしぬぐひつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
辞半ことばなかばにそっとまぶた推拭おしぬぐえり。
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
に母は自ら言へりし如く、板挾いたばさみの難局に立てるなれば、ひたすら事あらせじと、誠の一図に直道をさとすなりき。彼は涙の催すにへずして、鼻目鏡はなめがねを取捨てて目を推拭おしぬぐひつつ猶むせびゐたりしが
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)