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怯
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おびや
ふりがな文庫
“
怯
(
おびや
)” の例文
温泉
(
をんせん
)
に
行
(
ゆ
)
かうとして、
菊屋
(
きくや
)
の
廣袖
(
どてら
)
に
着換
(
きか
)
へるに
附
(
つ
)
けても、
途中
(
とちう
)
の
胴震
(
どうぶる
)
ひの
留
(
と
)
まらなかつたまで、
彼
(
かれ
)
は
少
(
すく
)
なからず
怯
(
おびや
)
かされたのである。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼はそれらの余震になおも
怯
(
おびや
)
かされながら、しかし次第に、露台のまわりでうるさいくらい
囀
(
さえず
)
りだした小鳥たちの
口真似
(
くちまね
)
をしてみたり
恢復期
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
月影蒼い夜な夜な群れて襲って来る狼などの物凄い吠え声に
怯
(
おびや
)
かされながら、こうして蕃界奥地の生活がジョンソンの上に始まったのであった。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『いよいよ敵打ちの時期が近づきました』などと変に
怯
(
おびや
)
かすように申されますと余りいい気持もいたしません。
機密の魅惑
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
さうしてそのなかには醜さといふよりも
寧
(
むし
)
ろ故もなく
凄然
(
せいぜん
)
たるものがあつた。この家の新らしい主人は、木の蔭に佇んで、この廃園の夏に見入つた。さて何かに
怯
(
おびや
)
かされてゐるのを感じた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
最々後に、絶対の危険を冒す全世界の放れ業だ、と
怯
(
おびや
)
かして、裸身の犠牲の
脳頭
(
のうてん
)
を狙う時は、必ず、うしろ向きになるんだよ。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
次々に
彼奴
(
きゃつ
)
を
怯
(
おびや
)
かさなければならない。……だんだんに彼奴の罪悪を、彼奴と世間とへ暴露しなければならない。……暴露戦術というやつがある。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これも夜中には幽霊じみて、旅人を
怯
(
おびや
)
かそう。——
夜泣松
(
よなきまつ
)
というのが
丘下
(
おかした
)
の山の
出端
(
でばな
)
に、黙った
烏
(
からす
)
のように羽を重ねた。
若菜のうち
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これも柄から手を放して、冷やかな態度で立ち向かったが、その冷やかな態度の中には、吸血鬼的の
凄味
(
すごみ
)
があって、相手を
怯
(
おびや
)
かすに足るものがあった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
怪
(
け
)
しからん。鳥の羽に
怯
(
おびや
)
かされた、と一の谷に
遁込
(
にげこ
)
んだが、
緋
(
ひ
)
の
袴
(
はかま
)
まじりに
鵯越
(
ひよどりご
)
えを
逆寄
(
さかよ
)
せに盛返す……となると、お才さんはまだ帰らなかった。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
急速に刑殺されましょう! ……
如
(
し
)
かずそれよりも我らが方より、急速に
出
(
い
)
で機先を制し、萩丸殿の首を斬り、それをひっさげて紀州に潜入し、紀州公を
怯
(
おびや
)
かし、破獄して同志を奪還いたすこそ
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「その怪しいものの方でも、手をかえ、品をかえ、
怯
(
おびや
)
かす。——何かその……畳がひとりでに持上りますそうでありますが、まったくでございますかな。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今度は浪人は
怯
(
おびや
)
かされたらしい、思わず二、三歩後へ下がった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
やがて
報知新聞
(
はうちしんぶん
)
の
記者
(
きしや
)
、いまは
代議士
(
だいぎし
)
である、
田中萬逸君
(
たなかまんいつくん
)
その
人
(
ひと
)
である。
反對黨
(
はんたいたう
)
は、ひやかしてやるがいゝ。が、その
夜
(
よ
)
、もう
一度
(
いちど
)
怯
(
おびや
)
かされた。
眞夜中
(
まよなか
)
である。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「はあ、蚊帳を抱く大入道、夜中に山霧が
這込
(
はいこ
)
んでも、目をまわすほど
怯
(
おびや
)
かされる、よくあるやつじゃ。」
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
われら一類が
為
(
な
)
す
業
(
わざ
)
に
怯
(
おびや
)
かされて、その者、心を破り、気を
傷
(
きずつ
)
け、身を
損
(
そこな
)
えば、おのずから引いて、我等修業の
妨
(
さまたげ
)
となり、従うて罪の
障
(
さわり
)
となって、実は
大
(
おおい
)
に迷惑いたす。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
百人一首
(
ひやくにんいつしゆ
)
のお
孃
(
ぢやう
)
さんの、「いくのの
道
(
みち
)
」もそれか、と
辿
(
たど
)
つて、はる/″\と
來
(
き
)
た
城崎
(
きのさき
)
で、
佐渡
(
さど
)
の
沖
(
おき
)
へ
船
(
ふね
)
が
飛
(
と
)
んで、キラリと
飛魚
(
とびうを
)
が
刎出
(
はねだ
)
したから、きたなくも
怯
(
おびや
)
かされたのである。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
狼、のしのしと出でてうかがうに、老いさらぼいたるものなれば、
金魚麩
(
きんぎょぶ
)
のようにて
欲
(
ほし
)
くもあらねど、吠えても
嗅
(
か
)
いでみても恐れぬが
癪
(
しやく
)
に障りて、毎夜のごとく小屋をまわりて
怯
(
おびや
)
かす。
遠野の奇聞
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
江戸の宗家も、本山も、当国古市において、一人で兼ねたり、という
勢
(
いきおい
)
で、自ら
宗山
(
そうざん
)
と
名告
(
なの
)
る
天狗
(
てんぐ
)
。高慢も高慢だが、また出来る事も出来る。……東京の本場から、誰も来て
怯
(
おびや
)
かされた。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
試みに山伏の
言
(
ことば
)
を繰返して、まさしく、
怯
(
おびや
)
かされたに相違ないと思った。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と番頭の
膝
(
ひざ
)
を
敲
(
たた
)
いたのには、少分の茶代を出したばかりの記者は、少からず
怯
(
おびや
)
かされた。が、乗りかかった船で、一台
大
(
おおい
)
に
驕
(
おご
)
った。——主人が沼津の町へ私用がある。——そこで同車で乗出した。
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これにまた少なからず
怯
(
おびや
)
かされて
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
怯
漢検準1級
部首:⼼
8画
“怯”を含む語句
卑怯
卑怯者
怯気
怯々
怯懦
気怯
物怯
勇怯
怯者
聞怯
御卑怯
怯勇
怯々然
心怯
氣怯
卑怯至極
悪怯
怯弱
怯気々々
怯惰
...