徹底てつてい)” の例文
へば、あたまから青痰あをたんきかけられても、かねさへにぎらせたら、ほく/\よろこんでるといふ徹底てつていした守錢奴しゆせんどぶりだ。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
さうして一ぱうには全國ぜんこく此方針このはうしん實行じつかうせしむるために、らゆる手段しゆだんつたのであるが、さいはひにこのことは國民こくみん歡迎くわんげいされて徹底てつていしたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
そして其後そのご現在げんざいいたるまで、本統ほんたうのコスモポリニズムはわたし心中しんちうそうそう徹底てつていきたつてゐるのである。
このてんにおいて支那しなはさすがに徹底てつていしてゐる。如何いかなる場合ばあひにも姓名せいめい轉倒てんたうするやうなえんじない。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
火山かざん噴火ふんか鳴動めいどう神業かみわざかんがへたのは日本につぽんばかりではないが、とく日本につぽんにおいてはそれがなり徹底てつていしてゐる。まづ第一だいゝちに、噴火口ふんかこうかみたまへる靈場れいじよう心得こゝろえたことである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
平次もポンポン言ひましたが、ガラツ八の徹底てつていした呑氣さには腹を立てる張合もありません。
これは、マルクス主義よりは徹底てつていした理窟だよ。そこでだ、女の理想は何か? 子孫をふやすこと。が、こりや理想ぢやない。女の理想は、人間生活のあぶらとなり石炭となり食糧となることだ。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
……覺束おぼつかながると、つかひに女中ぢよちう元氣げんきかほして、花屋はなやになければむか土手どてつて、ばかりでもつぺしよつてませうよ、といつた。いふことが、天變てんぺんによつてきたへられて徹底てつていしてゐる。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
近間に居る月見船が二三せき、この騷ぎに寄つて來ましたが、無事に救ひ上げられた樣子を見ると、この頃の町人は『事勿れ主義』に徹底てつていして、別段口をきく者もありません。
同郷どうきやう』『同藩どうはん』といふことから何等なんら利益りえき保護ほごけなくなるとともに、日本國内にほんこくないけるわたしのコスモポリタニズムはいよ/\徹底てつていしてゐたが、世界列國せかいれつこくといふものにたいしては
よろしく自國じこく言語げんご尊重そんてうしてくまでこれを徹底てつていせしむるの覺悟かくごがなければならぬ。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
日本銀行にほんぎんかう卸賣おろしうり物價指數ぶつかしすうると戰前せんぜんを百として昨年さくねんぐわつには百七十六・三一であつて戰前せんぜんより七わりなほ騰貴とうきしてつたのであるが、政府財政せいふざいせい緊縮きんしゆく國民こくみん消費節約せうひせつやく徹底てつていしたのと
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
磯五郎と北六の居る荒物屋といふのは、老夫婦の内職のやうな小さい店で、その二階に住んで居る磯五郎と北六は、よくもこれで人間が暮らせると思ふやうな徹底てつていした簡易生活です。
大黒屋徳右衞門はんな事を平氣で言ひきれる程徹底てつていした男でした。