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容赦
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ようしや
ふりがな文庫
“
容赦
(
ようしや
)” の例文
「お聞きの通り、その娘は拙者が親元になつて、近々嫁入りさす筈になつて居る。無法なことを召さると
容赦
(
ようしや
)
はいたさんぞ」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
世間
(
せけん
)
は
容赦
(
ようしや
)
なく
彼等
(
かれら
)
に
徳義上
(
とくぎじやう
)
の
罪
(
つみ
)
を
脊負
(
しよは
)
した。
然
(
しか
)
し
彼等
(
かれら
)
自身
(
じしん
)
は
徳義上
(
とくぎじやう
)
の
良心
(
りやうしん
)
に
責
(
せ
)
められる
前
(
まへ
)
に、
一旦
(
いつたん
)
茫然
(
ばうぜん
)
として、
彼等
(
かれら
)
の
頭
(
あたま
)
が
確
(
たしか
)
であるかを
疑
(
うたが
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
併
(
しか
)
し此の居候のお蔭で将門は段〻罪を大きくした。興世王の言を聞くと、もとより
焔硝
(
えんせう
)
は
沢山
(
たくさん
)
に
籠
(
こも
)
つて居た
大筒
(
おほづゝ
)
だから、口火がついては
容赦
(
ようしや
)
は無い。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
千代松は笑ひながらそれを追うて、引つ捕へると、
容赦
(
ようしや
)
なく母の病室の中へ押し込み、自分も引き添うて入つた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ゆき子を道づれにして、
容赦
(
ようしや
)
なく、女の思ひ出の伴奏者になりおほせてはゐるものの、ゆき子の持ち逃げした金にも、多少の魅力はあつたかも知れない。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
▼ もっと見る
武は
容赦
(
ようしや
)
なくグイと頭を
引
(
ひつ
)
こませる、鱒どのも飛んだ
粗相
(
そさう
)
をしたと気がついて、食ひついた
処
(
ところ
)
をはなす其途端にバシヤリと音して、鱒は舟の
中
(
なか
)
の
擒
(
とりこ
)
となり升た。
鼻で鱒を釣つた話(実事)
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
兄は大体が身綺麗にしたがる性質で、用もないから朝から湯で時間をつぶしていつまでも洗つた上に、肌に直接つけるものと来ては、垢の跡ひとつも
容赦
(
ようしや
)
しなかつた。
現代詩
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
弓矢の上にこそ武士の譽はあれ、兩刀捨てて世を捨てて、悟り顏なる悴を左衞門は持たざるぞ。
上氣
(
じやうき
)
の沙汰ならば
容赦
(
ようしや
)
もせん、
性根
(
しやうね
)
を据ゑて、不所存のほど
過
(
あやま
)
つたと言はぬかツ
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
春
(
はる
)
は
冬
(
ふゆ
)
に
遠
(
とほ
)
くして
又
(
また
)
冬
(
ふゆ
)
と
相
(
あひ
)
隣
(
となり
)
して
居
(
ゐ
)
る。
季節
(
きせつ
)
の
變化
(
へんくわ
)
を
反覆
(
くりかへ
)
しつゝ
月日
(
つきひ
)
は
容赦
(
ようしや
)
なく
推移
(
すゐい
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
舌
(
した
)
を
噛
(
か
)
んで、
背中合
(
せなかあは
)
せに
倒
(
たふ
)
れたまゝ、
唸
(
うめ
)
く
聲
(
こゑ
)
さへ
幽
(
かすか
)
な
處
(
ところ
)
、
何
(
なに
)
、
人間
(
にんげん
)
なりとて
容赦
(
ようしや
)
すべき。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
もはや
容赦
(
ようしや
)
は相成らぬ。
番町皿屋敷
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
若くて張りきつてゐて、お茂與憎さで一パイになつて居るから情けも
容赦
(
ようしや
)
もない。お茂與は見事に自分の掘つた穴に落ち込んで死んで了つたのさ
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此
(
この
)
二三
年
(
ねん
)
の
月日
(
つきひ
)
で
漸
(
やうや
)
く
癒
(
なほ
)
り
掛
(
か
)
けた
創口
(
きずぐち
)
が、
急
(
きふ
)
に
疼
(
うづ
)
き
始
(
はじ
)
めた。
疼
(
うづ
)
くに
伴
(
つ
)
れて
熱
(
ほて
)
つて
來
(
き
)
た。
再
(
ふたゝ
)
び
創口
(
きずぐち
)
が
裂
(
さ
)
けて、
毒
(
どく
)
のある
風
(
かぜ
)
が
容赦
(
ようしや
)
なく
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
みさうになつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
人波
(
ひとなみ
)
打
(
う
)
てる狹き道をば、
容赦
(
ようしや
)
もなく
蹴散
(
けちら
)
し、指して行衞は北鳥羽の方、いづこと問へど人は知らず、平家一門の
邸宅
(
ていたく
)
、武士の
宿所
(
しゆくしよ
)
、殘りなく火中にあれども消し止めんとする人の影見えず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「金のことになると、やかましい主人でございました。五文十文の違ひでも、決して
容赦
(
ようしや
)
しなかつた方で」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「正直一
途
(
づ
)
の男でございます。自分が曲つたことをしない代り、人の曲つたことも
容赦
(
ようしや
)
しないといつた」
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
物事に
容赦
(
ようしや
)
のない性格が、飛んだ
怨
(
うらみ
)
を買つたのかもわかりません。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の態度は峻烈で少しの
容赦
(
ようしや
)
もありません。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よし、此上は
容赦
(
ようしや
)
しねえ。女來い」
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昔
氣質
(
かたぎ
)
で、
容赦
(
ようしや
)
がありません。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“容赦”の意味
《名詞》
容赦(ようしゃ)
赦すこと。許容すること。
(「用捨」とも書く。)控えること。遠慮すること。
(出典:Wiktionary)
容
常用漢字
小5
部首:⼧
10画
赦
常用漢字
中学
部首:⾚
11画
“容”で始まる語句
容
容貌
容易
容子
容色
容姿
容喙
容体
容態
容器