トップ
>
奸計
>
かんけい
ふりがな文庫
“
奸計
(
かんけい
)” の例文
「まだ悪人の
奸計
(
かんけい
)
とおさとりなく、愚かな後悔に恋々とご苦悶あるか。悲しい哉、わが主君は、死ななければ目の醒めないお人だ」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一人大岡越前守のみ夫が
邪曲
(
じやきよく
)
を
窺
(
うかゞ
)
ひ
知
(
しり
)
身命
(
しんめい
)
を
投打
(
なげうち
)
て
既往
(
きわう
)
今來
(
こんらい
)
を尋ね遂に
奸計
(
かんけい
)
を
看破
(
みやぶ
)
つて
處刑
(
しよけい
)
せしといふ
有名
(
いうめい
)
の談話にて
斯
(
かゝ
)
る奸物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その結果確かに毛沼博士の憎むべき
奸計
(
かんけい
)
であることが分ったのです。K病院では整形外科の手術室のすぐ前に産室があります。
血液型殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「ウン。それに違いないのだ。ちょうど姉歯早川組の
奸計
(
かんけい
)
と、両親の
勘当
(
かんどう
)
とで、板挟みになって死んだ訳だナ」
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もうこの事件の最初から、これには何か卑劣な
奸計
(
かんけい
)
があるのじゃないかと、僕は疑問をいだいていたのです。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
▼ もっと見る
「先生、それでは、北沢氏自身が、二人を罪に陥れるために、そのような
奸計
(
かんけい
)
をめぐらしたのでしょうか」
闘争
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
一人の若い偉大なフランスの芸術家を圧倒するために、
手筈
(
てはず
)
が定められ
奸計
(
かんけい
)
がめぐらされたと報じていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そして『西洋の国々と同じく、ここにもやはり
醜
(
みにく
)
い生存競争があり、常々不義や
奸計
(
かんけい
)
が行われている』
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「父上樣、御心配を相かけ申譯も御座いません。林太郎は召仕などと
逐電
(
ちくでん
)
はいたしません。それなる堀周吉の
奸計
(
かんけい
)
に陷り、唯今まで獸類に等しき扱ひを受けました」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この時だった! 堅人で通っていた質屋久兵衛の頭へ、万破れることのない
奸計
(
かんけい
)
が浮んだのは。
早耳三次捕物聞書:03 浮世芝居女看板
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
かく
奸計
(
かんけい
)
をめぐらしたる由をくわしく述べ、かつ、罪をゆるされんことを願ったそうだ。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
先生だからこそあいつらの
奸計
(
かんけい
)
を見破ってくだすったのです。蘭子はいずれこんなことになる運命でした。先生の御助力がなければ、あれの死期がいくらか遅れたかもしれません。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私は、それらを、みんな、人々が心を合わして、私を惑わしている
奸計
(
かんけい
)
だと思った。
小さな山羊の記録
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
あなたの
奸計
(
かんけい
)
が因をなして、宮田君が行方不明になりました。生きて帰ってくれるかどうか、我々にはわかりません。宮田君が無事であってくれれば、我々もまた帰って来るつもりです。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
表裏異心のともがらの
奸計
(
かんけい
)
に陥入り、
俄
(
にわか
)
に寄する
数万
(
すまん
)
の敵、味方は総州征伐のためのみの出先の小勢、ほかに援兵無ければ、先ず公方をば筒井へ落しまいらせ、十三歳の若君
尚慶
(
ひさよし
)
殿ともあるものを
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それで兄は西沢を
庇
(
かば
)
おうとし、逆に西沢の
奸計
(
かんけい
)
にかけられたのだ。
ちくしょう谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そしてブリュジョンの
奸計
(
かんけい
)
を
頓挫
(
とんざ
)
せしめたものと思った。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
あまつさえ
奸計
(
かんけい
)
をめぐらしてこれを陥れようと企む。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
今日、それがしを向けて、あなたに
和睦
(
わぼく
)
を乞わしめようとする曹操の本志は、和議にあらず、ただ民心の
怨嗟
(
えんさ
)
を
転嫁
(
てんか
)
せんための
奸計
(
かんけい
)
です。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長庵と改めて
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
當
(
あて
)
は無れど
忙
(
いそが
)
し
振
(
ぶり
)
に
歩行
(
あるき
)
廻りければ相應に
病家
(
びやうか
)
も出來たるにぞ長庵今は己れ
名醫
(
めいい
)
にでも成し心にて
辯舌
(
べんぜつ
)
奸計
(
かんけい
)
を以て
富家
(
ふうか
)
より金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「父上様、御心配を相かけ申し訳もございません。林太郎は召使などと逐電はいたしません。それなる堀周吉の
奸計
(
かんけい
)
に陥り、ただ今まで獣類に等しき扱いを受けました」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
老人がその粗雑なくだらない
奸計
(
かんけい
)
を、
無駄
(
むだ
)
に頭からしぼり出しつくすのを放っておいた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
それをなんぞや! 腕でかなわず、この
奸計
(
かんけい
)
におとし入るるとは、卑怯千万……!
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「いゝえ!
妾
(
わたくし
)
は、そうは思いません。」瑠璃子は、
昂然
(
こうぜん
)
として父の言葉を遮ぎった。「荘田のやりましたような
奸計
(
かんけい
)
を
廻
(
めぐ
)
らしたならば、どんな人間をだって、罪に
陥
(
おと
)
すことは容易だと思います。 ...
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
少しの油断から丈五郎の
奸計
(
かんけい
)
に陥り、双生児と同じ監禁の身の上となった。非常に厳重な見張りだから、到底急に逃げ出す見込みはない。だが、僕よりも心配なのは君だ。君は他人だから一層危険だ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
聞お光
破談
(
はだん
)
の事の原因はやう/\
解
(
わか
)
りし物ながら
怒
(
いかり
)
に堪ぬは家主が其
奸計
(
かんけい
)
は
口惜
(
くちをし
)
き如何はせんと計りにて涙に
暮
(
くる
)
る女氣の袖を
濕
(
しめ
)
らせゐたりしが
稍
(
やゝ
)
有
(
あ
)
つて顏を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
また
某
(
それがし
)
は、
佐分利
(
さぶり
)
五郎次でござる、すでにごぞんじであろうが、ざんねんながら、
伊那丸与党
(
いなまるよとう
)
の
奸計
(
かんけい
)
にかかり、主君の
梅雪
(
ばいせつ
)
は
討
(
う
)
たれ、われわれ四
天王
(
てんのう
)
のうちたる
天野
(
あまの
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ナニ? そうか。イヤそうだろうと思った。伊賀の暴れん坊とも言われるあの若君にかぎって、丹波などの
奸計
(
かんけい
)
におちいるお方ではないのだ。それはめでたい、めでたい。すぐさまお迎えに!」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
なぜといえば官兵衛は、主命をおびて、
伊丹城
(
いたみじょう
)
に
赴
(
おもむ
)
き、村重が
卑劣
(
ひれつ
)
なる
奸計
(
かんけい
)
に陥ちて
幽囚
(
ゆうしゅう
)
されたもの。正邪な歴々、天下の衆目、誰か彼を曲として憎まぬものあろうや。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、そのまま使者に会ったが、書面のうちにある
和睦
(
わぼく
)
を乞うという主旨は、敵の
奸計
(
かんけい
)
とにらんで
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ゆえに、万一彼の
奸計
(
かんけい
)
におち入ってはと存じ、部下の者の深入りを止めたまでのことである
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紛擾
(
ふんじょう
)
をきわめている一方では、
徳川方
(
とくがわがた
)
のそんな
奸計
(
かんけい
)
を、
夢
(
ゆめ
)
にも知ろうはずがない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奸計
(
かんけい
)
をめぐらして、復讐しようとつけ狙っている者がないとはいえない。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奸
漢検1級
部首:⼥
6画
計
常用漢字
小2
部首:⾔
9画
“奸”で始まる語句
奸策
奸智
奸
奸悪
奸賊
奸物
奸佞
奸雄
奸臣
奸譎