外部ぐわいぶ)” の例文
外部ぐわいぶだとか、内部ないぶだとか……。いやわたくしには然云さういことすこしもわからんです。わたくしつてゐることたゞ是丈これだけです。』と、かれ立上たちあがり、おこつた院長ゐんちやうにらける。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なるほど外部ぐわいぶからひと生活状態せいくわつじやうたいると至極しごく景氣けいきいやうにえるけれども其状態そのじやうたいがどれだけつゞくかとふことをかんがへてると、到底たうていながつゞるものではない。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
えうするにかれぐらゐ年輩ねんぱい青年せいねんが、一人前いちにんまへ人間にんげんになる楷梯かいていとして、をさむべきことつとむべきことには、内部ないぶ動搖どうえうやら、外部ぐわいぶ束縛そくばくやらで、一切いつさいかなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかはる季節きせつ地上ちじやう草木さうもくつた時、どれほどしろしもむすんでも草木さうもく活力くわつりよくうごいてまぬごとく、おつぎのこゝろ外部ぐわいぶからくはへる監督かんとくもつうばることは出來できない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
くうくう」だとか、内部ないぶだとか、外部ぐわいぶだとか、苦痛くつうや、たいする輕蔑けいべつだとか、眞正しんせいなる幸福かうふくだとか、と那麼言草こんないひぐさは、みなロシヤの怠惰者なまけもの適當てきたうしてゐる哲學てつがくです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
言語げんご動作は何処どこても同じであつた。外部ぐわいぶから見ると、其所そこが大変能くあにの誠吾に似てゐた。だから、よくらない人は、此兄弟の性質を、全く同一型に属するものと信じてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
水疱すゐはうはいつかやぶれて糜爛びらんした患部くわんぶを、あぶらるからいとはしくきたなくしてた。んだ細胞さいぼうしたからあざやかにあかはじめた肉芽にくげ外部ぐわいぶ刺戟しげきたいしてすこしの抵抗力ていかうりよくつてない細胞さいぼうあつまりである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)