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四時
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しじ
ふりがな文庫
“
四時
(
しじ
)” の例文
国境の山、赤く、黄に、
峰岳
(
みねたけ
)
を重ねて
爛
(
ただ
)
れた奥に、白蓮の花、玉の
掌
(
たなそこ
)
ほどに白く
聳
(
そび
)
えたのは、
四時
(
しじ
)
に雪を頂いて幾万年の
白山
(
はくさん
)
じゃ。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
壁には
四幅
(
しふく
)
の
金花箋
(
きんかせん
)
を貼って、その上に詩が題してある。詩体はどうも
蘇東坡
(
そとうば
)
の
四時
(
しじ
)
の
詞
(
し
)
に
傚
(
なら
)
ったものらしい。書は確かに
趙松雪
(
ちょうしょうせつ
)
を学んだと思う筆法である。
奇遇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その画面は絵巻物を繰りひろぐるが如く上巻より下巻まで連続して春夏秋冬の
四時
(
しじ
)
に
渉
(
わた
)
る隅田川両岸の風光を一覧せしむ。開巻第一に現れ
来
(
きた
)
る光景は
高輪
(
たかなわ
)
の
夜明
(
よあけ
)
なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
酉陽雑俎
(
いうやうざつそ
)
に
云
(
いふ
)
、
熊胆
(
ゆうたん
)
春は
首
(
くび
)
に
在
(
あ
)
り、夏は
腹
(
はら
)
に在り、秋は左の足にあり、冬は右の足にありといへり。
余
(
よ
)
試
(
こゝろみ
)
に
猟師
(
かりうど
)
にこれを
問
(
とひ
)
しに、
熊
(
くま
)
の
胆
(
きも
)
は常に
腹
(
はら
)
にありて
四時
(
しじ
)
同じといへり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
四時
(
しじ
)
が
徐
(
おもむ
)
ろにそのまわりに移り変って行きます。風雨がこれを洗い、雷電がこれにはためきかかり、地震がこれをゆすぶりつつ、これを楽しませ、
威
(
おど
)
かし、励ましております。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
パンダヌス(小笠原島
辺
(
へん
)
の
章魚
(
たこ
)
の
木
(
き
)
)その他
椰子類
(
やしるい
)
等はその主なるものにて、これを
点綴
(
てんせつ
)
せる各種の珍花名木は常に
妍
(
けん
)
を競い美を闘わし、一度
凋落
(
ちょうらく
)
すれば他花に換え、
四時
(
しじ
)
の美観断ゆる事なし。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
国境の山、赤く、黄に、
峰
(
みね
)
嶽
(
たけ
)
を重ねて
爛
(
ただ
)
れた奥に、
白蓮
(
びゃくれん
)
の花、玉の
掌
(
たなそこ
)
ほどに白く
聳
(
そび
)
えたのは、
四時
(
しじ
)
に雪を頂いて
幾万年
(
いくまんねん
)
の
白山
(
はくさん
)
ぢや。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
酉陽雑俎
(
いうやうざつそ
)
に
云
(
いふ
)
、
熊胆
(
ゆうたん
)
春は
首
(
くび
)
に
在
(
あ
)
り、夏は
腹
(
はら
)
に在り、秋は左の足にあり、冬は右の足にありといへり。
余
(
よ
)
試
(
こゝろみ
)
に
猟師
(
かりうど
)
にこれを
問
(
とひ
)
しに、
熊
(
くま
)
の
胆
(
きも
)
は常に
腹
(
はら
)
にありて
四時
(
しじ
)
同じといへり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
また思ふに西洋支那の食卓共に華麗荘厳の趣あれども
四時
(
しじ
)
を通じてその模様大抵同じきが如く、その料理とこれを盛る食器との調和対照に意を用ゆる事我国の如く甚しからざるに似たり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
然
(
しか
)
れども
此
(
こ
)
の
白晝
(
はくちう
)
横行
(
わうぎやう
)
の
惡魔
(
あくま
)
は、
四時
(
しじ
)
恆
(
つね
)
に
在
(
あ
)
る
者
(
もの
)
にはあらず。
或
(
あるひ
)
は
週
(
しう
)
を
隔
(
へだ
)
てて
歸
(
かへ
)
り、
或
(
あるひ
)
は
月
(
つき
)
をおきて
來
(
きた
)
る。
其
(
その
)
去
(
さ
)
る
時
(
とき
)
來
(
きた
)
る
時
(
とき
)
、
進退
(
しんたい
)
常
(
つね
)
に
頗
(
すこぶ
)
る
奇
(
き
)
なり。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蘭房別占四時春
蘭房
(
らんぼう
)
は
別
(
わけ
)
ても
占
(
し
)
む
四時
(
しじ
)
の春
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
たゞ
斷
(
ことわ
)
つて
置
(
お
)
くが、その
搖
(
ゆる
)
る
篝火
(
かゞりび
)
の
如
(
ごと
)
き、
大紅玉
(
だいこうぎよく
)
を
抱
(
いだ
)
いた
彼
(
か
)
のをんなは、
四時
(
しじ
)
ともに
殺生禁斷
(
せつしやうきんだん
)
のはずである。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
たゞし、
四時
(
しじ
)
常
(
つね
)
にあるにあらず、
年
(
とし
)
の
暮
(
くれ
)
に
霰
(
あられ
)
に
漬
(
つ
)
けて、
早春
(
さうしゆん
)
の
御馳走
(
ごちそう
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
三峰
(
さんぽう
)
あり、南を
別山
(
べつざん
)
とし、北を
大汝嶽
(
おおなんじだけ
)
とし、中央を
御前峰
(
ごぜんがみね
)
とす。……
後
(
うしろ
)
に
剣峰
(
けんがみね
)
あり、その
状
(
さま
)
、
五剣
(
ごけん
)
を
植
(
うう
)
るが如し、皆
四時
(
しじ
)
雪を
戴
(
いただ
)
く。山中に
千仞瀑
(
せんじんだき
)
あり。御前峰の絶壁に
懸
(
かか
)
る。
美女坂
(
びじょざか
)
より
遥
(
はるか
)
に
看
(
み
)
るべし。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“四時”の意味
《名詞1》
一年の四つの季節。春夏秋冬。
一ヶ月の四つの時期。朔、弦、望、晦。
一日の四つの時。朝、昼、暮、夜。
《名詞2》
一日の長さをニ十四に分割した時間で、はじめから数えて五番目または十七番目。
《名詞3》
昔の時刻で、現在の午前十時、または午後十時ごろ。
(出典:Wiktionary)
四
常用漢字
小1
部首:⼞
5画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“四時”で始まる語句
四時頃
四時過