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些
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ちよつ
ふりがな文庫
“
些
(
ちよつ
)” の例文
『え。渡辺
様
(
さん
)
といふお友達の家に参りましたが、その方の兄さんとお親い方だとかで……アノ、
些
(
ちよつ
)
とお目に懸つたんで御座います。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『ぢや、エウゲニイ、フエオドロヰチでも
此處
(
こゝ
)
へ
呼
(
よ
)
んで
來
(
こ
)
い、
些
(
ちよつ
)
と
俺
(
おれ
)
が
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れツて
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
然
(
さ
)
う
云
(
い
)
へ……
些
(
ちよつ
)
とで
可
(
い
)
いからツて!』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「蒲田は如才ないね。
面
(
つら
)
は
醜
(
まづ
)
いがあの呼吸で行くから、往々拾ひ物を為るのだ。ああ
言
(
いは
)
れて見ると
誰
(
たれ
)
でも
些
(
ちよつ
)
と憎くないからね」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
板橋
通
(
がよひ
)
のがたくり馬車が
辻
(
つじ
)
を曲りかけてけたゝましく
鈴
(
べる
)
を鳴らしてゐた。俥、荷車、荷馬車、其が三方から集ツて來て、此處で
些
(
ちよつ
)
と停滞する。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『
奇妙々々
(
きめう/\
)
!』と
愛
(
あい
)
ちやんが
叫
(
さけ
)
びました(
非常
(
ひじやう
)
に
驚
(
おどろ
)
いた
爲
(
ため
)
に
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つて
可
(
い
)
いか
些
(
ちよつ
)
と
解
(
わか
)
らず)『
今
(
いま
)
私
(
わたし
)
は一
番
(
ばん
)
大
(
おほ
)
きい
望遠鏡
(
ばうゑんきやう
)
のやうに、
何時
(
いつ
)
も
外
(
そと
)
へ
向
(
む
)
いたッきりだわ!
左樣
(
さやう
)
なら、 ...
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
男は
些
(
ちよつ
)
と
足淀
(
あしよどみ
)
して、直ぐまた私の立つてゐる前を医者の方へ駈け出した。其何秒時の間に、藤野さんの変つた態が、よく私の目に映つた。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「ええ、解つてゐらつしやりながら
些
(
ちよつ
)
ともお解りにならないのですから、私も
益
(
ますま
)
す解らなくなりますですから、さう思つてゐらつしやいまし」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「何ツて、もう
晝寢
(
ひるね
)
をする時節でもないでせう。」と皮肉に謂ツて、「私、
些
(
ちよつ
)
と本郷まで行ツて來ますよ。」
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『
肺
(
はい
)
の
方
(
はう
)
から
來
(
き
)
た
病人
(
びやうにん
)
なのですがな。』とハヾトフは
小聲
(
こごゑ
)
で
云
(
い
)
ふた。『や、
私
(
わたし
)
は
聽診器
(
ちやうしんき
)
を
忘
(
わす
)
れて
來
(
き
)
た、
直
(
す
)
ぐ
取
(
と
)
つて
來
(
き
)
ますから、
些
(
ちよつ
)
と
貴方
(
あなた
)
は
此處
(
こゝ
)
でお
待
(
ま
)
ち
下
(
くだ
)
さい。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
門を出て右へ曲ると、智恵子は
些
(
ちよつ
)
と学校を振返つて見て、『
気障
(
きざ
)
な
男
(
ひと
)
だ。』と心に言つた。故もない
微笑
(
ほほゑみ
)
がチラリと口元に漂ふ。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「さあ唯今
些
(
ちよつ
)
と手が放せませんので、御殿の方に居りますから、どうか
彼方
(
あちら
)
へお出なすつて。
直
(
ぢき
)
其処
(
そこ
)
ですよ。婢に案内を為せます。あの
豊
(
とよ
)
や!」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
由三は何か此う別天地の空氣にでも觸れたやうな感じがして、
些
(
ちよつ
)
と氣が
浮
(
うは
)
ついた。またウソ/\と引返して電車
路
(
みち
)
に出る。ヤンワリと風が吹出した。埃が輕く立つ。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『
私
(
わたくし
)
は
中食後
(
ちゆうじきご
)
散歩
(
さんぽ
)
に
出掛
(
でか
)
けましたので、
些
(
ちよつ
)
と
立寄
(
たちよ
)
りましたのです。もう
全然
(
まるで
)
春
(
はる
)
です。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
主婦
(
おかみ
)
の奴が玉子酒を
拵
(
こしら
)
へてくれたもんですから、それ飲んで寝たら少し汗が出ましたねす。まだ底の方が
些
(
ちよつ
)
と痛みますどもねす。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
未
(
ま
)
だ/\有るが
些
(
ちよつ
)
と胸に
浮
(
うか
)
ばない、
先
(
ま
)
づ
這麼
(
こんな
)
風
(
ふう
)
に
業躰
(
げふてい
)
が違つて
居
(
ゐ
)
るのです、
而
(
さう
)
して、
後〻
(
のち/\
)
硯友社員
(
けんいうしやいん
)
として
文壇
(
ぶんだん
)
に立つた
川上眉山
(
かはかみびさん
)
、
巌谷小波
(
いはやせうは
)
、
江見水蔭
(
えみすゐいん
)
、
中村花痩
(
なかむらくわさう
)
、
広津柳浪
(
ひろつりうらう
)
、
渡部乙羽
(
わたなべおとは
)
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
二人は勝手への
隔
(
へだて
)
の敷居に両手を突いて、『お早エなつす。』を口の中だけに言つて挨拶をすると、お吉は可笑しさに
些
(
ちよつ
)
と横向いて笑つたが
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二人は勝手への
隔
(
へだて
)
の敷居に兩手を突いて、『お早エなつす。』を口の中だけに言つて、挨拶をすると、お吉は可笑しさに
些
(
ちよつ
)
と横向いて笑つたが
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と、
他所行
(
よそゆき
)
の衣服を着たお吉が勝手口から入つて来たので、お定は懐かしさに我を忘れて、『やあ』と声を出した。お吉は
些
(
ちよつ
)
と笑顔を作つたが
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『まあ
然
(
さ
)
うですか。
些
(
ちよつ
)
とお手紙にも
其麽
(
そんな
)
事があつたつて、新太郎が言つてましたがね。お前さん達、まあ遠い所をよくお出になつたことねえ。
眞
(
ほんと
)
に。』
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『まあ然うですか。
些
(
ちよつ
)
とお手紙にも
其麽
(
そんな
)
事があつたつて、新太郎が言つてましたがね。お前さん達、まあ遠い所をよくお出になつたことねえ。
真
(
ほんと
)
に。』
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『え、
些
(
ちよつ
)
と歩いて見ませう。』と、酒臭い息を涼しい空に吹く。月の無い頃で、其処此処に星がチラついた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして、私が水を注いでやつた時、
些
(
ちよつ
)
と
叩頭
(
おじぎ
)
をするのは藤野さん一人であつた。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして狹い床の間に
些
(
ちよつ
)
と腰掛けて、三言四言お愛想を言つて降りて行つた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
で、何處までも末頼母しい情人の樣に、態度をくづさず女の傍に
密接
(
くつつ
)
いて歩きながら滿心の得意が、それだけで足らず、
些
(
ちよつ
)
と
流盻
(
ながしめ
)
を使つて洋裝の二人連を見た。
其麼
(
どんな
)
顏をしてけつかるだらうと思つて。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と言つて、
些
(
ちよつ
)
と校長に
流盻
(
よこめ
)
を
与
(
く
)
れた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
些
漢検準1級
部首:⼆
7画
“些”を含む語句
些少
些々
些事
些細
些末
些子
些程
些中
些細事
露些
一些事
今些
些額
些許
些計
些箇
些末事
些末主義
些技
些小
...