門違かどちが)” の例文
そのお怨みはお門違かどちがいでござンしょう。ねえ、主人持ちのかなしさに、わっしはただ、いいつけられたことを真ッ正直に承るだけのこッてすぜ。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ええ、辛抱しんぼうしますとも、夜中よなかンなろうが、けようが、ここは滅多めったうごくンじゃないけれど、おまえがもしか門違かどちがいで、おせんのうちでもないひとの……
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
女「お前さんねえ、只今おっしゃった事を主人へ申しましたら、そう云うお方は此方こちらへはいらっしゃいませんが、門違かどちがいではないかとの事でございますよ」
うかゞふにあかりの氣も見えず能々よく/\見るに表の戸に貸店かしだないふ紙札かみふだ貼付はりつけある故是は門違かどちがひせしかと四邊あたり見廻みまはすに間違ひにもあらず吾助は何分不審ふしんはれねば直樣すぐさま家主方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ところがあくる日になつて姉の様子が急に変つてゐるんで、木場は初て其門違かどちがひを知つたんださうですが、もうどうする事もできず、結婚と云ふ事になつたのです。
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
... 今に君が家でももったら妹に命じて君の御妻君ごさいくんに教えて進ぜよう」大原は失望の気味「イヤそれは少しお門違かどちがい、僕は御令妹の調理された者をたべたいのが志願だね」
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「君は実演童話と創作童話を混同しているのではないか。ストオリイの面白味なら実演童話に求めたまえ。われわれの創作童話にそれを求めて来るのはお門違かどちがいである」
童話における物語性の喪失 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
わたくしのようなあの住人じゅうにん食物しょくもつ衣類いるいなどにつきてとおとおむかしおもがたりをいたすのはなにやらお門違かどちがいをしているようで、何分なにぶんにも興味きょうみらないでこまってしまいます……。
「お、気味が悪い。人の膝なんかゆすぶりやがって、金の相談なら引受けるが、情事いろごとの相談はお門違かどちがいだよ。たってきたかったら明神様の境内けいだいにいる、白いひげ小父おじさんに訊くがい」
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「何の御用ですか聞いてごらん、お門違かどちがいではございませんかと尋ねてごらん」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「僕は柾木愛造じゃないんだからね。そんな話はちとお門違かどちがいだろうぜ」
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
狩野博士の門違かどちがひ1・15(夕)
「それがわしを迎えに来たとは変な話、何か、門違かどちがいをしているのではないか」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日君のお名吟めいぎんは恐れ入りましたな、なんとか申したな、えゝと「煙草には燧火すりびのむまし梅のなか」とは感服々々、僕などのような横着者おうちゃくものは出る句も矢張り横着で「梅ほめてまぎらかしけり門違かどちがい」
「いいえ、お客様は、そんなはずがないと申しておりまして、とにかく御主人様にお目にかかった上で、お門違かどちがいならお門違いのようにお詫びを致しますからと言って動きませんのでございます」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
慥に見屆たり何所に居り候やおし下さる可しとたづねければ住持はきゝは以ての外のことながら然樣さやうな者は參らず定めて門違かどちがひに候はんと云ひつゝ見向みむきもせず般若心經はんにやしんきやうよんで居けるに否々いや/\是へ追込しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ぶたとマカロニ 春 第十一 門違かどちが
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「……存じません、お門違かどちがいじゃございませんか」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
冗談じょうだんじゃありません、そりゃお門違かどちがいですよ」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
マカロぶた 春 第十一 門違かどちが
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
おほせられます此方の家には兄だの大病人たいびやうにんだのと云は御座りません男衆も大勢ありますが旦那樣に若衆ばかり皆達者で居ります夫は大方おほかた門違かどちがひで御座りませうと申に長兵衞否々いや/\門違かどちがひにてはなし此方こつちの家は江戸屋清兵衞と云ならんと云を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「お門違かどちがいじゃございませんか」
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
豚饂飩ぶたうどん 春 第十一 門違かどちが
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「おや、門違かどちがいしたか?」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第十一 門違かどちが
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)