トップ
>
金糸
>
きんし
ふりがな文庫
“
金糸
(
きんし
)” の例文
旧字:
金絲
そうすると
色奴
(
いろやっこ
)
とか申してな、
下司
(
げす
)
下郎の
分際
(
ぶんざい
)
で
金糸
(
きんし
)
の縫いあるぴか/\した衣装で、お供に
後
(
おく
)
れたという見得で出てまいります
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
猩々緋
(
しょうじょうひ
)
の服の上に、もう
一重
(
ひとえ
)
草色
繻子
(
じゅす
)
の肩ぎぬを着ていたが、その背には「
劊
(
ひときり
)
」の一字が大紋みたいに
金糸
(
きんし
)
で
刺繍
(
ぬいとり
)
してあるのであった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「このマントに
金糸
(
きんし
)
、
銀糸
(
ぎんし
)
のぬいとりをおさせなさいませ。そうすれば、お姫さまのご
婚礼
(
こんれい
)
のマントになりましょう。」
なぞ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
二足で通り過ぎる
後
(
うしろ
)
には、背中へ黒い
繻子
(
しゅす
)
の四角な
片
(
きれ
)
をあてて、その真中にある
金糸
(
きんし
)
の
刺繍
(
ぬい
)
が、一度に日に浮いた。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
みなくの字なりに身を曲げ、背の中ほどまでも
截
(
き
)
りあけてみせたる貴婦人の
項
(
うなじ
)
、
金糸
(
きんし
)
の
縫模様
(
ぬいもよう
)
ある軍人の
襟
(
えり
)
、また
明色
(
ブロンド
)
の
高髻
(
たかまげ
)
などの間を王族の一行
過
(
よぎ
)
りたまふ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
赤いがいとうのえりのあたりに
金糸
(
きんし
)
のもようがあり、それに宝石が、たくさんついています。これも大僧正のきるガウンとそっくりの、きらびやかなものでした。
灰色の巨人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
黒天鵞絨
(
くろびろうど
)
に
金糸
(
きんし
)
銀糸
(
ぎんし
)
で
鯨波
(
げいは
)
を刺繍した
裃
(
かみしも
)
を着た美しい女の口上つかいが鯨の背に乗って口上をのべる。
顎十郎捕物帳:19 両国の大鯨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
黒き箪笥の
傍
(
そば
)
に、廊下より
入
(
い
)
り
来
(
く
)
るようになりおる入口あり。右手の壁の前には、窓に近き処に寝椅子あり。これに
絨緞
(
じゅうたん
)
を掛く。その上にはまた
金糸
(
きんし
)
の
繍
(
ぬい
)
ある派手なる
帛
(
きれ
)
を
拡
(
ひろ
)
げあり。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
斯
(
か
)
う云つて、クリツシイ
街
(
まち
)
の方へ
金糸
(
きんし
)
の光る
手提
(
サツク
)
を手にしながら行つて
仕舞
(
しま
)
つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
襦袢の襟に別にまたこれを
着
(
つ
)
く、
三枚襲
(
さんまいがさね
)
の外部にあらはるゝ服装にして、謂はば一種の襟飾なり。最も色合と模様は人々の好に因る、
金糸
(
きんし
)
にて縫ひたるもあり、縮緬、
綾子
(
りんず
)
、
絽
(
ろ
)
、等を用ふ。
当世女装一斑
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
帆づなの
金糸
(
きんし
)
をひくと、帆がひっくりかえって——アンポンタンは多分宝ものが沢山積んであるものだろうときめていたからよく見もしないで、
蜜柑
(
みかん
)
まきのみかんを拾うのに無中だったが
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
室
(
へや
)
の一方に輝き並んでいる
螺鈿
(
らでん
)
の茶棚、同じチャブ台、その上に居並ぶ銀の食器、上等の茶器、
金色
(
こんじき
)
燦然
(
さんぜん
)
たる大トランク、その上に置かれた
枝垂
(
しだ
)
れのベコニヤ、
印度
(
いんど
)
の宮殿を思わせる
金糸
(
きんし
)
の壁かけ
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
春の雨橋をわたらむ朝ならば君は
金糸
(
きんし
)
の
簑
(
みの
)
して行けな
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
雨ならば
金糸
(
きんし
)
の小
蓑
(
みの
)
、日には
跑
(
だく
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
金糸
(
きんし
)
のぬひはくにいろづいて
藍色の蟇
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
天鵞絨
(
ビロード
)
の襟にふくら雀の紋を
金糸
(
きんし
)
で縫わせたのを着て、見よがしに歩いてみたり——なにしろ藩中では、いや他藩までも
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女は、
金糸
(
きんし
)
で星がいくつもぬいとりしてある
面
(
かお
)
ぎぬを、ぱっとはらいのけて
死神の名づけ親(第二話)
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
あの錦襴も織りたては、あれほどのゆかしさも無かったろうに、
彩色
(
さいしき
)
が
褪
(
あ
)
せて、
金糸
(
きんし
)
が沈んで、
華麗
(
はで
)
なところが
滅
(
め
)
り込んで、渋いところがせり出して、あんないい調子になったのだと思う。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
黄色っぽい派手な縞お
召
(
めし
)
の着物に、
金糸
(
きんし
)
の光る帯をしめ、オレンジ色の羽織をきた早苗さんの、年にしては大柄な姿は、和服の少ないこの広間では非常に眼立って見えた。服装ばかりではない。
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
白茶地
(
しらちやぢ
)
に
金糸
(
きんし
)
の多い
色紙形
(
しきしがた
)
、
唐織
(
からおり
)
の帯も
眩
(
まばゆ
)
く
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
紫の裾模様の
小袖
(
こそで
)
に
金糸
(
きんし
)
の
刺繍
(
ぬい
)
が見える。袖から袖へ
幔幕
(
まんまく
)
の
綱
(
つな
)
を通して、虫干の時のように釣るした。袖は丸くて短かい。これが
元禄
(
げんろく
)
かと三四郎も気がついた。そのほかには絵がたくさんある。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
広い舞台裏の一隅に、旧劇用の
駕籠
(
かご
)
だとか、張りぼての
手水鉢
(
ちょうずばち
)
だとか、はげちょろの大木の幹などと一緒に、奇術用の大道具小道具が、天鵞絨や
金糸
(
きんし
)
銀糸
(
ぎんし
)
の
房飾
(
ふさかざ
)
り毒々しく、雑然と置き並べてある。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
稚子輪
(
ちごわ
)
に結った髪も、
曙染
(
あけぼのぞめ
)
の
袂
(
たもと
)
も、
金糸
(
きんし
)
の
繍
(
ぬい
)
も、
紫濃
(
むらご
)
の
袴
(
はかま
)
も、みんなお
揃
(
そろ
)
いであったが、元より山家の生ればかりなので、その袂で汗は拭く鼻くそはこする、せっかく化粧して貰った白粉も、
黛
(
まゆずみ
)
も
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“金糸(金銀糸)”の解説
金銀糸(きんぎんし)とは金糸(きんし)・銀糸(ぎんし)・ラメ糸などの総称である。
(出典:Wikipedia)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
糸
常用漢字
小1
部首:⽷
6画
“金糸”で始まる語句
金糸雀
金糸鳥
金糸堀
金糸工
金糸桃
金糸赤地
金糸銀糸
金糸線綉墩