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進捗
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しんちょく
ふりがな文庫
“
進捗
(
しんちょく
)” の例文
そうして各地の未知の友から受ける懇切な通信によって、如何に私の仕事が鼓舞せられ、かつ
進捗
(
しんちょく
)
されたかを表明せねばなりません。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
順次に
進捗
(
しんちょく
)
する出来事の助けを
藉
(
か
)
らずとも、単純に空間的なる絵画上の要件を
充
(
み
)
たしさえすれば、言語をもって
描
(
えが
)
き得るものと思う。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかるに経済社会の
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(
しんちょく
)
し
富財
(
ふざい
)
の
饒多
(
じょうた
)
となるに従って、昨日の
贅沢品
(
ぜいたくひん
)
も
今日
(
こんにち
)
は実用品と化し去り、贅沢品として愛翫せらるるものは
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
これらの調査がフォニックス市で
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(
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)
している間に、羅府では、ルウス・ジュッドの行方を求めて、未だに大騒動を演じている始末だ。
アリゾナの女虎
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
願書が
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(
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)
しているということ、裁判所の役人たちの機嫌がよくなったこと、だが仕事にはさまざまな大きな困難が直面していること
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
▼ もっと見る
会議は別段の
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(
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)
を示さず、これという名案も浮ばぬ様子であった。人々は段々口数が少くなっていた。三時には余す所一時間少しだ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
対話は極めて円滑に
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)
した。凡てに渉って三時間たてつづけに調べられたが、ようやく一通りのことは終ったと思う頃、伯爵がきいた。
彼は誰を殺したか
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
大物忌神社の祭神までが同じく倉稲魂神と変ったのも、一方に於ては平野の開拓が次第に
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(
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)
したことの傍証ともなる訳である。
二、三の山名について
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
しかも私の頭が一旦、煙突の問題を離れると、彼女の裏面の秘密に関する私の調査がグングン
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(
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)
し始めたのは重ね重ねの不思議であった。
けむりを吐かぬ煙突
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
難破船引揚業者
(
レッカー
)
」は順調に
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(
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)
しつつある。ロイドの他にイソベルという一層
叮嚀
(
ていねい
)
な筆記者が殖えたのは、大いに助かる。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
男子が年と共に前額部の禿げ上るのは当り前の事で、少しも異とするに及ばぬけれど、大隅君のは、他の学友に較べて目立って
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(
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)
が早かった。
佳日
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
冬の初めの或る日、水素の仕事も大分
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(
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)
していた頃のことである。先生は珍らしく少し興奮されたらしい
顔付
(
かおつき
)
で、実験室へはいって来られた。
寺田先生の追憶:――大学卒業前後の思い出――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「かぐ」ことなしにはいかなる実験も一歩も
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(
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)
することはあり得ない。うそだと思う人があらば世界の学界を一目でも見ればわかることである。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その著述はますます
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(
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)
し、遂に一六二五年に至って、二十年前より企てていた「平戦法規論」(De Jure Belli ac Pacis)
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
画業を
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(
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)
していることは、そっちからの新聞雑誌で見るばかりでなく、この間来たクルト・セリグマン氏の口からも、または横光利一さんの旅行文
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
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(
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)
せしむる自然の便益と〔按ずるに善き港湾に富むがごときの類〕および今日においてすでにその成就したるところの功績につき思考するときには
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
御城内へ出仕するわれわれにとっても、毎日、足もとが悪くて迷惑至極だ。その通行を
咎
(
とが
)
めるよりも、よく御評議あって、工事の
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(
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)
を早速になされよ。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歌声の絶えたのにも関係なく、彼の歌声の主への、「愛」は、勝手にそこまで
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(
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)
してしまっていたのである。
軍国歌謡集
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
ここまで跡をつけて来て路地のかげに身をひそめていた清岡は、万事があまりに都合好く
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(
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)
して行くので、このまま
中途
(
ちゅうと
)
から帰るわけには行かなくなった。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「え、とんでもない。仕事は、たいへんに
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(
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)
して居ります。ちと、こっちを
巡覧
(
じゅんらん
)
していただきましょう」
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
成功を祈る! 成功といふ字の意味は、
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(
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)
である。そこには一段々々踏みしめて行く手固い感じがある。
灰色の眼の女
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
さらに、一段
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(
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)
して、オトラント海峡の封鎖をみれば、もはや
伊太利
(
イタリー
)
艦隊は完全な苦戦である。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
博物館にある「猿」は、シカゴの博覧会に出す為に苦心してやっていたが、なかなかうまく
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(
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)
せず、谷中で荒彫をして、林町に越す時それを運んで、こちらで仕上げた。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
と文一君は僕の準備の
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(
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)
を尋ねるのでなくて、僕の油断の程度を探るようにも取れる。競争試験だから、他の不成績は自分の好成績と同じような願わしい効果を生じる。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかもこれがある程度まで
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(
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)
しているということは、もう疑う余地のない事実なんだ、われわれが今日まで探索したところでは、探索して得た資料を総合したところでは
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
しかし普通の慣例の如くに
然様
(
そう
)
いう社会事相を
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(
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)
させるには定基の愛着は余りにも深くて、力寿は死んで確かに我を捐てたけれども、我は力寿を捐つるには忍びなかった。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
区画整理のおいおい
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(
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)
すると共に、その姿を東京市内から消してしまって、わずかに場末の
破
(
や
)
れた垣根のあたりに、二、三本ぐらいずつ栽え残されているに過ぎなくなった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかる上は矢田部を向うへ廻してこれに対抗し大いに我が著書を
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(
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)
さすべしと決意し、そこではじめて多数の新種植物へ学名をつけ、欧文の記載を添え、続々とこれを書中に載せ
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
すると忽ちS子さんとごたごたして、私の知らないところで
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(
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)
して、事後報告をされて、S子さんは下宿代が送られなくて家がなくなったとさわいで、目白へ一緒に来たわけです。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
なんらかの意味において実際上の事の
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(
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)
をも
阻礙
(
そがい
)
するの結果になるだろう
広津氏に答う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
どう説明するって? 何も説明するがものはないじゃないか——わかりきった話だ! 少なくとも、事件を
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(
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)
さすべき経路は
明瞭
(
めいりょう
)
で、ちゃんと証明されてるよ。つまり、箱がそれを証明したのさ。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
同様以上に掘下げ工作が
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(
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)
しているはずなのですが、この方は最初から、うんだともつぶれたともお銀様に向って挨拶は無く、お銀様もまた、最初から、とんとこの方はおかまいなしの
体
(
てい
)
でしたが
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
今民藝美術館を企てるに至って、またその仕事が
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(
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)
するにつれて、私は一層工藝のギルドが実現せらるべきだという信念を強めている。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
しあわせな事には世の中では論理的の証明はわりに要求されないで、オーソリティの証言が代用されそのおかげで物事が渋滞なく
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(
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)
するのであろう。
自画像
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
一向に
進捗
(
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)
せず、河野の知り合いの村の巡査の話を聞いて見ても、素人の私達でさえ
歯痒
(
はがゆ
)
くなるほどでありました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
着々
(
ちゃくちゃく
)
、
画業
(
がぎょう
)
を
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(
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)
していることは、そっちからの新聞雑誌で見るばかりでなく、この間来たクルト・セリグマン氏の口からも、または横光
利一
(
りいち
)
さんの旅行文
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と、さきに
一捷
(
いっしょう
)
を
掴
(
かく
)
した秀吉から、
謙譲
(
けんじょう
)
を示したことが、まず非常に、会議の
進捗
(
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)
を円滑にしたのである。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二年ほど前から近江の
湖
(
うみ
)
べりに新たに工を起された宮居の
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(
しんちょく
)
ぶりや規模などについての情報が、しだいにはつきりした形をとりつつ飛鳥のうちに弘まるにつれて
春泥:『白鳳』第一部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
碩儒
(
せきじゅ
)
の
淵叢
(
えんそう
)
たるゲルマン帝国のごとき、その政治ははたして人民の幸福を
進捗
(
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)
するに足るか。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
自己の思い通りに着々事件が
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(
しんちょく
)
すれば、それで人生の目的は達せられたのである。苦労と心配と争論とがなくて事件が進捗すれば人生の目的は
極楽流
(
ごくらくりゅう
)
に達せられるのである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その附属病院の工事と共に着々
進捗
(
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)
しつつある「狂人解放治療場」は、
過般来
(
かはんらい
)
その内容が厳秘中であったが、右は同科新任教授正木博士が私費を投じて開設したものである事が判明した。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「一向
進捗
(
しんちょく
)
しないんだから無理もないけれど、調査しているんだと困る」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
余の言葉を先方に伝えることも同然らしい。用談
進捗
(
しんちょく
)
せず。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
さっきから、ぼくの足場と、ぼくの仕事の
進捗
(
しんちょく
)
を、陸から見ていた倉庫係の平井という老人が、ぼくのペン刷毛が、さいごの僅少な面を塗り終るか終らぬうちに
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この測夫の熟練のいかんによって観測作業の
進捗
(
しんちょく
)
が支配されるのである。ある時向こうの山頂の回照器がいつまで待っても光を送らない。信号をしても返事がない。
地図をながめて
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
この窯が順調に
進捗
(
しんちょく
)
すれば
陸奥
(
むつ
)
の窯藝史に輝かしい一章が加わるであろう。私は同君の
為人
(
ひととなり
)
をよく知っている。何を目指して努力の数年を送ってきたかを知っている。
現在の日本民窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
事業が
進捗
(
しんちょく
)
するに従って、廣介の応接間には、設計の仕事にたずさわる技術者達に立混って、毎日の様に、それらの人々が詰めかけ、声を荒らだて、廣介の無謀を責め
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
今まで瀬戸物町の本宅の方からは
鵜
(
ママ
)
の毛ほどもその気が見えなかった結婚談がしかも重立った人々の間にこれほどまでに
進捗
(
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)
していようとは思いもかけませんので呆れて
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
この先生の診察の結果、前歯二枚は何うせ長くは持たないから削り取って
揷歯
(
さしば
)
にする方が
宜
(
い
)
いと
定
(
きま
)
った。それで絹子さんは山口さんへ通い始めたが、この件で僕は縁談が
進捗
(
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)
していることを
覚
(
さと
)
った。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
裂罅、あるいは「われめ」の生成は皺襞と対立さるべきものでやはり一種の不安定によって定まるものであろうが、このほうの研究はまだきわめて
進捗
(
しんちょく
)
していない。
自然界の縞模様
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“進捗”の意味
《名詞》
進捗(しんちょく)
物事が捗り、進行すること。
(context、dated)官位、官職が上がること。
(出典:Wiktionary)
進
常用漢字
小3
部首:⾡
11画
捗
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“進捗”で始まる語句
進捗上
進捗中