連絡れんらく)” の例文
翌日からバクスターの設計せっけいで、この新しい洞と、古い洞との連絡れんらくをひろげ、入り口にはサクラ号からとってきたとびらをとりつけた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
七人の同志と相談して、チリヂリバラバラになり、芳村道之丞は其中心人物として、長い間一味の連絡れんらくに當つて居りました。
「それはないね。今のところは、軍人だけの仕事のように思えるんだ。もっとも、農民と何か連絡れんらくがあるかもしれん、なんて噂もとんでいる。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ただかんがしょうな主人の頭には、花前のように、きのうときょうとの連絡れんらくもなく、もちろんきょうとあすとの連絡もない。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
大體だいたい太平洋沿岸地方たいへいようえんがんちほう火山かざんれつもつ連絡れんらくつてゐるので、わがくに火山列かざんれつも、千島ちしま、アレウト群島ぐんとうてアメリカの火山列かざんれつにつながつてゐるのである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
是が成功すると、代助の神経がうまかはつた様に落ち付いて、世間せけんとの連絡れんらくが、前よりは比較的らくに取れる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もちろんたゞの枕詞まくらことばだけでなく、夕月ゆふづきころにほんのりえかけたといふ意味いみにはいつてゐるのですが、學問的がくもんてきにもこのふたつの連絡れんらくをつけてゐるわけなのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
つまりすべてにわたりて連絡れんらくはとれてながら、しかしそのお受持うけもちがそれぞれちがうのでございます。
うして二内部ないぶ連絡れんらくしてるといふことわかつたので、んだか張合はりあひけてる。小雨こさめす。新聞記者連しんぶんきしやれんはそろ/\惡口わるくちはじめる。地主連ぢぬしれんはまご/\してる。
公用人の平岡円四郎の前発ぜんぱつは、その旅館の準備やら、公卿方くげがたとの意志の連絡れんらくを、慶喜の着京前に工作しておくためで、渋沢栄一もまた、円四郎の仕事を向うで助けるためと
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
えとろふ丸なんて云う荷物を一杯に積んだ大きな船もあれば白くられた連絡れんらく船もある。
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
何んとはなしに連絡れんらくとって、わが物顔にぞめいて歩き、旅人にぶつかって喧嘩を売ったり——わけても民弥と梶子との二人へ、悪てんごうを仕掛けるのが、苦にかかる現象というべきで
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、イワン、デミトリチはにわか思想しそう連絡れんらくうしなって、残念ざんねんそうにひたいこすった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ヤトナというのはいわば臨時雇で宴会えんかい婚礼こんれいに出張する有芸仲居のことで、芸者の花代よりは随分安上りだから、けちくさい宴会からの需要が多く、おきんは芸者上りのヤトナ数人と連絡れんらくをとり
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
『そんな話なんだがね、音羽おとわの護国寺前から江戸川を渡って真直に矢来の交番下まで来る電車が更に榎町から弁天町を抜けて、ここからずっと四谷の塩町とかへ連絡れんらくする予定になっているそうだ。』
早稲田神楽坂 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
兵営へいえい高塀たかべい歩哨ほせう銃剣じゅうけんとはおたがひ連絡れんらくってしまった
「ふうん。どういう字書くんだ。連絡れんらくの連か」
うた時計 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
萬一千之助を突き落したのが一人でなかつた時、仲間で連絡れんらくを取つて、口を合せられては叶ひません。急いで三人に逢はうとしたのは其爲です。
将来の連絡れんらく提携ていけいのために非常にいいのではないかと考え、そういうことにプログラムを組んでおきました。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
鹿之介幸盛と安土との間にも、すでに一脈の連絡れんらくが通じていた。これも直接ではなく、もっぱら丹波方面に活躍している明智光秀と細川藤孝を介して、他日の内約が結ばれていたものである。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此新發見このしんはつけん奇怪きくわいなる貝塚かひづかと、まへ奇怪きくわいなる貝塚かひづかと、山上さんじやう山下さんか直徑ちよくけいとしたら、いくらもはなれてらぬ。三四十けんよりとほくはるまいが、しかし、山上さんじやう山下さんか貝層かひそう連絡れんらくことは、あきらかである。
「むろん、そうでしょう。表面は連絡れんらく提携てけいとか、共励きょうれい切瑳せっさとかうたうでしょうが。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ただ、権田原先生だけは正木や本田といつも連絡れんらくがあり、また徹太郎とも知合いで、いろんな機会に次郎の話をすることであったせいか、次郎の表面だけを見て、安心してはいなかった。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)