絶望ぜつばう)” の例文
期待きたいしてあるものにはかうばられたやう絶望ぜつばうとが混淆こんかう紛糾ふんきうした自暴自棄やけ態度たいどもつておつぎをめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其中そのうちひめ目覺めざめしゆゑ、てんせるわざ是非ぜひおよばず、ともかくてござれ、とすゝむるうちに、ちかづく人聲ひとごゑわれらおどろ逃出にげいでましたが、絶望ぜつばうあまりにや、ひめつゞいてまゐりもせず
おそろしい絶望ぜつばうのろひといかりにきあかしたとき彼女かのぢよはまだ自分じぶんゐてはゐなかつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
またろうされて千鳥ちどりむれいはよりいはへとびかうてましたが、かるさいにも絶望ぜつばうそこしづんだひとこゝろ益々ます/\やみもとめてまよふものとえ、一人ひとり若者わかものありて、あをざめたかほえりうづ
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
水樽みづだるからになつて鐵車内てつしやない一隅いちぐうよこたはつた。一同いちどう最早もはや絶望ぜつばうきよくたつしたのである。
絶望ぜつばう
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
その方法てだてぢゃが……おゝ、害心がいしんよ、てもはやはひってをるなア、絶望ぜつばうしたものむねへは!……おもすはあの藥種屋やくしゅや……たしか此邊このあたりんでゐるはず……いつぞやをりは、襤褸つゞれ