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突出
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つきで
ふりがな文庫
“
突出
(
つきで
)” の例文
唯
(
と
)
見
(
み
)
ると、
何
(
ど
)
うしたことかさ、
今
(
いま
)
いふ
其
(
その
)
檜
(
ひのき
)
ぢやが、
其処
(
そこ
)
らに
何
(
なんに
)
もない
路
(
みち
)
を
横截
(
よこぎ
)
つて
見果
(
みはて
)
のつかぬ
田圃
(
たんぼ
)
の
中空
(
なかそら
)
へ
虹
(
にじ
)
のやうに
突出
(
つきで
)
て
居
(
ゐ
)
る、
見事
(
みごと
)
な。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
蔭
(
かげ
)
に小さな小屋がけして、
杣
(
そま
)
が三人停車場改築工事の木材を
挽
(
ひ
)
いて居る。橋の
下手
(
しもて
)
には、青石
峨々
(
がが
)
たる
岬角
(
こうかく
)
が、橋の袂から
斜
(
はす
)
に川の方へ十五六間
突出
(
つきで
)
て居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
突出
(
つきで
)
たジブラルタルの巌壁は、其の背面に落ちる
折
(
をり
)
からの夕日の光で、燃える焔の中に
屹立
(
きつりつ
)
してゐる。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
蟾蜍
(
ひきがえる
)
に向って、美とは何ぞやと尋ねて見よ。蟾蜍は答えるに違いない。美とは、小さい頭から
突出
(
つきで
)
た大きな二つの
団栗眼
(
どんぐりまなこ
)
と、広い平べったい口と、黄色い腹と褐色の背中とを
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
それは半分沼の中へ
突出
(
つきで
)
た
粗面岩
(
そめんがん
)
で、高さ十二
呎
(
フィート
)
あまりの、丁度巨人が横伏したような恰好をしている、敦夫はその岩へ登って、さっき男の姿の見えなくなった辺を覗いて見た。
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
まざまざとして発見されたのであった、その他湖上の
処々
(
しょしょ
)
に、青い松の木が、ヌッと
突出
(
つきで
)
ていたり、真赤に熟した柿の実の
鈴生
(
すずなり
)
になっておる柿の木が、とる人とてもなく淋しく立っているなど
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
と
圧
(
おさ
)
えつけるようにいうと、ぴょいと
立直
(
たちなお
)
って
頭
(
かしら
)
の
堆
(
うずたか
)
く大きく
突出
(
つきで
)
た、
紅
(
くれない
)
の花の
廂
(
ひさし
)
の下に、くるッとした目を
睜
(
みは
)
って立った。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
堂の前を左に切れると、空へ抜いた
隧道
(
トンネル
)
のように、
両端
(
りょうはし
)
から
突出
(
つきで
)
ました
巌
(
いわ
)
の間、
樹立
(
こだち
)
を
潜
(
くぐ
)
って、裏山へかかるであります。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遥かに山の
裾
(
すそ
)
の
翠
(
みどり
)
に添うて、濁った
灰汁
(
あく
)
の色をなして、ゆったりと向うへ通じて、左右から
突出
(
つきで
)
た山でとまる。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浦添
(
うらぞえ
)
を曲る山の根に
突出
(
つきで
)
た
巌膚
(
いわはだ
)
に響いて、カラカラコロコロと、冴えた駒下駄の音が聞こえて、ふと此方の足の淀む間に、その音が流れるように、もう近い、勘でも知れる
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
真中
(
まんなか
)
に
先
(
ま
)
づ
鰐鮫
(
わにざめ
)
が
口
(
くち
)
をあいたやうな
尖
(
さき
)
のとがつた
黒
(
くろ
)
い
大巌
(
おほいは
)
が
突出
(
つきで
)
て
居
(
ゐ
)
ると、
上
(
うへ
)
から
流
(
なが
)
れて
来
(
く
)
る
颯
(
さツ
)
と
瀬
(
せ
)
の
早
(
はや
)
い
谷川
(
たにがは
)
が、
之
(
これ
)
に
当
(
あた
)
つて
両
(
ふたつ
)
に
岐
(
わか
)
れて、
凡
(
およ
)
そ四
丈
(
ぢやう
)
ばかりの
瀧
(
たき
)
になつて
哄
(
どツ
)
と
落
(
お
)
ちて
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
衝
(
つ
)
き進むエンジンの音に
鳴留
(
なきや
)
んだけれども、真上に
突出
(
つきで
)
た山の
端
(
は
)
に、ふアッふアッと、
山臥
(
やまぶし
)
がうつむけに息を
吹掛
(
ふきか
)
けるような
梟
(
ふくろう
)
の声を聞くと、
女連
(
おんなれん
)
は真暗な奥在所へ入るのを
可厭
(
いや
)
がった。
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雪枝
(
ゆきえ
)
は
胸
(
むね
)
を
伸上
(
のしあ
)
げて、
岬
(
みさき
)
が
突出
(
つきで
)
た
湾
(
わん
)
の
外
(
そと
)
を
臨
(
のぞ
)
むが
如
(
ごと
)
く
背後状
(
うしろざま
)
に
広野
(
ひろの
)
を
視
(
なが
)
めた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
真中にまず
鰐鮫
(
わにざめ
)
が口をあいたような先のとがった黒い
大巌
(
おおいわ
)
が
突出
(
つきで
)
ていると、上から流れて来るさっと
瀬
(
せ
)
の早い谷川が、これに当って
両
(
ふたつ
)
に
岐
(
わか
)
れて、およそ四丈ばかりの滝になってどっと落ちて
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“突出”の意味
《名詞》
突 出(とっしゅつ)
ある部分だけ高く、または長く出ること。
他のものより目立っていること。
(出典:Wiktionary)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“突出”で始まる語句
突出部