盡力じんりよく)” の例文
新字:尽力
さいはひにもネープルスちゆうで「富貴ふうきなる日本人につぽんじん。」と盛名せいめい隆々りう/\たる濱島武文はまじまたけぶみ特別とくべつなる盡力じんりよくがあつたので、吾等われらつひこの最上さいじやう船室キヤビン占領せんりやうすることになつた。
それではどうか心配しんぱいしててやらうといはれて勘次かんじかほ蘇生いきかへつたやうにつた。かれなんでも主人しゆじん盡力じんりよくしてれゝば成就じやうじゆするとおもつてるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
が、麻雀マアジヤンたちまちにして日本にほん社會しやくわい飛躍ひやくした。これは一めんあきらか麻雀戲マアジヤンぎそのものの魅力みりよくからだ。そして、一めん空閑緑くがみどり以下いか識者しきしや盡力じんりよくからにちがひない。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
いとしきこととひかけては幾度いくたびはヽそでしぼらせしが、そのはヽにもまた十四といふとし果敢はかなくわかれていま一つのいたはしさ、かの學士がくしどの其病床そのびやうしよう不圖ふとまねかれて盡力じんりよくしたるが原因もととなり
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『いやわたくし貴方あなた朋友ほういうぢやいです。』と、イワン、デミトリチはまくらうちかほ愈〻いよ/\うづめてふた。『また甚麼どんな貴方あなた盡力じんりよくやうが駄目だめです、もう一ごんだつてわたくしくちひらかせること出來できません。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
安樂あんらくに送りお金は終身しうしん不足ふそくなく此家につか管伴ばんたう忠兵衞は此度の一件に附き盡力じんりよく一方ひとかたならざれば褒美はうびとして宅持たくもちの通ひ管伴ばんたうとなり和吉も種々くさ/″\褒美はうびありしが三年の後長左衞門夫婦は隱居し長三郎は主個あるじとなり和吉は元服げんぷくして二番管伴ばんたうとなり其家ます/\さかえたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かく軍艦ぐんかん乘組のりくんでは一刻いつこく默念じつとはしてられぬ、かつは艦長松島海軍大佐かんちやうまつしまかいぐんたいさはじ軍艦ぐんかん」の全員ぜんゐんが、自分じぶんもつと敬愛けいあいする櫻木大佐さくらぎたいさのために誠心まごゝろから盡力じんりよくしてれるのが、こゝろからうれしく