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白布
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しろぬの
ふりがな文庫
“
白布
(
しろぬの
)” の例文
彼が、指をさししめす
卓子
(
テーブル
)
のうえには、どうも人の血らしいものが、たくさん地図のような形に、
白布
(
しろぬの
)
をそめていた。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一人の水兵が進み出て
白布
(
しろぬの
)
で猿に目隠しをして遣つた。その時猿の痩せた手足は、ぶる/\震えた。猿は何か恐ろしい事が実行せられるのだと思つた。
猿
(新字旧仮名)
/
ジュール・クラルテ
(著)
博士の死骸は午後解剖に付せられるべく、解剖室に
白布
(
しろぬの
)
で覆われてありました。俊夫君は白布を取って一礼してから
身体
(
からだ
)
の諸方を手で撫でまわしました。
髭の謎
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
ひとかたまりの
白布
(
しろぬの
)
のようなものを、手早く探偵の口におしつけて、しばらくのあいだ力をゆるめませんでした。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
暗い土間を通り越して、奥を
覗
(
のぞ
)
いて見たら、窓の
傍
(
そば
)
に
機
(
はた
)
を
据
(
す
)
えて、白い
疎髯
(
そぜん
)
を生やした
爺
(
じい
)
さんが、せっせと梭を
抛
(
な
)
げていた。織っていたものは
粗
(
あら
)
い
白布
(
しろぬの
)
である。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
白布
(
しろぬの
)
にて
蔽
(
おお
)
うたる一個の
小桶
(
こおけ
)
を小脇に、柱をめぐりて、内を
覗
(
のぞ
)
き、女童の
戯
(
たわむ
)
るるを
視
(
み
)
つつ破顔して笑う
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
予
(
わし
)
も
折々
(
をり/\
)
は
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
っても
見
(
み
)
ますのぢゃ、パリスどのゝ
方
(
はう
)
が、ずっと
好
(
よ
)
い
男
(
をとこ
)
ぢゃと
言
(
い
)
うてな。すると、
眞
(
ほん
)
の
事
(
こと
)
ぢゃ、
孃
(
ぢゃう
)
は
眞蒼
(
まっさを
)
な
顏
(
かほ
)
にならっしゃる、
圖無
(
づな
)
い
白布
(
しろぬの
)
のやうに。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
止めて待るゝに次右衞門三五郎の兩士
亂髮
(
らんぱつ
)
の上を
白布
(
しろぬの
)
にて
卷
(
まき
)
野服
(
のふく
)
の
儘
(
まゝ
)
にて
刀
(
かたな
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
秋
(
あき
)
の
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れた。
彼女
(
かのぢよ
)
の
屍體
(
したい
)
は
白布
(
しろぬの
)
に
掩
(
おほ
)
はれて、その
夜
(
よ
)
屍室
(
ししつ
)
に
搬
(
はこ
)
ばれた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
紅木大臣はその間につかつかと
寝台
(
ねだい
)
に近寄って、
白布
(
しろぬの
)
を取り
除
(
の
)
けました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
顔に
白布
(
しろぬの
)
をかけている。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これは松山が、
白布
(
しろぬの
)
の張りかえのときに「痛いッ」と叫んだところのものであろうが、その傷はいつ頃からこうして出来ていたものか、
詳
(
たし
)
かでなかった。
麻雀殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
覆いの
白布
(
しろぬの
)
をのけると、瓶の中に、防腐液につけた、不気味なものが指を上にして、生えた様に立っていた。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
また
暗碧
(
あんぺき
)
に
白布
(
しろぬの
)
を織って矢を射るように里へ出るのじゃが、その巌にせかれた方は六尺ばかり、これは川の
一幅
(
ひとはば
)
を
裂
(
さ
)
いて糸も乱れず、一方は幅が狭い、三尺くらい
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寝室にはベッドが置かれて、
白布
(
しろぬの
)
に包まれた蒲団が掛けてありましたが、俊夫君はそれを取り除いて、敷布の上を熱心に探しました。そして枕の下から一本の毛を拾いあげて保存しました。
髭の謎
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
その
後
(
ご
)
佐藤は成立学舎の寄宿へ這入った。そこで
賄
(
まかない
)
征伐をやった時、どうした
機勢
(
はずみ
)
か額に
創
(
きず
)
をして、しばらくの間
白布
(
しろぬの
)
で頭を巻いていたが、それが、
後鉢巻
(
うしろはちまき
)
のようにいかにも勇ましく見えた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
泰定の宿所として古い萱ぶきの小屋が用意され、中は新しく飾られた。厚く綿の入った衣二かさね、小袖十かさねが長持に入れられて用意してあった。また
紺藍摺
(
こんあいずり
)
と
白布
(
しろぬの
)
が千反も積んであった。
現代語訳 平家物語:08 第八巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
売場の陳列台はすっかり
白布
(
しろぬの
)
で覆われ、その大小高低様々の白い姿が、無数の死骸の様にころがっていた。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
雁金検事のオーバーと、大江山課長の制帽とが、
白布
(
しろぬの
)
を
蔽
(
おお
)
った空寝台の上に並べて置かれた。それは竹田博士の死体と同じ位置に置かれたことはいうまでもない。
人造人間事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
又
(
また
)
暗碧
(
あんぺき
)
に
白布
(
しろぬの
)
を
織
(
お
)
つて
矢
(
や
)
を
射
(
ゐ
)
るやうに
里
(
さと
)
へ
出
(
で
)
るのぢやが、
其
(
その
)
巌
(
いは
)
にせかれた
方
(
はう
)
は六
尺
(
しやく
)
ばかり、
之
(
これ
)
は
川
(
かは
)
の一
巾
(
はゞ
)
を
裂
(
さ
)
いて
糸
(
いと
)
も
乱
(
みだ
)
れず、一
方
(
ぱう
)
は
巾
(
はゞ
)
が
狭
(
せま
)
い、三
尺
(
じやく
)
位
(
ぐらゐ
)
、この
下
(
した
)
には
雑多
(
ざツた
)
な
岩
(
いは
)
が
並
(
なら
)
ぶと
見
(
み
)
えて
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
麻酔薬をしませた
白布
(
しろぬの
)
を、彼女の口におしつけ、ぐったりとなるのを待って、そのからだを横だきにすると、窓をしめておいて、かた手で縄ばしごをのぼりはじめました。
妖人ゴング
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「その鋲を使わせるために、犯人は湯呑み茶碗をひっくりかえさせて、
白布
(
しろぬの
)
をとりかえました」
麻雀殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これが、例の戸棚掛の
白布
(
しろぬの
)
を、直ぐに使って一包み、昨夜の一刀を上に
載
(
の
)
せて、も一つ白布で本包みにしたのを、薄々沙汰は知っていながら、信心堅固で、
怯気
(
びく
)
ともしないで、一件を小脇に抱える。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と正吉が
飛退
(
とびしさ
)
った。途端に
白布
(
しろぬの
)
の包は、草に乗って一つ動く。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“白布”の意味
《名詞》
白布(はくふ / しらぬの / しろぬの)
白い布。
(出典:Wiktionary)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
布
常用漢字
小5
部首:⼱
5画
“白布”で始まる語句
白布高湯