病室びょうしつ)” の例文
二人ふたりは、いつかその病院びょういん病室びょうしつ案内あんないされたのでした。准尉じゅんいは、しろ衣物きもののそでにせきしるしのついたのをて、あし繃帯ほうたいしていました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、きゅうひと院長いんちょうだとわかったので、かれ全身ぜんしんいかりふるわして、寐床ねどこから飛上とびあがり、真赤まっかになって、激怒げきどして、病室びょうしつ真中まんなかはし突立つったった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
入り口の障子しょうじをあけると、二つぼほどないたがある。そこが病畜診察所びょうちくしんさつじょけん薬局やっきょくらしい。さらに入院家畜にゅういんかちく病室びょうしつでもあろう、犬のはこねこの箱などが三つ四つ、すみにかさねあげてある。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
病院びょういん小使こづかい看護婦かんごふ、その子供等こどもらなどはみな患者かんじゃ病室びょうしつに一しょ起臥きがして、外科室げかしつには丹毒たんどくえたことはい。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
子供こども病室びょうしつまどからえる、あおそらには、きざんだ色紙いろがみをちらしたように、しろくもあかくもむらさきくもが、おもおもいの姿すがたで、うえになり、したになり、あそんでいるのを、子供こども
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
玄関げんかんから病室びょうしつかよひらかれていた。イワン、デミトリチは寐台ねだいうえよこになって、ひじいて、さも心配しんぱいそうに、人声ひとごえがするので此方こなたみみそばだてている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
どの病室びょうしつにも、顔色かおいろわる患者かんじゃが、ベッドのうえよこたわったり、あるいは、すわったりして、さも怠屈たいくつそうに、やがてれかかろうとする、窓際まどぎわ光線こうせん希望きぼうなくつめているのでした。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その、まもなく、おたけが、口入くちい世話せわで、ある私立病院しりつびょういん病室びょうしつにいた、子供こどもいとなったのも、どうせつとめるなら、すこしでもくにおくるのにおかねおおいほうがいいとおもったからでした。
だまされた娘とちょうの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)