生死しやうし)” の例文
生死しやうしらぬが、……いま唯吉たゞきちが、屋根越やねごしに、まどまどとに相對あひたいして、ものふはすなは婦人をんななのである。……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ことふゆしたからはるあたまもたげる時分じぶんはじまつて、つくしたさくらはな若葉わかばいろへるころをはつた。すべてが生死しやうしたゝかひであつた。青竹あをだけあぶつてあぶらしぼほどくるしみであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
も云ず忽ち一人の盜賊の腕首うでくびつかんで瀬戸川へ眞逆まつさかさまに投込ば生死しやうしは知れず成にけり後に殘りし惡漢ども我等が仕事の邪魔じやまるなと兩人ひとしくとび掛るを彼男は引捕ひつとらへ汝等は往來にあみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かの宇治川を初めとして、つゞいて一の谷、八島やしま、壇の浦、高綱と生死しやうしを共にして、そちも隨分働いたなう。が、それも今はむかしの夢で、そちも高綱も再び功名をあぐる時節はあるまい。
佐々木高綱 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
それでなくてさへ隨分ずゐぶん出入でいりものなどをりて、わたしもとまであやしいつかものなどをよこして、ういふ事情じじやうひど難儀なんぎをしてります、此裁判このさいばん判決次第はんけつしだい生死しやうしりますなどゝつて
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
前線に今ぞつとふ文ありて生死しやうしもわかねたたかひ勝ちぬ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
旅籠屋はたごやつては実際じつさい容易よういことではからう、——仮初かりそめ宿やどつた夫婦ふうふが、をんな生死しやうし行衛ゆくゑれず、をとこそれために、ほとんど狂乱きやうらんかたちで、夜昼ひるよるともしにまよ歩行あるく……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
生死しやうし無し、よこしま無し
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
生死しやうし無し、よこしま無し
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)