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玩具
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がんぐ
ふりがな文庫
“
玩具
(
がんぐ
)” の例文
殊に少年や少女などに
画本
(
えほん
)
や
玩具
(
がんぐ
)
を与える傍ら、ひそかに彼等の魂を天国へ誘拐しようとするのは当然犯罪と呼ばれなければならぬ。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大きいものは一
石
(
こく
)
も
容
(
い
)
るれば小さきものは一
勺
(
しゃく
)
も容れ得ぬ。しかしいかに
小
(
しょう
)
なるも
玩具
(
がんぐ
)
にあらざる限りは、皆ひとかどの徳利と称する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
日曜日ごとに
麦酒亭
(
ビエルガルテン
)
に集まって安価な感動を求めているドイツ人らの
玩具
(
がんぐ
)
になるために、それらを生きさせようとはしなかった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その昔のマジノ要塞にしても、ジークフリード要塞にしても、このアカグマ地下本営にくらべると、
玩具
(
がんぐ
)
のようなものだった。
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのあとに
玩具
(
がんぐ
)
のように小さい櫃が竹
釘
(
くぎ
)
を入れたらしく、
仮輪
(
かりわ
)
で形だけ整ったのがころがっている。かやはそれを取上げ
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
▼ もっと見る
純次の机の上からつまらぬ雑誌類やくだらぬ
玩具
(
がんぐ
)
じみたものを払いのけて、原稿用紙に向った。純次はそのすぐそばで前後も知らず寝入っていた。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
河には船が相変らず頻繁に通り、向河岸の
稲荷
(
いなり
)
の社には、
玩具
(
がんぐ
)
の
鉄兜
(
てつかぶと
)
を
冠
(
かぶ
)
った
可愛
(
かわ
)
ゆい子供たちが戦ごっこをしている。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
これらの家屋は杉板と竹と網代の用法意匠余りに繊巧にして清洒なるがため風雨を
凌
(
しの
)
ぐ家屋と見んよりはむしろ精巧なる
玩具
(
がんぐ
)
の如き観なしとせず。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これは物理的にもなかなかおもしろいものである。ヨーヨーも物理的
玩具
(
がんぐ
)
であるが、あれはだいたいは簡単な剛体力学の原理ですべてが解釈される。
錯覚数題
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
土偶
(
どぐう
)
の
他
(
ほか
)
に
熊
(
くま
)
だとか
猿
(
さる
)
だとかの
獸類
(
じゆうるい
)
をつくつたものも
稀
(
まれ
)
には
出
(
で
)
ることがありますが、これは
玩具
(
がんぐ
)
と
見
(
み
)
えて、よくその
形
(
かたち
)
がそれらの
動物
(
どうぶつ
)
に
似
(
に
)
てをります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
出発の朝、ぼくは
向島
(
むこうじま
)
の古本屋で、
啄木
(
たくぼく
)
歌集『悲しき
玩具
(
がんぐ
)
』を買い、その
扉紙
(
とびらがみ
)
に、『はろばろと海を
渡
(
わた
)
りて、
亜米利加
(
アメリカ
)
へ、ゆく朝。
墨田
(
すみだ
)
の
辺
(
あた
)
りにて求む』
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
要に取って女というものは神であるか
玩具
(
がんぐ
)
であるかの
孰
(
いず
)
れかであって、妻との折り合いがうまく行かないのは、彼から見ると、妻がそれらの孰れにも属していないからであった。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
玩具
(
がんぐ
)
問屋、
煙草
(
たばこ
)
店、菓子店というような順序に並んでおり、路地に入ってみると、元庭であったところにもぎっしり家が建っており、そのあたりの住人も大体替ってしまっていた。
三筋町界隈
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
種まく人たちが、今度文芸戦線と云う雑誌を出すからと云うので、私はセルロイド
玩具
(
がんぐ
)
の色塗りに通っていた小さな工場の事を詩にして、「工女の唄える」と云うのを出しておいた。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
そして、芸術(表現)は、かかるイデヤに対するあこがれであり、勇躍への意志であり、もしくは
嘆息
(
たんそく
)
であり、
祈祷
(
きとう
)
であり、
或
(
あるい
)
は絶望の
果敢
(
はか
)
なき慰め——悲しき
玩具
(
がんぐ
)
——であるにすぎない。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
でもクリストフは、知らず知らずに彼を
好
(
す
)
いてるのだった。第一に、思うままになるおとなしい
玩具
(
がんぐ
)
として、彼が
好
(
す
)
きだった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
違い棚のついた小さい
玩具
(
がんぐ
)
のような
茶箪笥
(
ちゃだんす
)
の
抽出
(
ひきだし
)
には、いろんな薬といっしょにべい
独楽
(
ごま
)
やあめ玉の袋などもあった。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「瓦斯マスク! ほほう、えらいものを
拵
(
こしら
)
えたものだね。近頃、こんな
玩具
(
がんぐ
)
が
流行
(
はや
)
りだしたってえ訳かい」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
名はお
沢
(
さわ
)
といった。大正三年の夏
欧洲
(
おうしゅう
)
戦争が始まってから
玩具
(
がんぐ
)
雑貨の輸出を業とした兼太郎の店は大打撃を受けたので、その取返しをする目算で株に手を出した。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
とにかく、
何
(
なに
)
か
宗教上
(
しゆうきようじよう
)
のために
造
(
つく
)
つたもので、
玩具
(
がんぐ
)
ではなかつたようです。もし
玩具
(
がんぐ
)
だつたら、
人間
(
にんげん
)
の
形
(
かたち
)
をそのまゝ
寫
(
うつ
)
したものにしなければならないと
思
(
おも
)
ひます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
芸術が慰安的な「悲しき
玩具
(
がんぐ
)
」であろうとも、或は
生命
(
いのち
)
がけな「真剣な仕事」であろうとも、批判する側には関係がなく、
何
(
いず
)
れにせよ表現の魅力を有し、作品として感動させてくれるものが好いので
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
玩具
(
がんぐ
)
研究家の示教を得れば幸いである。
錯覚数題
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その主想も、複雑から簡単へと次第に下っていって、最後にしか現われて来なかった。それは非常に知的な
玩具
(
がんぐ
)
だった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
余分の収入だというので皆に
土産
(
みやげ
)
があった。一ばん上等が実枝の
碁盤縞
(
ごばんじま
)
の洋服、それからクニ子には下駄、花子のころんころんと鳴る
玩具
(
がんぐ
)
などが出た。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
家の内には竜子が生れた時から
見馴
(
みな
)
れた
箪笥
(
たんす
)
火鉢
(
ひばち
)
屏風
(
びょうぶ
)
書棚の如き家具の
外
(
ほか
)
に茶の湯裁縫生花の道具、または大きな
硝子
(
ガラス
)
戸棚の中に並べられた人形
羽子板
(
はごいた
)
玩具
(
がんぐ
)
のたぐい
寐顔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
又別に持っている
無螺旋
(
むらせん
)
のピストル、それは多分、上等の
玩具
(
がんぐ
)
ピストルを改造したんだろうと思われますが、その別なピストルに入れて、省線電車の中に持ちこんだんです。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おかしな
玩具
(
がんぐ
)
かなんかのように彼を面白がったり、
悪
(
わる
)
ふざけをしてからかったりした。それを
小父
(
おじ
)
(小さい行商人)はおちつき払って
我慢
(
がまん
)
していた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
以前は
浅草
(
あさくさ
)
瓦町
(
かわらまち
)
の電車
通
(
どおり
)
に商店を構えた
玩具
(
がんぐ
)
雑貨輸出問屋の主人であった身が、現在は事もあろうに電話と家屋の売買を周旋するいわゆる
千三屋
(
せんみつや
)
の手先とまでなりさがってしまったのだ。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そして終わりには、新たな
玩具
(
がんぐ
)
のためにすべてを
放擲
(
ほうてき
)
した。飛行機にたいする世人の熱狂にかぶれた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
過ぎし世の婦女子の
玩具
(
がんぐ
)
にあらずんば
傾城遊女
(
けいせいゆうじょ
)
が手道具の
類
(
たぐい
)
ばかり。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
おのれの主義を適用するのに、かつて危ない破目に陥ることがなかった。しかし彼には看板が一つ必要だった。彼にとってはそれが
玩具
(
がんぐ
)
であって、幾度も取り変えた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
それでもマンハイムは気にかけなかった。クリストフは一つの
玩具
(
がんぐ
)
であって、彼はそれからあらゆる興味をくみつくしたのだった。彼はもう他の人形に心を移し始めていた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
しかし彼らはその意見を求めらるることもなく、また意見を述べるほど大胆でもない。世間的活動の雄々しい習慣をもっていない人々は、かならずや世間的活動の
玩具
(
がんぐ
)
となされてしまう。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“玩具”の解説
玩具
玩具(がんぐ、おもちゃ、en: toy)は、遊びのための道具。翫具とも表記される。遊び道具とも。
(出典:Wikipedia)
玩
常用漢字
中学
部首:⽟
8画
具
常用漢字
小3
部首:⼋
8画
“玩具”で始まる語句
玩具屋
玩具箱
玩具店
玩具問屋
玩具交響曲
玩具品
玩具売
玩具染
玩具棚
玩具人形