清盛きよもり)” の例文
少なくともわしは清盛きよもりほど悪虐あくぎゃくではないつもりだ、彼ほど人を傷つけてはいないつもりだ。天はその清盛をどのように遇しているか!
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
これがむくい一一三虎狼こらうの心に障化しやうげして、信頼のぶより隠謀いんぼうにかたらはせしかば、一一四地祇くにつがみさかふ罪、さとからぬ清盛きよもりたる。
為朝ためともれいの二十八をつれて西にしもんまもっておりますと、そこへ清盛きよもり重盛しげもり大将たいしょうにして平家へいけ軍勢ぐんぜいがおしよせてました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
吾人はその経歴や功績を見てたどるべき道を知る、前弁士は清盛きよもり頼朝よりとも太閤たいこう家康いえやす、ナポレオンを列挙し吾人の祖先がかれらに侵掠しんりゃくせられ
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
最初、彼らは革命の失敗者として、清盛きよもりののしり、平家の一門を呪い、陰謀の周密でなかったことを後悔し、悲憤慷慨ひふんこうがいに夜を徹することが多かった。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「平の清盛きよもりが、太政大臣だじょうだいじんとなったのを、古今の異例といわれたそうだが、清盛はまだ平氏の帝系ていけいをひいた者。……氏素姓うじすじょうもない、一匹夫いちひっぷとはちがう」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
園城寺おんじょうじの牒状に対する南都の牒状を書いたのが、この信救で、「清盛きよもりは、平氏のかす・ぬか、武家のごみ」
彼女の長兄は、其母を悦ばす可く陰に陽に骨折る事を妹に約した。残る所は彼女の父の承諾だけであった。彼女の父は田舎の平相国へいしょうこく清盛きよもりとして、其小帝国内に猛威を振うている。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
場長の清盛きよもりも、こないだの講話で言っていた。諸君は選手である。結核の必ず全治するという証拠を、日本全国に向って示すところの選手である。切に自重を望む、と言いましたがね。
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)
地方の国司から出て太政大臣だいじょうだいじんまでのぼった平忠盛たいらのただもり清盛きよもり父子二代のうちの平家の地位の昇り方というものは一ばん目に立つのであるが、元来京都にあった村上源氏や藤原氏の諸流にしても
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
いにしへの『熊野道くまのみち』であるから、石が敷いてあるが、今は全く荒廃して雑草が道を埋めてしまつてゐる。T君は平家へいけの盛な時の事を話し、清盛きよもりが熊野路からすぐ引返したことなども話して呉れた。
遍路 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
成経 父は宗盛をひどくにくんでいました。法皇ほうおうは父にその位を与えたいと思っていられるのに、あの清盛きよもりがそれをさまたげましたから。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
清盛きよもりはいくら常磐ときわさがしてもつからないものですからこまって、常磐ときわのおかあさんの関屋せきやというおばあさんをつかまえて
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
清盛きよもり頼朝よりとも太閤たいこう家康いえやす、ナポレオンが生まれなければ、他の英雄が生まれて天下を統一するであろう、非凡の才あるものが凡人を駆使くしするのは
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
あと答へて、とびのごとくの一三〇化鳥けてうかけ来り、まへしてみことのりをまつ。院、かの化鳥にむかひ給ひ、何ぞはやく重盛がいのちりて、雅仁まさひと清盛きよもりをくるしめざる。化鳥こたへていふ。
仁平にんぺい三年正月、忠盛は、五十八歳で死に、息子の清盛きよもりが、跡を継いだ。
いにしえの「熊野道くまのみち」であるから、石が敷いてあるが、今は全く荒廃して雑草が道を埋めてしまっている。T君は平家へいけさかんな時の事を話し、清盛きよもりが熊野路からすぐ引返したことなども話してくれた。
遍路 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
けれども、陰ではこっそり綽名で呼んでいる。清盛きよもりというのだ。
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「なに。わしを清盛きよもりのようだとか?」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俊寛 もし清盛きよもりがも一度都へかえしてくれたら、わしは清盛がわしに加えた罪悪をも許してやり、清盛の武運を祈ってでもやろうものを。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
平家へいけ大将たいしょう清盛きよもりは、源氏げんじにかたきをられることをこわがって、義朝よしとも子供こどもつけしだいころそうとかかりました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
家康いえやすが旧恩ある太閤たいこう遺孤いこを滅ぼして政権を私した、そうして皇室の大権をぬすむこと三百余年、清盛きよもりにしろ頼朝よりともにしろ、ことごとくそうである、かれらは正義によらざる英雄である
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
この仕返しとしては、まず義朝の心を暴虐・貪欲にすることによって、信頼のぶよりの陰謀に加担させたので、彼は天子に弓ひく大罪をおかし、武略にすぐれぬ清盛きよもりの如きに追い討たれてしまったのだ。
そしてそこにたくさんならんでいるすぎの木を平家へいけ一門いちもん見立みたてて、その中で一ばん大きな木に清盛きよもりというをつけて、ちいさな木太刀きだちでぽんぽんちました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
するとあんじょう、そのばん夜中よなかちかくなって、てき義朝よしとも清盛きよもり大将たいしょうにして、どんどん夜討ようちをしかけてました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
まして清盛きよもりなどが人なみにひょろひょろの一つ二つかけましたところで、ついこのよろいそでではねかえしてしまうまででございます。まあ、わたくしのかんがえでは、けるまでもございません。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)