トップ
>
河水
>
かわみず
ふりがな文庫
“
河水
(
かわみず
)” の例文
河水
(
かわみず
)
は、
行方
(
ゆくえ
)
も
知
(
し
)
らずに
流
(
なが
)
れてゆきました。
前
(
まえ
)
にも、また、
後
(
うし
)
ろにも、
自分
(
じぶん
)
たちの
仲間
(
なかま
)
は、ひっきりなしにつづいているのでした。
河水の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
山西はまた逃げられてはならないとおもったので、
後
(
あと
)
から
跟
(
つ
)
いて往った。石垣の下にはもう満ちきった
河水
(
かわみず
)
が満満と
湛
(
たた
)
えていた。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
長吉はどんどん流れて行く
河水
(
かわみず
)
をば何がなしに悲しいものだと思った。
川向
(
かわむこう
)
の堤の上には一ツ二ツ
灯
(
ひ
)
がつき出した。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
勘太は、湊川から、
荷担
(
にな
)
いの水桶で、何度も
河水
(
かわみず
)
を汲んで来た。たわしで碑を洗いあげるのだった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とも思ったが、しかしよく考えると、
先刻
(
さっき
)
だってとても自殺をするほどの勇気はなかった。あの
河水
(
かわみず
)
や寂しい
河岸
(
かし
)
の景色を思いだしてさえ、ぞっと身ぶるいがするのであった。
小さきもの
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
▼ もっと見る
バナナの
皮
(
かわ
)
とつえとは、それからも、まだ
河水
(
かわみず
)
について
流
(
なが
)
されていったのです。しかし、
彼
(
かれ
)
らは、まだ
希望
(
きぼう
)
を
捨
(
す
)
てませんでした。
河水の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
例へば雲の白きに流るる水の青きと
夕照
(
ゆうやけ
)
の空の薄赤きとを対照せしめたる、あるひは夜の
河水
(
かわみず
)
の青きが上に空の一面に
薄黒
(
うすくろ
)
く、この
間
(
あいだ
)
に
苫船
(
とまぶね
)
の苫の
黄
(
きいろ
)
きを配したる等
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
バナナの
皮
(
かわ
)
も、つえも、いまさら
河水
(
かわみず
)
の
無情
(
むじょう
)
なことを
悟
(
さと
)
りました。そして、これからどうなることだろうと
思
(
おも
)
っていました。
河水の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
米国の都市には汽車を渡す大仕掛けの渡船があるけれど、竹屋の渡しの如く、
河水
(
かわみず
)
に
洗出
(
あらいだ
)
された
木目
(
もくめ
)
の美しい
木造
(
きづく
)
りの船、
樫
(
かし
)
の
艪
(
ろ
)
、竹の
棹
(
さお
)
を以てする絵の如き渡船はない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
怖しい処で見た、赤い色と灰色の混った処で見た……何処だろう? 考えると、私の目の前に、
河水
(
かわみず
)
に臨んだ赤い
煉瓦造
(
れんがづくり
)
の監獄の建物が浮んだ。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
遠い
下町
(
したまち
)
に行って芸者になってしまうのが少しも悲しくないのかと長吉はいいたい事も胸一ぱいになって口には出ない。お糸は
河水
(
かわみず
)
を
照
(
てら
)
す玉のような月の光にも
一向
(
いっこう
)
気のつかない様子で
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
彼女
(
かのじょ
)
がその
星
(
ほし
)
のような
瞳
(
ひとみ
)
をじっと
落
(
お
)
とすと、
花
(
はな
)
は
生
(
い
)
き
生
(
い
)
きとして
香
(
かお
)
りました。
河水
(
かわみず
)
は
声
(
こえ
)
をたてて
笑
(
わら
)
いました。そして
光
(
ひか
)
る
砂
(
すな
)
は、いっそうきらきらと
輝
(
かがや
)
いて
見
(
み
)
えたのでありました。
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
霧たち
籠
(
こ
)
むる
河水
(
かわみず
)
に樹木の影は
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
大空
(
おおぞら
)
はいつもうららかに
晴
(
は
)
れて、いい
香
(
にお
)
いのする
紫
(
むらさき
)
や、
赤
(
あか
)
や、
青
(
あお
)
や、
白
(
しろ
)
の
花
(
はな
)
が一
面
(
めん
)
に
咲
(
さ
)
いていました。
太陽
(
たいよう
)
の
光
(
ひかり
)
は、その
河水
(
かわみず
)
の
上
(
うえ
)
にも、
花
(
はな
)
の
上
(
うえ
)
にも、また
砂
(
すな
)
の
上
(
うえ
)
にもいつもあふれていました。
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ほんとうに
憎
(
にく
)
い
妹
(
いもうと
)
めだ。わたしが、こうして
下界
(
げかい
)
のものを
苦
(
くる
)
しめ
困
(
こま
)
らしてやろうといっしょうけんめいに、
黒
(
くろ
)
い
砂
(
すな
)
をまいたり、
河水
(
かわみず
)
をまいたりしているのに、あちらではその
邪魔
(
じゃま
)
をしている。
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
春先
(
はるさき
)
であったから、
河水
(
かわみず
)
は、なみなみとして
流
(
なが
)
れていました。その
水
(
みず
)
は、
山
(
やま
)
から
流
(
なが
)
れてくるのでした。
山
(
やま
)
には、
雪
(
ゆき
)
が
解
(
と
)
けて、
谷
(
たに
)
という
谷
(
たに
)
からは、
水
(
みず
)
があふれ
出
(
で
)
て、みんな
河
(
かわ
)
の
中
(
なか
)
に
注
(
そそ
)
いだのです。
千代紙の春
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
河
常用漢字
小5
部首:⽔
8画
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
“河”で始まる語句
河岸
河
河童
河内
河豚
河原
河鹿
河馬
河獺
河面